2011/04/24

ゴルの虜囚 111 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

9. 小屋(1)

森に入るのは恐ろしかったが、選択の余地はなかった。

縛られた奴隷を操るのに、窒息の革ひもは最適の道具だ。絶対について行くしかない。少しでも抵抗すると首が絞まるのだ。

女たちは一列になり、森のはずれの藪や低木を抜け、すばやく進んだ。葉や小枝を踏む感触がした。止まるのは、枝をわきに持ち上げてよけたり、彼女たちが隠しておいた小さい槍や弓と矢を拾い上げる間だけ。どの女も、鞘に納めたスリーン・ナイフを腰に下げている。

背が高くブロンドの髪で、艶やかに美しいヴェルナは隊を率い、弓と箙(えびら・矢を入れて背負う武具)を背負い、槍を手に持っている。時折立ち止まり、様子を確かめるように耳を澄ましたり、顔を上げたりしては、再び進み始めた。わたしは縛られてたし、肌を保護するものを身につけていなかったから、打ち付ける木の枝から体を守れなかった。もし痛くて立ち止まったり、ぶつかってつまづいたりすれば、無情な窒息の革ひもはわたしの咽を締め付け、また前へと駆り立てる。

それから、恐らく1時間ほどこの責め苦が続いた後、ヴェルナが片手を挙げると、女たちが立ち止まった。

「ここで休憩する」

藪や生い茂る木々を抜けて進むのは大変だった。森の高木、巨大なツールの木のところへ着けば、たぶんもっと行程を伸ばせるようになりそうだ。

「ひざまずけ」と紐を持った女が言った。

わたしはひざまずき、深く息を吸い込んだ。

「快楽奴隷としてだ!」

さるぐつわをされていたので、いや!と首を振った。

「枝を切ってきてこの女をぶて」とヴェルナが言う。

わたしは目を見開き、やめて、やめてください!と首を横に振り許しを請うた。

命じられたとおりにひざまずいた。

女たちが笑っている。

ひもを持っていた女は、わたしの背中側でひもを輪にした。

わたしは手首の縛りのひもをぐっと引っ張った。

女は窒息のひもの端で容赦なく私の足首を縛り、首と足首でひもがピンと張るようにした。息もできないほど、頭が後ろに締め付けられる。

女が一人近くの木によじ登るとすぐに、月明かりの中、水の入ったひょうたんとちぎった肉を投げ落としていた。

女たちは木の葉の上にあぐらをかき、ひょうたんを渡したりして、肉を食べ始めた。

彼女たちは半円になって座って飲み食いし、わたしを見ていた。

「足首をほどいてやれ」 とヴェルナが言った。

ひもがほどかれ、咽の圧迫から解放された。

がっくりと頭を降ろした。

顔を上げるとヴェルナが目の前に立っていて、ナイフを顔に当てられた。

「傷をつけてやれ!」 とひもを持っていた女が言った。

おびえてヴェルナのほうを見た。

「男どもに気に入ってもらえなくなるほど、かわいくなるんじゃないかと心配か?」 とヴェルナが尋ねてきた。

わたしは目をつぶった。

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訳者の言い訳と解説

ですます調に挫折しました。
SM感はアップしたけど奴隷感がダウンしちゃったね。難しいっす。


ツールはゴルの植物で、高木。
確か材木としても使われるんだったと思う。

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ラッシュライフ  伊坂幸太郎

今まで読んだ伊坂作品の中で、一番面白かったと思いました。
『ゴールデンスランバー』も良かったけど、ごはん粒を散らかして食べる人は嫌いだから。

登場人物の人間関係がどうなっているのかは、ある程度予測がついたのですが、
物語をどう収束させるのかは予想がつかず、最後まで楽しんで読めました。
最終的にみんなにハッピーエンドが訪れるのかはわからないけれど、
読後感も良いし、後味がすっきりします。

『フィッシュストーリー』では違和感を感じた黒澤さんが、
この本では魅力的な人物で、
人気のあるキャラクターなのも納得しました。

そうそう、男性の作家の場合、女性の描写に無理がある人も多いですよね。
伊坂氏の場合は特別にうまく表現しているわけではないけれど、
不自然さを感じさせずに描いています。

特に気に入った点は、島田荘司の影響を感じたことです。
伊坂氏が島田御大のファンだと知った後に読んだから、
そんな気がするだけかとも思ったのですが、
他の作品を読みかえしてみても、島田荘司の影響は特には感じませんでした。

追伸:『ラッシュライフ』を薦めてくれたお兄ちゃん、ありがと(*^ω^*)



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2011/04/18

ゴルの虜囚 110 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(28)

出発の準備が整いました。

男たちは既に意識を取り戻してもがいていましたが、手も足も出ませんでした。

遠くからはただ単に草地に座っているだけに見えるかもしれません。

男たちは縄を引きちぎろうとしていました。

朝まで見つけてもらえないだろうと思いました。

「脱がせろ」 とヴェルナが部下の一人に言いました。わたしはイヤ!と首を横に振りました。カミスクを切って脱がされ、わたしだけだけが捕らえられた奴隷として立ちすくむのでした。

「カミスクも縛りの紐も燃やせ」

服と紐が炎に投げ込まれるのを見つめていました。奴隷狩りに訓練されたスリーンにかがせるのに使えないようにするためでしょう。

「もっと火に薪をくべろ」 とヴェルナが命じました。

火に薪が投げ込まれました。

それからヴェルナはわたしに背を向け、衛兵の前を大股に歩きました。

短い動物の皮をまとい、金の飾りをつけている彼女は、なんと美しく、気高く、猛々しいのでしょう。彼女の美しき姿、男たちの前での尊大な振る舞い、その美しさと槍で男たち嘲弄しています。

「わたしはヴェルナ。気高き森の女豹族(パンサー・ガールズ)だ。気が向けば男を隷属させ、飽きたら売る」 ヴェルナは衛兵たちの前を行ったり来たりしました。

「お前たちはタルスク並みの獣だ。軽蔑する。我々はお前たちを出し抜き、捕らえ、拘束している。我々が望めば森につれて行き、隷属の何たるかを教えやれるのだ!」 言いながらヴェルナは槍で男たちを突くと、チュニックに血のしみが広がりました。

「男ときたら!」 と軽蔑的に笑い、背を向けました。

衛兵たちはもがいていましたが、縄を外すことはできませんでした。女豹族に縛られてしまっていました。

それからヴェルナはわたしの前に立ち、奴隷商人のようにわたしを値踏みしました。

「カジュラ」 と彼女は軽蔑した声で言いました。

わたしは違う!と首を横に振りました。

ヴェルナは振り返らず、槍を手にキャンプから暗い森のほうへ大またに歩き出しました。彼女の手下たちは、火と、縛った男たちと、二人の衛兵の足に縛ったユートとラナを残し、ヴェルナの後に続きました。

首を締め付ける窒息のひもがすべり、裸にされさるぐつわを噛まされ、手は後ろ手に縛られ、よろめきながら、わたしは森の闇に引きずられていきました。

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訳者の言い訳と解説

ヴェルナさんは今後も登場する、ゴルシリーズで人気の高いキャラクターです。
覚えておいてください。RPをされる方は特に。

さて、第8章終了ですよ。
もう、です・ます調は限界です・・・。
難しいのはわかってたんだけど、想像を絶する難しさでありんす。
9章からはである調で書いて良いですか。

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2011/04/17

ゴルの虜囚 109 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(27)

「男たちを火のそばに連れて来い」

「はい、ヴェルナ」

女たちは二人組みになって、衛兵たちを引きずり火のところへ戻って来ました。今や衛兵たちはさるぐつわをされ、意識が戻っているのは一人だけでした。毛皮を着た女の一人が髪をかき上げながら、その衛兵の前にひざまずき、のど元にナイフを当てていました。

何人かの女は棍棒を捨て置いて、腰に手を当てて男たちを見つめ、笑い声を上げています。

わたしは気持ちが高ぶっていました。彼女たちは闇の中から棍棒を持ちすばやく現れ、女を扱うごとく簡単に男を捕虜にしたのです。でもわたしも、縛られているのだけれど。

ヴェルナと呼ばれた背の高い金髪のリーダーは、しなやかな森の豹の毛皮、金の飾りをまとい、槍を持ち、ラナが縛られ口をふさがれて横たえられている辺りを大またに歩いています。槍でヴェルナはラナを転がし、仰向けにしました。ラナは恐ろしげに見上げています。ヴェルナの槍はラナののどに当てられました。

「踊りが上手だったぞ」

ラナが震えています。

ヴェルナは軽蔑の目を向け、槍を横にどけ、ラナのわき腹を容赦なく蹴飛ばし、「カジュラめ!」とあざ笑いました。

背の高い女はそれからユートのところへ行き、同じように蹴りつけて「カジュラ!」と言いました。

ラナは泣いていましたが、ユートはさるぐつわに涙を流していても声を上げませんでした。

「男たちを火の周りに座った姿勢で縛れ」

ヴェルナの手下たちの15人ほどが従い、重いチェストや荷車の轅を利用して縛っていました。

ヴェルナが近づいて来ました。

怖いと思いました。背が高く強そうです。野蛮な美しさの中に、猫のように狡猾な傲慢さを湛えていました。短い毛皮と金の飾りを身につけ、偉大で激しい女に見えました。槍の尖ったほうをわたしの顎の下にあて、顔を上げさせました。

「この奴隷たちはどうしてやろうか?」 と女の一人が言いました。

ヴェルナは振り返り、ラナとユートを見つめ、ユートを示しました。「カミスクを脱がせて、こいつらのご主人様の足元に縛っておけ」

ユートはカミスクを脱がされ、ユートとラナは輪にした縛りの紐で足と首を縛られ、二人の衛兵の足首につながれました。

またヴェルナの槍の先を顎に当てられ、顔を上げさせられました。

長い間わたしを見つめていました。「カジュラ」

わたしは否定して首を振りました。違う、わたしは違う!

