2009/05/17

ゴルの虜囚 17 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(8)

 割れたドアを見ると、怖くなりました。
 壁掛け時計は、0時40分。
 玄関を通って行くのが不安になりました。包丁のことを思い出し、寝室に駆け戻って包丁を掴んでハンドバッグに押し込みました。びくびくしてパティオのテラスに走っていくと、部屋を出るのに使ったシーツで作ったロープは取り外されていました。また寝室に走って行くと、シーツはほどかれて洗濯物のように一箇所にまとめてありました。鏡を見て、立ち止まり、首の金属の輪を隠すため、黒いブラウスの襟のボタンを上まで閉めました。鏡に口紅で描かれたしるしがまた見えました。ハンドバッグと小さなスーツケースを掴み、壊れたドアを通って逃げました。ドアの外のホールにある、小さな専用エレベーターの前で立ち止まりました。
 腕時計を取りに家の中に駆け戻りました。
 真夜中の、0時42分。
バッグから出した鍵で、エレベーターの鍵を開け、共用エレベーターの並ぶ下のホールに降りて行きました。下行きのボタンを全部押しました。
エレベーターの上の階数の表示板を見ると、二基昇って来ていて、一基は七階に、もう一基は九階にいました。
この二基は呼べなかったはずなのに!
唸り声をあげました。
振り返って階段のほうに走り、階段の一番上で止まりました。鉄で補強されただだっ広い階段の上にいると、ずっと下から男が二人登ってくる音が、通路にうつろに響いてきました。
 エレベーターに戻りました。
 一基がわたしのいる二十四階に止まりました。壁に背中を押し付けて立っていました。
 男がひとりと、その妻が歩み出てきたので、息をのんでやり過ごしました。二人は怪訝そうにこちらをみていましたが、メインフロアへのボタンを押しました。
 エレベーターのドアがゆっくりと閉じると、隣のエレベーターのドアが開く音が聞こえました。ドアの隙間から、警察の制服を着た二人の男の背中が見えました。
 のろのろと、のろのろと、エレベーターは下降していきました。エレベーターが四階で止まりました。奥に立っていると、カップルが三組とアタッシュケースを持った男が一人乗ってきました。メインフロアに着くとわたしはエレベーターを逃げるように降りましたが、すぐに自制心を取り戻し、自分を確認し辺りを見回しました。ロビーには何人か座っていて、何か読んだり人を待ったりしていました。何気なくわたしを見た人も何人かいました。
 暑い夜でした。

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訳者の言い訳と解説

 ちょっとわかりにくい・・・よね。我ながらそう思う。
いずれ修正すると思います(;´Д`)
言い回しも気に入らないし。

エリノアの部屋はペントハウスなので、自分専用エレベーターで一旦24階に降りて、
共用エレベーターに乗り換えるみたいなんだな。

 エレベーターの階数の表示板って、インジケーターって言うんですけど、
原文では"dials"。
「T4 STYLES」様の「アンティークなエレベjavascript:void(0)ーター・・・」の写真にあるようなのなんだと思う。

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