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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
4. 奴隷のカプセル(11)
めまいがし始め、息苦しくなってきました。
男の一人が、頭の上の小さな開口部に、細い管を取り付けたので、わたしは顔を上げました。
酸素がシリンダーに流れ込んできました。
別の管がわたしの足下に接続されると、ほとんど聞き取れない小さな音を立てて、空気を吸い込み、息ができるようになりました。
二人の男は中央通路に立っていて、気をつけをして一人は棚の右を、もう一人は棚の左を押さえていました。突然わたしはエレベーターにいるような感覚になって、一瞬息ができなくなりました。今や上昇しているのだと悟りました。シリンダーに押しつけられる体の感覚からすると、垂直か垂直に近い形で上昇しているに違いありません。特に強い圧迫はなく、少し不快感がありました。早くて怖かったけれど、痛みはありません。モーターの音も、エンジンの音も聞こえませんでした。
だいたい一分ほど経つと、棚を押さえていた二人の男が部屋から立ち去りました。
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