女の何人かは荷車をあさり、食べ物、コインや飲み物、服やナイフなど、欲しいものは何でもかき集めていました。

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2011/04/16

ゴルの虜囚 108 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(26)

「触らないでよ」

男はやすやすとわたしの体をひっくり返し、背中を地面に押し付けました。

「やめてよ!あんたなんか大っ嫌い!」

男の目に怒りの色が浮かんで来ました。わたしの体をきつく押さえています。そしてわたしは、ホワイト・シルクにもわかるほどの別の目つきに気づき、狼狽しました。ただ使われて、終わりではないのだと。苛立ちを感じ、うめき声を上げました。忍耐強くケアされ、デリカシーと細心さを以って使われるのでしょう。わたしが男に服従するまで。誇り高く怒れる自由なわたしが、打ち砕かれ、懇願する卑しい女奴隷に堕ちるまで。

「お願い、やめて!」

体の中に燃え上がる奴隷の火など望んでいません。どんなに激しく燃えるか、どんなに必要不可欠なものになってしまうか、わかっています。所有されるのは嫌。男のなすがままにされるのは嫌。地球であの背の低い男が、わたしが自分のベッドに縛り付けられていたときに、腹ばいと懇願を学ぶだろうと断言したことを思い出しました。

「いや!お願いだから。お願い、やめて、やめてちょうだい」

あがこうとしました。ラナの鈴の音、ユートと男たちの歌声と手拍子、ダンスのリズムに皮の盾を叩く音。

大きな顔がわたしの首に覆いかぶさって来ました。わたしは頭を片方に倒し、涙を流しました。 「わたしはホワイト・シルクなのに!」

「差額は払う」

突然、わたしたちの体の回りに、風の音が起こりました。ラナが悲鳴を上げ始めましたが、その声は包み込まれました。ユートも叫びましたが、やはり叫び声は急にかき消えました。衛兵たちは怒りの声を上げながら、立ち上がろうとしました。風が吹きました。闇の中から激しい風が。わたしを押さえつけていた衛兵は半分立ち上がったところで、何か大きくて重いものが側頭部に当たり、悲鳴を上げ地面に倒れました。わたしは急いで立ち上がろうとしましたが、二人の女の体が突っ込んで来ました。別の女がわたしに首を締め付ける紐を留めてねじったので、危うく窒息するところでした。息を吸おうと口を開けると、別の女が詰め物を詰めて来ました。それからさるぐつわをされ、首の締め付けが和らぎました。腹ばいに投げ倒され、縛りの紐で手首を足のほうに引っ張られました。

「もっと火をおこせ」

背が高くブロンドのリーダーの女が言いました。なんて驚くべき女だろう。軽い槍を持ち、毛皮をまとい、腕と首の周りには蛮族風の金の飾り。

他の女たちが火に木をくべました。

辺りを見回しました。

女たちは残りの二人の衛兵の傍らにしゃがみ、縄で縛っていました。

そして立ち上がりました。

わたしは既に縛られさるぐつわをされたラナとユートを見ました。

「男たちを服従させますか?」と女の一人が言いました。

「いいや」 と背の高いブロンドの女が答えました。

さっきの女がユートとラナを示しました。「こいつらは?」

「見ただろう。ここに置いて行け。この女たちはカジュラだ」

心臓がどきどきしました。これは森の娘だ。女豹族(パンサー・ガールズ)とも呼ばれて、北の森で自由奔放に暮らす、無法者の女だ。そうしたければ男を服従させることもある。

彼女たちはわたしがもがいているのを見ているはず!わたしはカジュラじゃない!わたしを仲間に入れたいと思っているに違いない!もう自由になれるのね!なんとかして地球に帰してくれるのかもしれない。とにかく、わたしを自由にしてくれるんだ!わたしは自由になるんだわ!

でもわたしはさるぐつわをされ、手を後ろに縛られ、窒息の紐を首につながれてその紐を女が持ち、地面に立たされています。

わたしは自由ではないようです。

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2011/04/15

ゴルの虜囚 107 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(25)

別の衛兵が荷車の一台に消え、彼が戻ってくると奴隷の鈴の音が聞こえました。

ラナは紐に二列についた鈴をウエストや足首につけてもらう間、誇らしげに炎の横に立ち、頭をのけぞらせ手を下ろして広げていました。

そうこうするうちに他の衛兵がまたカ=ラ=ナの瓶を前に持ってきました。衛兵が瓶を持ちラナに飲ませてから、ユートとわたしの分をよこしました。カ=ラ=ナが少し残って衛兵に返すと、今は鈴のついたラナに瓶を渡しました。野生的な鈴のジャラジャラと鳴る音をさせ、ラナはくびをのけぞらせて飲み干しました。

ラナは瓶を投げ捨て、頭を下げ、そしてそれから顔を上げて後ろに倒し、前後に振り髪をなびかせ、右足を踏み鳴らしました。

ユートと衛兵たちは歌って手拍子を始め、一人は革の盾を打ち鳴らしました。

荷車の向こうの闇の中で、何かが動いた気がしました。

ラナは一瞬動きを止め、手を頭の上に挙げて問いただしました。「美しいのは誰?男を悦ばせられるのは誰?」

「ラナよ!」わたしは我知らず叫んでいました。「ラナが美しい!ラナが男を悦ばせる!」自分を抑え切れません。感動してぼうっとしてしまい、圧倒されました。自分の性別がこれほどに美しいなんて知りませんでした。ラナは信じられないほどに美しい。並外れて、完全に、驚くほど美しい。
わたしは声も出ないほどゾクゾクしていました。

そしてラナは嵐のような奴隷の鈴の音を鳴らし、男たちの前で火明かりの中、踊っていました。
ふと気がつくと、カミスクを留めた縛りの紐の中に、わたしが側にひざまずいている衛兵の手がありました。

片側にこそこそした動きを感じたのです。

「ご主人様・・・・・・?」

衛兵はラナを見ておらず、彼の側にひざまずくわたしを仰向けに寝そべって見上げていました。

奴隷の鈴の音、ユートと男たちの歌声、手拍子、革の盾を打ち鳴らすリズム。

「キスしろ」

「わたしはホワイト・シルクです」 と小さな声で答えました。

「キスしろ」

わたしは男のほうにかがみました。ゴルのカジュラは、ご主人様に従わねばならないのですから。わたしの髪が男の顔を撫でました。

わたしの唇が、そっと、従順に、男のほうへ降りてゆく。わたしは震えていました。開いた唇は、あと1インチのところで止まりました。

いけない。何かが心の中で警鐘を鳴らしました。駄目!わたしはエレノア・ブリントンなのだから!わたしは違う!奴隷娘なんかじゃない!

引き離そうとしましたが、男の手はわたしの腕をしっかりとつかんでいます。

わたしは恐ろしくて、逃れようとあがいていました。

わたしは自由を奪われた、男の囚われびと。

彼はわたしがおびえて抵抗するのに混乱した様子でした。でもわたしは、無力さを感じるとともに激しい怒りを覚えていました。この衛兵なんか大嫌い。男なんか皆、男の力もムカつく。男ときたらわたしたち女を食い物にして、支配して、無理やり仕えさせて、命令に従わせるじゃないの!残虐な仕打ちをするじゃない!わたしたち女を人間だと思ってない!

