<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
8. ローラの北での出来事(20)
ユートってどうしてこんなにかわいくて明るいの!
じきにみんなでユートと一緒に笑いました。歌を歌い始める娘たちもいました。わたしは楽しい気分を思い出し、インジと収容所の端まで走って戻る競争をしました。わたしの勝ちです。鬼ごっこやゲームを始める娘もいました。北方の女の子たちまで、混ざってきました。ぼろきれを詰めた布のボールを持っていたので、笑いあいながら投げました。輪になって座り、話をしている娘たちがいたり、お互いに向き合って座り、糸と指を使って難しいあやとりをしている娘たちもいました。“ストーンズ”をしている娘たちもいました。一方のプレイヤーがもう一方の手に握られた石の番号を当てるのです。わたしはあやとりに挑戦しましたが、できませんでした。複雑なパターンをまねしようとして、いつも混乱してしまいます。なんと美しく、突然複雑になるのでしょう。みんなが私の不器用さを笑います。ちなみに北の娘たちはこのゲームがとても上手で、わたしたちみんなを負かしました。
「練習には時間がかかるんだよ」 とユートが言いました。
「田舎じゃ他にやることがないんでしょ」 と、ラナはやろうとはしませんでした。
でも“ストーンズ”では、わたしは心の底から楽しみました。二人のプレイヤーがかわるがわる対戦します。両者それぞれが同じ数、普通は2から5の“ストーンズ”を持ちます。“ストーンズ”は大抵石かビーズですが、街では10個の“ストーンズ”が入った、磨いて彫刻を施した小さな箱が売られています。渦巻き模様を入れ、磨いた卵形の石は、商人の娘の身代金の宝石になるほどのクオリティです。ゲームのやり方は簡単で、相手の片手または両手に握られた石の数を当てます。正しく当てれば1ポイント獲得。普通は両者の答える回数をあらかじめ決めておきます。大抵50回ずつです。対戦相手は敵の裏をかこうとして、手の中の石の数を変えたり、同じままにしたりします。わたしはこのゲームには大成功して、他の娘たちみんなに勝ちました。書記階級だったインジさえも負かしました。ラナに“ストーンズ”を挑みましたが、わたしとはやろうとしません。みんなと対戦したのに、ユートを負かすことはできませんでした。これには腹が立ちました。だってユートはバカなのに。ユートは自分の言語すら間違えて話し、単なる皮職人階級だったのに!でもユートに腹を立てっぱなしでいるなんてできません。わたしは良い気分の夕べを過ごし、もはや11番目の娘なのです。ピエロのパフォーマンスを見て、その後も楽しんでいました。
パガの入れ物の積まれた手押し車が収容所に着きました。衛兵たちが歓呼して迎え入れています。今夜はお祝いの夜です。明日わたしたちは収容所を旅立ち、川を越え東南を抜け、コ=ロ=バへ、そしてそこからアルへ向かうのです。
ターゴの荷車は、今ではローラで購入した荷車と連畜が追加され、収容所から離れたところのあちこちに散らばり、衛兵の小規模な野営に、2,3に別れていました。わたしが捕獲されたときの9人の衛兵に加え、ターゴは18人の男を追加しました。男たちはローラで雇われ、身元が知れて保証があります。ターゴはバカではありません。
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訳者の言い訳と解説
“ストーンズ”のルール説明の翻訳にいまいち自信がありません。
合っているとは思うんですけど、
答えを推量するのはひとり50回ずつって多すぎる気がするんだな。
ゴルではみんな死なないし時間はたっぷりあるので、
ゲームも時間がかかるものが多いのかもしれない。
カイッサも100マスもあるしね。
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