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訳者の言い訳と解説

性別がなんちゃら・・・という記述が出てきますね。
作者のジョン・ノーマンは哲学者で、
女は女の性別で、男は男の性別で生きていくのが自然だという
思想を持っている人らしく、その哲学がゴルの物語にも反映されています。
それが「女は奴隷」なのか?と言うと、実はノーマンはそう思っている
わけでもないことが読み取れます。
でも小説中のどの部分がノーマンの哲学なのか、
コアなファンでも判別できないとか。

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2011/04/14

ゴルの虜囚 106 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(24)

****

「ラナに踊らせて」 とラナが甘えた声を出しています。

足を組んで座っていた衛兵が、傍らに跪いたわたしに肉を手渡したので、口で受け取りました。大きな入れ物から移したパガの袋を持ち上げて押しつぶし、衛兵の口の中へと液体を流し込みました。外側が焦げた肉にかぶりつくと、中は赤く、熱く、レアで、肉汁があふれていました。

衛兵は片手で、パガはもう良いという身振りをしました。

皮袋にひもで留めてある栓をしてから、わきの草の上に置きました。

目を閉じて、口の中、歯の上、そして唇に舌を這わせ、外側の焦げた熱いレア肉の肉汁と風味を味わいました。

明日わたしたちはコ=ロ=バへ旅立ち、そこから豪奢な、輝けるアルに向かうのです。

目を開けました。

炎はとても美しく、荷車の幌の上に影が落ちています。

ユートのハミング。

「踊りたいの」 ラナは衛兵の一人の腰に頭を乗せ、傍らに寝そべっていました。男の体をチュニックの上から噛み付いています。「踊りたいのよ」 とせがみ続けていました。カミスクの隙間から覗くラナの体は、とてもきれいでした。

「それも良いかもしれないな」 と、衛兵が煽ります。

この衛兵たちはわたしたちをとても気に入っていて、嬉しいことに柳のバスケットに入った小さい瓶のカ=ラ=ナ酒を買っていてくれました。分けて一口ずつ飲むことを許可されました。これほどリッチで繊細なワインは、地球でもこの世界でもまだ、味わったことはありませんでした。女奴隷にすら与えても良いほど、とても安くたっぷりと、タルン銅貨だけで買えるのです。わたしが飲んだ4口のひとくちひとくちを憶えています。今でも食べた肉とパンの味を憶えています。あれが初めて味わうゴルの発酵した飲み物でした。

わたしが跪いていたそばの衛兵の手を取って自分の腰のくびれに引き寄せ、わたしを繋いでカミスクに二重に巻いた縛りの紐の中へと、男の指を滑り込ませました。カ=ラ=ナは女に効果があると言われています。それは本当だと思います。

衛兵は突然ひもを締め上げ彼の方へ引き寄せたので、わたしは息を飲みました。

お互いを見つめ合うわたしたち。

「わたしをどうするおつもりですか、ご主人様」

衛兵は笑い、「お前はいたずらなスリーンだな」 そう言って縛りの紐を放しました。わたしは衛兵のほうに手を伸ばしました。彼は大きなサ=タルナ・パンをわたしの手に押しつけ、「食え」 と言いました。
彼を見て微笑み、両手にパンを持って食べ始めました。

「スリーンめ」 と彼が微笑みます。

「ええ、そうです。ご主人様」

「ターゴに身ぐるみはがされてしまう」と衛兵がつぶやきました。

「そうですね、ご主人様」

わたしは微笑みました。

「この娘はただのホワイト・シルクじゃないの。ラナはレッド・シルクよ。わたしにあなた様を悦ばせろとおっしゃって」

「ラナなんかにウルトを悦ばせられられないでしょ」と言ってやりました。

ユートと衛兵たちが笑うと、ラナは怒って金切り声を上げて飛び掛ってきました。衛兵がラナの足首を掴んだのでわたしには届かず、怒り狂って大声を上げました。衛兵はラナを引きずって、足を上にして持ち上げました。

別の衛兵がラナのカミスクを留めて二重に巻いた縛りの紐をほどいて捨てました。それからカミスクをむしりとり、ラナは衛兵の足元へと投げ出されました。ラナは恐怖に満ちた目で男たちを見上げています。ラナはぶたれてしまうの?

「そんなに元気が有り余っているなら、踊ってもらおうじゃないか」 と、ラナからカミスクを剥ぎ取った衛兵が言いました。

ラナは嬉しさに目をきらきらと輝かせて見上げました。「ええ、ラナに踊らせて」 そしてわたしを憎しみを込めた目で睨んで叫びました。

「男を喜ばせられるのは誰なのか、わからせてあげる!」

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訳者の言い訳と解説
肉を食べるシーンはエッチな感じに翻訳すべきだというのは、
わかってはいるんだよ。
できてないだけで。
しょぼーん。

スリーン、ウルトというのはゴルの動物。
このブログのどこかにどんな動物か説明があるので探して読むよろし。

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2011/04/13

ゴルの虜囚 105 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(23)

ラナとユートとわたしは、賭けをしている男たちに向かって一列に並び、ひざまずいていました。わたしたちの手は、縛りの革で背中側に縛られています。

男たちは賭けをしていて、私たちに肉を放ります。

火明かりの中、肉を取りました。キャッチしたら2ポイント。落ちた肉片は格好の標的です。わたしたちは落ちた肉片を奪い合いました。その肉を奪い返したら1ポイント。ユートが肉を取りこぼし、ラナとわたしが取り合いました。転げ回ってもぎ取り、それぞれが落ちた肉を食いちぎりました。わたしはひざをついてのけぞり、髪を片方に振り乱しました。「わたしの!」 笑ってむせそうになりながら、肉を飲み下しました。

「わたしのよ!」
ラナがわめき、肉をむさぼるように食べました。

「両方に得点だ」 と衛兵が判定しました。

わたしたちは興奮していて、もっとやりたいと思っていました。

「飽きたなあ」

衛兵の一人が言い、タルン銅貨をやり取りしました。

エレノア・ブリントンは衛兵のためによくがんばりました。衛兵はエレノアにご満悦です。こっちに来いと指を鳴らしたので、わたしはうれしさで胸いっぱいになりました。

飛び上がって駆けつけると、衛兵はわたしの顔を無造作に揺さぶって、いましめを解いてくれました。

「パガを持って来い」

わたしは大きな入れ物から移しておいたパガの大きな皮袋を取りに、荷車へ向かいました。

ラナとユートもいましめを解かれ、自分たちの担当の衛兵から命じられ、荷車に皮袋を取りに行きました。

パガの入った重い皮袋のひもを肩にかけ、急いで火明かりへと戻りました。ユートとラナも自分の分を持ち、わたしの後に続いています。

裸足の足に感じる草の感触が気持ち良い。諸刃の剣のように感じました。動きに合わせて体に沿うカミスクの粗い布の感触、歩くリズムに合わせて、体の脇で重く揺れる皮袋が肩を引っ張る感触。

火の遠く向こうには不規則な境界線のように、裂けた柔らかな闇のふちがゴルの煌く星たちを覆っていました。北の森の境界線の暗闇がそびえています。はるかかなたに、獲物を狩るスリーンが吼える声が聞こえ、わたしはぶるりと身を震わせました。

男たちの笑い声がして、わたしはまた火のほうへと戻りました。

収容所に背を向けると、草地のそこここに火の灯りと荷車の群れが見えました。今日はパガの夜、お祝いの夜。明日、ターゴとその部下と商品は、川を越え、暁の塔と呼ばれるコ=ロ=バへの長い陸路を、そしてそこから輝けるアルへと苦しい旅路を行きます。この旅は長く険しいだけではなく、危険なのです。

「パガ!」 衛兵たちが声を上げました。

わたしは、衛兵のところへ急ぎました。

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訳者の言い訳と解説

コ=ロ=バのthe Towers of the Morningって、
6巻まではなんて訳されてるんだったかなあ・・・。忘れちゃったよ。
輝けるアルとか暁の塔コ=ロ=バって言うのは、
花の都パリとかそういう形容詞的な文言。

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2011/04/12

ゴルの虜囚 104 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(22)

わたしはユートとラナと一緒に女の籠から連れてこられ、門の内側でひざまずいていました。

お腹が空きました。もう夕暮れ時です。

「いつ食べられるの?」 とユートにたずねました。

「ご主人様たちの後だよ。喜ばせられたらね」 とユートは衛兵たちのことを言いました。

「喜ばせられたら?」

「わたしはいつだって食べさせてもらえるの」 とラナは言いました。

「怖がらなくても大丈夫。エリ=ノ=アはホワイト・シルクなんだし!」 とユートは笑っています。

わたしはうつむきました。

「エリ=ノ=アは喜ばせられるよ。あたしたちみんなやれる。どうしてあたしたちが選ばれたと思ってるの?」 ユートが励ましてくれました。

「食事の列に並んでおくべきだったと思うんだけど」

「それで、ぶたれるわけ?」 とラナが訊ねました。

「そうじゃなくて」 わたしは混乱していました。

「ひもじい娘はより良く給仕するものである」 そう言ってユートは笑いました。「心配しなくても大丈夫だってば。気に入ってもらえれば、食べ物を抛ってくれるから」

「そんな」

苛立ちを覚えました。地球のパークアベニューのエレノア・ブリントンが、ご主人様を喜ばせたらという条件付で、動物のごとく餌を抛られて平気でいるなんて。

「娘たち!」 と声がとどろきました。

顔が嬉しさで赤くなりました。わたしたちは飛び跳ねて立ち上がりました。衛兵たちが迎えに来たのです!

門の鍵が開けられました。

「外に出ろ」 と、リーダーが言いました。

わたしたちは外に駆け出しました。今夜のご主人様たちに呼ばれていたのです。

門の鍵がまた閉められました。

わたしたちは草の上にひざまずいています。後ろが娘の籠の柵ではないことは、なんて良い気分でしょうか。

3人の衛兵が私たちのところに来ました。彼らのことも、野営をしているあとの2人のことも知っています。わたしのお気に入りの人たちです。わたしは興奮していました。時折、眠りに落ちる前や夢の中で、彼らの腕にいる自分を想像することがありました。どうすることもできないほど力強い腕の中に抱かれる悦びを、思い描くことができました。でもわたしの体の中に引き起こす、単なる白い絹の娘のかすかな変化以上のことは、奴隷娘が自分のご主人様に服従させられる夢のような悦び、ご主人様が望むなら、彼は奴隷娘をすっかり完全に支配し、手も足も出ないほど抗えぬように男のものにし、哀れに泣き、征服され、乞い、屈服する奴隷以外の何者でもなくしてしまう快楽を、本能的に漠然と感じるのみでした。

その衛兵たちは良い人たちです。

一人が草原の向こうのワゴンの間の焚き火を指差しました。

そこは収容所から100ヤード以上向こうで、あたりは暗くなってきています。

衛兵たちは剣帯を外し、短い剣と鞘を左手に、ベルトを右手に持ちました。

「あっ、やだ!」 ユートが笑っています。

「走れ!」 と衛兵が大声で言いました。

ユートとラナは飛び上がって火に向かって駆け出しました。わたしは出遅れてしまい、突然ベルトでヒリつくほど強く、激しくぶたれました。「痛ッ!」悲鳴を上げて飛び上がり、火のほうによろよろしながら走りました。当然、衛兵たちはわたしたちより走るのが早いので、牛飼いのようにそれぞれを追ってきて、わたしたちはゴールに着くまでに何度かこの鞭を感じるのでしょう。

ユートとラナとわたしは、笑いよろけながら、はだしで、抗議の悲鳴をあげ、痛みに叫び、焚き火に向かって暗闇の草原を駆け抜けました。

ユートが最初につき、笑いながら手とひざをつき、頭を地面に下げました。髪がそこで待っていた二人の衛兵のうちの一人のサンダルに触れました。「お仕えさせてくださいませ、ご主人様!」 息を切らしあえぎながらユートは言いました。

ラナはユートにほんの一瞬だけ遅れ、ラナも手とひざをつき、頭を下げました。「お仕えさせてくださいませ、ご主人様!」

わたしはもう一度激痛に襲われてから、ユートとラナのように、手とひざをつき、頭を地面につけました。
「おつ・・・・・・お仕えさせてくださいませ、ご主人様!」

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訳者の言い訳と解説

翻訳が超ヘタクソなところあるね。
ごめん。
1センテンスで75wordsも使わないでほしいよねー。(言い訳)

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2011/04/11

ゴルの虜囚 103 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(21)

ユートが嬉しそうに駆け寄って来て、わたしの腕をつかんで笑いました。
「今夜食事が出ても、あなたとわたしとラナは食事の列に並ばないの」

「どうして?」 わたしはうろたえました。地球では食にうるさかったのに、ゴルでは驚くべき食欲を発揮していました。夕食が食べられそうにないなんて、全然嬉しくありません。わたしたちは何をしてしまったんだろう。

ユートは柵の外の森のほうを指差しました。収容所から100ヤードほどのところに、荷車の一台がありました。そこでは5人ほどの衛兵が野営をしています。

「あの人たちがね、わたしたちに給仕をさせてくれってターゴに頼んだの」

わたしは嬉しくて、顔がほてりました。収容所の外に出たかったし、男のそばにいると楽しいですから。こんなにこじんまりと打ち解けた集まりにお仕えしたことはありませんでした。その上、わたしがターゴに捕らえられてから一緒の衛兵たちだったので、彼らのことを知っていました。わたしの好きな人たちです。

その夜、暗くなってきても、ユートとわたし、そしてラナは食事の列には並びませんでした。それでも、宿舎につながれた新入りの娘にやる食事の皿を、係の女の子に渡されたので、暗い囲いの中に、食べ物と水の入った袋を持って行きました。

とっても良い日だったから、わたしはごきげんでした。それに、夜が待ち遠しくてたまりません。

このときは、かつてリディウスのレディ・リーナであった新入りに、自分のペースで食事を取ることを許し、一度ならず水をあげました。

彼女は食べ終わるとわたしを見て、「口をきいても良いですか」 と訪ねました。

フードとさるぐつわと緊縛が、隷属を教え込んだのだと思いました。

「ええ」 とわたしは答えました。

「ありがとうございました」

わたしは彼女にキスをして、またさるぐつわをかませフードをかぶせました。 外に出ると水の袋を宿舎の扉にかけ、皿をさっきの娘に返しました。あの夜はその娘が炊事場の仕事をしていました。村娘の一人です。炊事場は囲いはなく屋根のある小屋で、木造の宿舎に隣接していました。娘は収容所の中でお皿を集めていました。それから他の北から連れてこられた村娘たちと一緒に炊事場に戻り、木の桶に腕を肘まで浸して皿洗いに取り掛かりました。ターゴは元からいた娘たちには、炊事場の仕事はさせませんでした。これはわたしたちにはありがたいことでした。こんなことは、北のブロンド娘にうってつけの仕事です。

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2011/04/10

ゴルの虜囚 102 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(20)

ユートってどうしてこんなにかわいくて明るいの!

じきにみんなでユートと一緒に笑いました。歌を歌い始める娘たちもいました。わたしは楽しい気分を思い出し、インジと収容所の端まで走って戻る競争をしました。わたしの勝ちです。鬼ごっこやゲームを始める娘もいました。北方の女の子たちまで、混ざってきました。ぼろきれを詰めた布のボールを持っていたので、笑いあいながら投げました。輪になって座り、話をしている娘たちがいたり、お互いに向き合って座り、糸と指を使って難しいあやとりをしている娘たちもいました。“ストーンズ”をしている娘たちもいました。一方のプレイヤーがもう一方の手に握られた石の番号を当てるのです。わたしはあやとりに挑戦しましたが、できませんでした。複雑なパターンをまねしようとして、いつも混乱してしまいます。なんと美しく、突然複雑になるのでしょう。みんなが私の不器用さを笑います。ちなみに北の娘たちはこのゲームがとても上手で、わたしたちみんなを負かしました。

「練習には時間がかかるんだよ」 とユートが言いました。

「田舎じゃ他にやることがないんでしょ」 と、ラナはやろうとはしませんでした。

でも“ストーンズ”では、わたしは心の底から楽しみました。二人のプレイヤーがかわるがわる対戦します。両者それぞれが同じ数、普通は2から5の“ストーンズ”を持ちます。“ストーンズ”は大抵石かビーズですが、街では10個の“ストーンズ”が入った、磨いて彫刻を施した小さな箱が売られています。渦巻き模様を入れ、磨いた卵形の石は、商人の娘の身代金の宝石になるほどのクオリティです。ゲームのやり方は簡単で、相手の片手または両手に握られた石の数を当てます。正しく当てれば1ポイント獲得。普通は両者の答える回数をあらかじめ決めておきます。大抵50回ずつです。対戦相手は敵の裏をかこうとして、手の中の石の数を変えたり、同じままにしたりします。わたしはこのゲームには大成功して、他の娘たちみんなに勝ちました。書記階級だったインジさえも負かしました。ラナに“ストーンズ”を挑みましたが、わたしとはやろうとしません。みんなと対戦したのに、ユートを負かすことはできませんでした。これには腹が立ちました。だってユートはバカなのに。ユートは自分の言語すら間違えて話し、単なる皮職人階級だったのに!でもユートに腹を立てっぱなしでいるなんてできません。わたしは良い気分の夕べを過ごし、もはや11番目の娘なのです。ピエロのパフォーマンスを見て、その後も楽しんでいました。

パガの入れ物の積まれた手押し車が収容所に着きました。衛兵たちが歓呼して迎え入れています。今夜はお祝いの夜です。明日わたしたちは収容所を旅立ち、川を越え東南を抜け、コ=ロ=バへ、そしてそこからアルへ向かうのです。

ターゴの荷車は、今ではローラで購入した荷車と連畜が追加され、収容所から離れたところのあちこちに散らばり、衛兵の小規模な野営に、2,3に別れていました。わたしが捕獲されたときの9人の衛兵に加え、ターゴは18人の男を追加しました。男たちはローラで雇われ、身元が知れて保証があります。ターゴはバカではありません。

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訳者の言い訳と解説
“ストーンズ”のルール説明の翻訳にいまいち自信がありません。
合っているとは思うんですけど、
答えを推量するのはひとり50回ずつって多すぎる気がするんだな。
ゴルではみんな死なないし時間はたっぷりあるので、
ゲームも時間がかかるものが多いのかもしれない。
カイッサも100マスもあるしね。

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2011/04/09

ゴルの虜囚 101 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(19)

芸人は後ろに下がりました。

おとずれた静寂。

獣は後ろ足で立ち上がり、眠そうにわたしたちを見つめていました。すると突然、獣がおぞましく、恐ろしいほどに咆えて柵に向かって飛びついてきました。爪の生えた大きな手で掴みかかってきて、牙の生えた巨大な口腔には白い歯があり、咆えたりうなったりしています。柵にまでとどいてぶつかり、噛み付いて、鎖が鉄の柵に当たり、爪をわたしたちのほうにかいています。わたしたちは恐ろしくて、叫びながら後ずさり、逃げようとしましたが、他の人が邪魔でした。わたしは足がどうしようもなくガクガクして、足がもつれて一緒につながれている娘たちの中に突っ込みました。そしてその中で、どうすることもできなくなりました。わたしは、叫び声を上げ続けました。そうしているうちに、わたしたちは衛兵たちもターゴも笑っているのに気が付き始めました。ターゴたちには知らされていたのです。これはパフォーマンスの一部で、わたしたちのお気に入りにはなりえないものです。わたしたちの怯え様や混乱ぶりは、なんと滑稽なことか!衛兵たちやターゴ、そして芸人にとってはさぞかし滑稽でしょう。みっともない間抜けぶり、虫のごとく蠢くパニックを引き起こした群れ、手も足も出ずに怖がり、叫び、もつれ合う奴隷娘たち。怪物はもう芸人の脇におとなしく座っていて、口の周りを舐めながら眠りかけていました。目はどこを見るともなくうつろにまばたいていました。奴隷女の群れは、少しずつ体が離れていきました。わたしたちはみんな恥をかかされて恥ずかしい思いをさせられ、とっても馬鹿な振る舞いをして、わたしたちが逃げるのはとっても惨めで浅ましかったんだなと思いました。でもわたしたちはまだ怯えていました。何人かは丈夫な丸太の宿舎の小さなドアのところに立ち、駆け込む準備をしています。何人かは柵の反対側に逃げていました。ほとんどは柵の近くにいましたが、数フィート離れていました。わたしは頭にきて、でも怖くて、自分のカミスクをそれがドレスかのように、撫でてしわを伸ばしました。男たちが笑っているのが目に入りました。自分たちは利口だと思ってるんでしょ!あいつらはけだもの、あいつらみんな!あの人たちは体が大きくて、槍と剣を携えた勇敢な男。そしてもし獣が襲ってきてもただ殺せば良い。それなのにわたしたち、ただの女は子供のように泣いて逃げまどう。わたしは男たちに目をやりました。憎い。自分たちのことをたいそう賢くて、勇敢で、偉大で、女たちとは違うと思っているんでしょ!でもわたしは顔を赤らめました。カミスクは体を全部覆ってはいません。わたしたちは泣き叫ぶ子供のように逃げ惑いました。女のように!わたしたちは女なの!柵から離れているというのに、わたしはまだ獣を恐れていました。あいつらの望みどおり!この見せしめはどうでも良いけれど、絶対に忘れない。よくわかりました。自分たちは違うんだってことが!衛兵が持たせてくれた槍がどんなだったか、そしてそれがとっても重くて、数フィートしか飛ばせなかったことを思い起こしました。衛兵が槍をわたしから受け取り、木の的に投げつけると、100フィートも先に深々と刺さったのでした。槍を取りに行かされましたが、木から抜けませんでした。わたしは盾を持ち上げるのすら、やっと。地球では男の力を重要視していませんでした。強さは重要ではないと思えて、些細で見当違いに感じていました。でもゴルでは力は重要なのです。とても重要なのです。しかも女は男より弱くて、ずっとずっと弱くて、だからこんな世界では、男が望むのならわたしたちは男のもの。ある夜、男が他の男たちと会話をしている間、わたしは奴隷娘としてひざまずき、彼の革の小物やサンダルを磨いていていました。磨き終わった後もそのままひざまずいて男を待ちました。男は会話が終わると立ち上がり、ありがとうの一言もなくサンダルや小物を身につけ、収容所に先に戻れという身振りをしました。そして収容所の門のかんぬきを開けました。わたしは入り口で振り返って言いました。「わたしだって、人間なのに」

男は微笑み、「違う。お前はカジュラだ。動物だ。家畜だよ。金で買えるかわいい動物でしかないんだ」 
そう言ってわたしの体の向きを変えさせ、叩いて急かすのでした。門は閉められ、鍵がかけられました。

わたしは彼に触れようと柵越しに手を伸ばしました。

男は戻ってきて、柵越しにわたしの手をとり抱きしめました。

「いつになったら、わたしを使ってくれるのですか」

「おまえはホワイト・シルクだ」 と男は言って背を向けました。

わたしは一人寂しく柵にもたれて哀しみの声を上げました。なんとも言えない感情でいっぱいでした。空には三つの月が輝いています。柵を揺さぶっても、わたしは閉じ込められたまま。男は荷車のほうに向かい、闇に消えてゆきました。柵を握って頬を押し付け、涙を流しました。

気がつくと、ユートもみんなも笑い合っていました。あの動物が襲ってきたのは面白すぎる冗談だったのです。道化師のパフォーマンスの愉快なオチ。わたしは笑えなかったけれど、笑顔を作りました。娘たちは道化師に手を振り、道化師はにこやかにお辞儀を返してから、鎖につないだあの変な動物を連れて帰ってゆきました。

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2011/04/08

ゴルの虜囚 100 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(18)

芸人が獣の腕試しをしたので、わたしはみんなとゴル式に右肩をたたいて拍手しました。

もう獣はコミカルにでんと座り、空中で指をぱたぱたさせていました。そしてごろごろ転がって、哀れっぽく鼻を鳴らしておねだりしていました。

たびたび、獣が特に上手にパフォーマンスしたら、芸人はローブの大きなポケットから取り出したボスク肉のかけらを抛ります。時には叱り、肉を出し惜しむと動物は叱られた子供のように下を向いて、顔を横に向けます。そうして芸人が肉片を与えます。衛兵たちも奴隷娘たち同様に芸を楽しみました。ターゴさえも、青と黄色の奴隷商人のローブをまとったおなかを抱えて笑っていました。時に芸人は、獣に抛るための肉を奴隷娘にも与えます。ラナは誰よりも懸命におねだりして、肉をほとんどもらっていました。ラナは勝ち誇った視線をわたしに投げかけました。わたしはたった一片をすばやく抛りました。この獣が怖い。ラナはちっとも恐れていないようでした。肉が巨大な牙の生えた口の中に消え、大きな丸い目が、眠そうに、満足そうにまばたきしました。奴隷娘たちが笑っています。そして、獣の目がまたわたしを見ていました。怖くて、口に手を当てました。でももうまたうつろでぼんやりした、獣の目になっていました。じきにまた、馬鹿だったと自分に言い聞かせ、みんなと笑っていました。

パフォーマンスの結びには、芸人は深々とお辞儀をして、曲げた腰に帽子を弧を描いて動かしました。わたしたちは自由な女になったみたいだった!すごく嬉しい!わたしたちは跳び上がって、満足して手をたたき、左肩を打ち、歓声を上げて柵越しに手を伸ばしました。嬉しいことに、わたしたちは奴隷なのに、芸人はこっちに来てわたしたちの手をとりキスをしてくれました。それから後ろに下がり手を振りました。

そして、名残惜しくも芸は終わりました。

 

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訳者の言い訳と解説

ついにと言うかやっとと言うか、この翻訳の連載も100回目を迎えました!!!

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2011/04/07

ゴルの虜囚 99 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(17)

もっと午後遅くなると、収容所ではパーティーがありました。ふさ飾りの付いたとんがり帽子をかぶり、バカみたいなローブをまとった芸人が、ピエロの化粧をして、奇妙な動物を連れて収容所にやってきました。その芸人はタルン銅貨一枚で収容所での興行をします。わたしたちは、村娘たちでさえもターゴにねだって興行を許可してもらいました。ターゴの承諾で、スキャーンのホーコンの収容所と共有の壁から離れた、離れた側の柵の近くの狭い広場を、動物を連れた小柄な芸人が片付けました。わたしたちと100人の村娘は喜んで、見ようとして柵に押し寄せました。漠然と、バカみたいなローブを巻きつけ、顔に色を塗った背の低い芸人を、なぜか知っているような気がしましたが、ありえないはずです。ばかばかしい!芸人は柵の前で踊ったり宙返りをしたり、ばかばかしい歌を歌ったり思案した。背が低く痩せた男で、身が軽かったです。目と手がすばやく動きました。それから笑える話をしてジョークを言いました。シルクやスカーフを使ったマジックや、ベルトに付けていた色の付いた輪でジャグリングもしました。それから策越しに、娘たちの髪からコインを見つけるそぶりをしました。嬉しいことに、わたしの髪からはタルスク銀貨を引き出したようです。娘たちは羨ましがって歓声を上げました。見つけたコインで一番高価です。わたしは嬉しくて頬を赤らめました。ラナはそれほど楽しんでいませんでした。わたしは笑いました。みんなも楽しくて笑って手を叩きました。その間獣は眠っていたようで、芸人の後ろの草の上に丸まり、衛兵が鎖を持っていました。

それから芸人はお辞儀をして動物の方を向き、衛兵から鎖を受け取りました。不意に威厳を持って言いました。

「目覚めよ、ねぼすけ君!気をつけ!」

わたしたちはその獣を怖がりました。獣は良く飼いならされていて、飼い主の命令にとてもよく従って良かったと思いました。

獣はゆっくりと後ろ足で体を持ち上げ、つめのある足を挙げ口を開けました。

何人かの娘は悲鳴を上げました。わたしも柵からどいて尻込みしました。獣は信じられないほど醜悪で、目が大きく、毛に覆われたものでした。耳は幅広くて尖っています。立つと8,9フィートほどの高さです。重さは700か800ポンドでしょう。革のような鼻には大きな二つの鼻の穴があります。口は大きくて男性の頭も咥えられるほどの大きさ、そして頑丈な牙が二列に淵どっています。さらに長くて曲がった大きい犬歯が犬と同じ位置に四本あります。上あごの二本の牙は、口を閉じても横にはみ出しています。長くて薄黒い舌をしていました。前足は後ろ足より大きかったです。後ろ足と前足の膝(しつ)関節突起で立ってよろよろと動いていると見ていましたが、今は前足は腕や手のようではないと思うものでした。その上、やすりをかけて鈍くなった、伸ばさない爪が触手のように、六つの指に継いでありました。芸人が鋭い声で野獣に命令を出して実演するのに応じて、出したり引っ込んだりさせられる爪が、後ろ足にもありました。

恐らく一番ぞっとするものは目です。大きくて、黒い瞳孔。一瞬、その瞳がわたしを見据え、動物がではなく、動物ではない何かが見るように、わたしを見ていると思いました。そしてまた、瞳は普通にうつろな、芸をする動物のものになっていました。

不安な気持ちを心から追い払いました。

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2011/04/06

ゴルの虜囚 98 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(16)

ある日の午後、ターゴがわたしを傍らに呼びました。

「奴隷よ」

何かをしでかした覚えがなくて、怖くてターゴのところに駆け、足元にひざまずいて頭を降ろしました。

「顔を上げなさい」

わたしはそうしました。

「展示の鎖のときは、また前につなぐ。お前は11番目の娘だ」

わたしは耳を疑いました。

「ありがとうございます、ご主人様」 と小声で言いました。

ターゴはローラに来る前に4人売ったので、鎖には今16人の娘がいます。100人の村娘は展示の鎖につなぎません。アルで売るための娘たちです。

「お前は今では鎖の上位だ」 ターゴが言いました。

わたしは頭を下げました。

「お前はもう少しで美しくなる」

顔を上げたときにはターゴはいませんでした。

すごく嬉しかったです。

収容所のかんぬきのかかった門へ走ると、衛兵がかんぬきを外しました。中へ入ると衛兵は門を閉め、かんぬきをまたかけました。

入る前にカミスクを脱がされませんでした。今では収容所の中でカミスクを着るのが許可されています。村娘でさえも昨日、衛兵の監視のもと、自分たちのカミスクを裁縫していました。カミスクを着て嬉しそうです。スキャーンのホーコンの襲撃者たちに連れてこられて以来、初めて許された服です。どうして収容所での服を許可されたのか、はっきりとは知りません。当然、もう天気は良いし、収容所も泥だらけではないからでしょうけど、わたしは本当にそうだとは思っていません。ターゴはむしろ単純にわたしたちに大いに満足しているからだと思います。わたし自身を含め、前からいるターゴの奴隷娘は一級品です。新しい娘、リディウスのレディ・リーナをテュロスの軍司令官のためにアルへ届ければ、金貨55枚をターゴにもたらします。そして100人の村娘は一人たった金貨2枚でしか売れませんが、愛餐(アガペー)の前にアルに連れて行けば、ターゴの懐を膨らませるに充分な値段です。ターゴは機嫌が良かったのです。思うに、こういうわけで収容所での服を許可したのでしょう。

11番目の娘になったと言いに、ユートとインジのところへ走りました。抱き合ってキスをしました。

ラナは当然上位で16番目。インジは上層階級だったけれど次の15番目、ユートが14番目。

鎖の上位は羨望の的になるだけではなく、もちろん普通は値段もより高くなるし、所有する人もいくらかより良い思いをするでしょう。

わたしは粗野なカミスクを着て、ユートとインジの前で自慢しました。

「もしわたしのご主人様がわたしにシルクを着せたら」

わたしたちは笑いました。

「エリ=ノ=アがパガ酒場の店主に買われないことを願いましょう」と、インジが言いました。

イラッとしてインジを見ました。

「彼らはすばらしい娘を買うだけのお金を払えることがよくあるもの。多くの個人のご主人様よりもね」

わたしはつばを飲み込みました。

「いずれにせよ、よりによって奴隷娘がパガ酒場に買われることは本当にほとんどないことよ」

わたしは喜んでインジのほうを見ました。

「恐らくあなたは給仕奴隷や塔奴隷として買われるわ」

わたしはカミスクの中で享楽的に伸びをしました。

「いいえ」 惰性で言いました。「わたしは快楽奴隷として買われると思うの」

ユートは喜んで、手をたたきました。

「でも訓練を受けていないじゃないの」 と、インジが指摘しました。

「覚えるわよ」

「聞いたんだけどわたしたちみんな、コ=ロ=バの訓練所で訓練を受けるんだって」 と、ユートが言いました。

そのことはわたしも耳にしています。

「わたしが立派に訓練を受けるのは間違いないわ」

「あなたが来たときから、すっごく見違えたね!」 ユートが感激の声を上げました。

「エリ=ノ=アは……、わたしが、書記階級でも、男の人を喜ばせられるって思うかしら」 とインジが尋ねました。

「カミスクをお脱ぎなさい。そうすれば査定してあげる」

わたしが言うと、インジは笑いました。

「わたしはどう?」 ユートが

わたしたちはユートを笑いました。ユートはどんな男にとっても宝物になるであろうことを、わたしたちはちっとも疑っていません。

「ええ、とびっきりにね!」 インジが暖かい声で言いました。

「でも、みんな同じご主人様に買われないとも限らないじゃない?」 ユートが泣き声になりました。

わたしはふたりに向かって前かがみになり、脅すように叫びました。「目玉をかき出してやる!」

みんなで笑って、また抱き合ってキスをしました。
 

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訳者の言い訳と解説
  Love Feast:愛餐(アガペー)
詳しいことは忘れたが、ゴルの奴隷売買祭りみたいなののことだったと思う。
本来の意味はキリスト教の酒宴的なものか何か。

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2011/04/05

ゴルの虜囚 97 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(15)

売られるが楽しみでたまらない自分に気がつきました。

男に所有されるのはどういう感じかと、好奇心をそそられて不思議に思う自分に気がつきました。ときどき、他の娘が見ていないときに、ご主人様の首輪があるかのごとく、手をのどにやりました。ご主人様のものと示す首輪の文字をなぞる真似をしました。ローラで売られるのに異議を持ちさえしませんでした。荘厳な空気と空、北には森、南には川、シンプルで、ワイルドで、素敵な場所な気がします。川へと降りる倉庫の間を蛇行する坂道、建物に付いた色を塗った木の彫刻、黒い柿板(こけらいた)の屋根、道行くボスクのにおいと荷車がきしる音、魚と塩のにおい、川から来る濡れて光るタルラリオン、波止場の革や毛皮のにおい、のこで引かれた材木。そしてわたし好みの男はラフなマントとチュニックをまとい、生き生きしてしなやかな強い男。大きな手をしていてよく笑い、きれいな空気の中、川で手や背中を使って働く男。もしわたしが、いつか見たように荷車の傍らに乗せられた娘だったら。もしわたしが、いつか聞いたように、夜たいまつをつけて釣りをする人たちと一緒だったら。市場で抜け目なくその人の懐具合と交渉できるかしら。わたしの作る料理を気に入ってくれるかしら。毛皮に包まって、存分にご主人様を喜ばせる努力をするであろう自分に、笑顔になりました。そしてまた微笑みました。そうしなければご主人様はわたしをぶつとわかっているのだから。ご主人様はわたしを連れて旅に出るかしら。時には誰も知らない地を、草原を歩み、わたしは奴隷なのに、わたしの手を引いて。ご主人様とその奴隷娘が、玄関口でキスをしているのをローラで見たことがあります。その奴隷娘の目を見ました。彼女をどんなにうらやんだことか!彼女はご主人様を愛していました。その奴隷娘のために、ご主人様があの娘を売らないと良いと願いました。おかしい。わたしが奴隷娘になってきて、男がわたしを所有するのかもしれないと理解するまで、男の肉体の野蛮な美しさと力強さや、男の力に気付いてはいませんでした。

おもしろいことに、生まれて初めて、自分が女であることが嫌だと思わなくなっていました。それどころかむしろ、あちらが男だということが嬉しくてゾクゾクしました。そんな男と一緒ならば、奴隷であってもゴルで女であるのは喜ばしいことです。囚われの娘に過ぎなくても、アルの王座のためにだって性別を変えるつもりはありません。

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2011/04/04

すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法 園 善博

フォトリーディング講師時代の園先生の講座を受けているので、
毎度ながら身内や知人に甘い評価します。

『すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法』を1回目に読んだときは、
なんだか簡単すぎて物足りなさを感じました。

先生がこれまで出した本に対して、「内容がむずかしい」というご意見をいただいたため、
「もっと、もっと、もっと分かりやすい入門レベルの本」を執筆した、
と「あとがき」に書いてあって、
ちょっとちょっと園先生~、そういうことは「はじめに」に書いてよね。
わかってたら買わなかったのに。
と毒づく気持ちさえありましたよ(笑)

でも何度か読み返すうちに、
書いてある内容は、わかっているけど意外と身についてはいなかったことで、
やっぱり大事なのはそこなんだよね、と再確認させられました。
そんなわけで、この本はこの本で読んで良かったです。

個人的には、脳の働きから見てとか、こういう研究結果やデータがあるからとか、
根拠の示されているほうが好きですから、
わかってたら、園先生の別の本を買ったとは思います。

もう本当~~~に読書が苦手な方には、多分お勧め。

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ゴルの虜囚 96 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(14)

それからわたしは苛立ちを感じながらも洗濯に戻り、他の娘たちもそうしました。でも、そのとき何かが違っていると感じました。娘たちが、流れの速い小川のほとりで太陽の日差しを浴び、服を叩きつけたりすすいだりしながら、陽気におしゃべりしあうのを聞いていました。そしてわたし、エレノア・ブリントンも一緒に働いています。冷たい水に手を入れ、服を浸し、持ち上げて絞り、石に叩きつけて、また浸す、シンプルで昔ながらのリズムで。何が違うの?わたしはカミスクを着て、囚われの女にふさわしく、革ひもで、縛りの革で留めていて、ただそれだけです。彼女たちのようにひざまずく。彼女たちのように働く。ここにはペントハウスも、マセラティも、財産も、高層ビルも、エンジンがうなりを上げる轟音も、飛行機の金属音も、息が詰まるもやの曇りもありません。あるのはただ娘たちの笑い声、小川のせせらぎ、働くこと、青い空に白い雲、風にそよぐ草、清い空気、そしてどこかでは、小さくて角のある紫のフクロウのようなギムの泣き声。

しばらく仕事の手を休め、深呼吸をしました。もう怒っていません。二重に輪にした、ぴったりと体に沿う、右の腰の上で結ばれた、縛りの革を感じました。こういうわたしみたいな女にとっての、縛りの革の意味が解りました。そしてわたしは縛りの革をしています。

男がわたしを見たら、自分の物にすると決めるような、そういう女です。男がわたしに出会ったら、あまりに魅力的で、すべてを所有すること以上の満足がないような、そういう女です。あまりに美しくて、甘んじてわたしに絶対的な権力を持つにほかなりません。わたしは心の中で笑いました。わたしは虜にするのに充分な関心を引くものと、美しさがあるのに気付かされたの!

そういう男たちって立派ね!と思いました。

わたしは伸びをしました。体がカミスクの荒い生地を贅沢に拒んでいるのを感じました。

どんな男がわたしからカミスクを剥ぎ取るのだろう。

「働け」 と衛兵が言いました。

わたしは仕事に戻りました。エレノア・ブリントンは一人の奴隷娘。みなに混じり、美しい遥か遠くの世界の急流の小川で、原始的な洗い方でご主人様の服を洗っています。

平らな岩の上にひざまずき、服をたたきつけたりすすいだりしています。きれいな空気と、頭の上には鮮やかな青い空。小川のせせらぎを聞きました。上を向いて空を見ました。ぬれた洗濯物を置き、岩の上にいきなり立ち上がり、手を空に振り上げて笑いました。娘たちは当惑して見つめています。

「そうよ!そうですとも!わたしは女なの!」

小川の急流の前で太陽の光を浴び、岩の上に立ちました。腕を上げて、目を閉じて。

そして青い空に向かって目を開けました。

「イエス!イエス!イエス!」

ゴルの空いっぱいに、そしてすべての星に、すべての世界に向かって叫びました。

「わたしはご主人様が欲しい!わたしはご主人様が欲しいの!」

「仕事にもどれ」 衛兵が言いました。

鞭でぶたれないようにすばやくまた岩の上にひざまずき、洗濯に戻りました。

わたしは笑いました。

みんなも笑いました。

幸せです。

ユートは洗濯物を平らな岩に叩いて冷たい水ですすぎながら歌い始めました。

幸せです。みんなと一緒。

 

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訳者の言い訳と解説


前にも書いたかもしれないけど、3回連呼は英語のリズムであって、
日本語に翻訳するときは、「イエス!イエス!イエス!」 みたいなのは避けるという
ルールがあります。
アメリカナイズされ、英米のドラマや映画を見て育ったわたしの世代では、
3回連呼のリズムにあまり違和感は感じないんですけど、みなさんはいかがなもんでしょ。
でも箇所によって変化をつけたりそのまま訳したりしてるんだけどね。

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2011/04/03

ゴルの虜囚 95 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(13)

当然、わたしはもう医者に話しかけようとはしませんでした。

四日目、安定血清の最後の注射を受けました。五日目、医者は試験結果を手に取り、血清の効果を断言しました。

五日目に医者の家を出るときに、医者が衛兵に「すばらしい検体ですよ」と言うのが聞こえました。

四日目と五日目は、ワインを運んで収容所に戻るのが許されました。

人生であれほど健康に感じたことは本当にありません。それだけでなく、澄んで清らかな空気、抜けるように青い空、くっきりとした白い雲。収容所に向かってローラの坂道を登り、つながれ、監視され、右手でバランスを取りながら頭の上のワイン壷を運び、囚われの我が同胞たちの中で、ゴルの狂信的な空気を吸い込み、突然、わたしは幸せだと悟りました。裸足でも、首に紐を付けられていても、カミスクをまとっていても、男の言いなりの奴隷の身に堕ちても、多分生まれて初めて、逆に生き生きと喜びにあふれる幸せを感じました。きちんと背筋を伸ばす人、はばからず優しくよく笑う人、たくましい足の人、長くて立派な腕と頑丈な手、立派な胸と頭の人。そんな人たちを見たいと思いました。偶然かのごとく近くに立ったり、さっと通り過ぎるときにでも、うっかりしたかのように触れたり。時々男たちはわたしが見ているのに気がついて、わたしは彼らのにやにや笑いに反応し、急いで恥ずかしそうにうつむくの。他の娘たちの中で、革製品やサンダルをきれいにしろと放られるときも嬉しいの。わたしは上手にやるから。収容所の近くの小川の石で、男たちの服を洗うのも嫌いじゃありません。服を取り扱うのも、甘美な強さがしみついた丈夫な生地を感じるのも好きです。一度、ユートがわたしを捕まえて、医者のところでわたしを見張った衛兵のチュニックを頬に押し付けたので、目を閉じました。水の中の平らな石の間に立っていたユートは、歓声を上げて飛び上がり、わたしを指差しました。他の娘たちも見て、ひざをたたきながら笑いました。

「エリ=ノ=アはご主人様が欲しい!」 とユートが囃しました。

水をはねかけながらユートを小川の中に追いかけて、ユートはよろけながら逃げ、方向を変えて岸に逃げ戻りました。ユートもみんなも指差して笑っています。わたしは小川にひざの深さまで浸かっていました。

「エリ=ノ=アはご主人様が欲しい!」 みんなが笑いながら大声で言いました。

わたしは強くこぶしを握り、小川の中に立っていました。

「そうよ」 と叫びました。「わたしは、ご主人様が欲しい!」

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訳者の言い訳と解説
  原文にない言葉入れちゃいました。
一度やってみたかっただけなので、もうやらない、と、思う。

  安定血清というのは、老化を止めるゴルの薬です。
たまに安定血清が効かない人がいますが、
肉体的に全盛期のままになり、年をとって死ぬということがなくなります。
この、死なない=“成長しない”という点が、反地球シリーズの大きな特徴です。

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2011/04/02

ゴルの虜囚 94 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(12)

外で他の四人の娘と衛兵が待っていました。わたしはつながれ、荷物を渡され、みんなで一緒にターゴの収容所に帰りました。

黒い服を着た小さな男がわたしたちを見ている気がしましたが、さだかではありません。

わたしたちは次の四日間も医者の家に行きました。最初の日は検査をされ、少量の取るに足らない薬と、安定血清の一本目を投与されました。二日目、三日目、四日目は続きを受けました。五日目は医者がサンプルを取りました。

「血清は効いてますよ」 医者は衛兵に言いました。

「よかった」

二日目、注射の後に、衛兵がいるのに情報を乞おうと医者に話しかけようとしました。

衛兵はぶちませんでしたがわたしを二度ひっぱたき、口から血が出ました。そしてさるぐつわをされました。

あとから外で、衛兵はおもしろがってわたしを見ました。
「さるぐつわをして収容所に帰りたいか?」

勢い良く首を横に振りました。さるぐつわをつけて帰ったら、ターゴは必ず問いただし、ぶつに決まっています。一、二度、この衛兵はある娘に、ぶってくれとお願いしろと言っているのを見たことがあります。そしてその娘は手首を縛り上げられました。衛兵が使うのは、ラナがせいぜい女の力でわたしをぶった革の鞭ではなく、男が力一杯ふるう五本の紐でできたゴルの奴隷鞭です。そんなもの味わいたくありません。わたしは言いなりになり、すぐに服従し、すべてを受け入れるでしょう。いや。わたしは首を横に振りました。

「つまらぬ奴隷は衛兵に許しを請うか」 じらして訊ねてきました。

勢い良く首を縦に振りました。奴隷娘は大変です。男は女をからかっていても、瞬く間に態度を変え、目に厳しい光を灯します。言うこと成すこと気をつけなければなりません。男は鞭の力を握っています。わたしはひざまずき、男の足元に頭を下げます。それから、ラナがやっていたようにやさしく足を手に取り頭を下げて足の横に頬をつけます。

「よろしい」

衛兵はさるぐつわを外しました。わたしは感謝のまなざしで見上げ、ラナがしていたように衛兵の腰に手を置きました。

衛兵は突然わたしの腕をつかみ、持ち上げて顔を突き合せました。

不意に怖くなり、レイプされるんだと悟りました。

「おーい!」 もう一人の衛兵の声がしました。「収容所に戻る時間だぞ」

わたしをつかんでいた衛兵はいらいらと手を離し、わたしは後ろによろけました。

「そいつはホワイトシルクだ!」 もう一人の衛兵は大笑いしています。

彼の後ろにつながれている娘たちも笑っています。

それでもわたしの見張りはげらげら笑いながら、いたずらっ子のようにわたしをつかみ、投げ飛ばしました。背中からカミスクを放り投げました。

「やめて!」 わたしは許しを請いました。「お願いです、やめてください、ご主人様!」

それから泣いて謝るまで、手のひらでしたたか叩かれ、刺すような痛みがありました。

また紐につながれて荷物を運ぶことさえ、ただ嬉しく感じました。

娘たちは、ユートさえも笑っていました。

わたしは頭にきたし、プライドを傷つけられました。

「あの娘はかわいいよな」 仲裁したほうの衛兵が言いました。

「奴隷娘の呼吸を飲み込んできてる」 わたしの見張りが歯を見せてにやりと笑い、深く息をつきました。

娘たちはわたしを見ています。

「まっすぐ立て」 衛兵が言い、わたしはそうしました。

「そうだな。かわいい女になる」 そして付け加えました。「所有しても良い」

わたしは誇り高く、ゆっくりとした足取りで、嘲笑を浮かべ、奴隷娘の尊大な優雅さで、収容所に戻りました。男たちはわたしを求めていることが解っていました。荷物を運ぶつながれた動物、エレノア・ブリントンを。

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2011/04/01

ゴルの虜囚 93 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(11)

ローラの外のターゴが借りた収容所に、わたしたちはまるまる6日いました。

そのうち5日は、朝に他の4人の娘と紐につながれてローラに連れてゆかれ、生活用品を運んで来ました。二人の衛兵が同行しました。でも面白いことにある建物のところで、衛兵の1人がわたしを他の娘たちと別にして、その衛兵とわたしは建物の中へ入って行き、他の娘たちは引き続き市場に向かいました。みんなが市場から帰ると建物のところで呼んで、わたしと衛兵は外に出ました。そこでわたしはまた他の娘たちとつながれ、荷物を分配し直して自分の持分を手に取り、奴隷娘のように荷物を頭の上に乗せてバランスを取りながら運び、衛兵の監視の下、収容所に帰りました。最後の2日はわたしがそうお願いして、頭でワインのつぼを運ぶのを許されました。ユートがこぼさない歩き方を教えてくれていたのです。男たちがわたしを見ているのが楽しかったです。すぐに、他の娘たちや、ユートとさえ同じようにワインを運べるようになりました。

そのとき訪問することとなった建物は、医師の家でした。廊下を通って、奴隷を扱う特別の粗末な部屋につれてゆかれました。そこではカミスクを脱がされます。医者は医師階級の緑の服を着た穏やかな男で、最初の日、念入りにわたしを検査しました。医者の使った道具、行ったテスト、必要としたサンプルは、地球と同じではありませんでした。特にわたしの興味を引いたのは、原始的なものなのかもしれないけれど、建築士の発明で、ゴルの人にエネルギー球と呼ばれるもので部屋が照らされていたことです。コードもバッテリーのケースも見えませんでした。医師がエネルギー球の底を回して調節し、既に部屋は柔らかな暖かい白い光に包まれていました。それに、医師の機材の一部は、明らかに原始的とは程遠いものです。たとえば、メーターとダイヤルのついた小さな機械がありました。この中に、医者は血液や尿のしずく、組織片、髪の房のスライドを置きました。ペン型の器具で機械の上に記録を書き込み、機械の上部の画面にはすごく拡大した、顕微鏡で見た映像を思わせるものが見えました。医者はその映像を簡単に調べ、ペン型の器具でさらに書き留めました。医者の質問がどんな性質のものであっても、迅速に正確に答えなくてはならないことを除いては、医者に話しかけることは衛兵が厳しく禁止していました。医者は思いやりのない人ではありませんでしたが、わたしを動物として扱い、動物とみなしていると感じました。検査をしていないときは、また呼び出されるまで部屋のすみに行かせ、そこでわたしは板の上で一人でひざまずきます。わたしがそこにいないかのように、わたしについて話し合うのです。

医者はいくつかの粉を三、四つの足つきのグラスに混ぜ終わると、水を加えてかき回しました。それを飲むように言われ、最後のは特にまずかったです。

「安定血清が必要ですよ」 医者が言いました。

衛兵はうなずきました。

「注射4回で投与します」

医者は部屋の角の重く光る斜めの台のほうに目配せしました。衛兵はわたしを連れて、台の上にうつぶせに投げ出し、手首を上に上げさせ大きく離し、皮の紐で留めました。同じように足も動かないようにしました。医者は別の部屋の薬びんが積んである棚の前で液体や注射器で忙しくしていました。

わたしは悲鳴を上げました。痛い注射です。右の腰の上のくびれたところに注射されました。

医者に話しかけたくてたまらなかったです。この家、この部屋には、進んだ技術を物語る道具があります。原始的で、美しく、過酷な世界でわたしが遭遇してきたものとはかけ離れています。衛兵が槍のこじりでわたしの背中を押したので、部屋から押し出されました。肩越しに医者を見ました。医者はいぶかしげにわたしを見ていました。

 

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訳者の言い訳と解説

6巻までのゴルをお読みの方にはおなじみの、「エネルギー球」と「安定血清」が出てきましたね。
なんかもう忘れてたけど、やっぱりこれは反地球シリーズなんだったと思い出しましたよ(笑)
安定血清については後日説明します。

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