2011/03/31

ゴルの虜囚 92 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(10)

  スキャーンのホーコンの収容所の向こうに、タルンの囲い地がありました。そこでは足を留められた巨大な鳥が羽をばたつかせ、のけぞって雄たけびを上げ、投げられたボスクの大きな肉片を引きちぎっていました。時には足かせを引きちぎり、大きな黄色っぽい偃月刀(えんげつとう)のようなくちばしで留め具を突いたりしています。叩きつけるタルンの羽で吹き付ける風は、ちりや小石を巻き上げ、人間をも足元から投げ飛ばします。 大きなくちばしが引き裂き、かぎづめが押さえつけ切り裂き、餌のボスクのように大きなものも簡単に真っ二つにするほどです。タルンの囲い地があって、ホーコンの収容所の壁が遠くにあって、わたしたちのと共有の壁があって、わたしは三方の柵の壁に隔てられていてさえ、あの鳥が恐ろしいと思いました。ホーコンの北の美女たちも収容所のすみにすくんでいて、良い気味だと思いました。たまに大きな鳥が雄たけびを上げると、何人か叫んで走ってわたしたちの柵の方に集まったり、丸太作りの宿舎に飛び込んだりしました。どうして女はそれほどひどくタルンを怖がるのか知りませんが、わたしたちはそうなのです。でもほとんどの男だってそうです。タルンに近づける男はまれです。タルンはタルンに乗れる者とそうではない者を知っていて、そうでない者が近寄れば、タルンはばらばらに切り裂いてしまう、と言われています。この野獣に近づける男がほとんどいないのに不思議はありません。タルン飼育者は見ましたが、スキャーンのホーコン以外に、タルン戦士を見たことがありませんでした。彼らは戦士階級の野生的な男たちです。ローラの酒場で飲んだくれ、喧嘩とギャンブルに明け暮れています。奴隷娘たちは目を輝かせ興奮して周りに押し寄せ、気付いてほしい、奥の小部屋に来いと命じて欲しいとせがむのです。一部の男、戦士でさえもが、尊大で堂々としたタルン戦士を疎ましく思い、うらやむのも不思議はありません。ある夜はリッチで、次の日にはすっからかん。いつも危険と隣りあわせで、戦いと享楽。歩みにも、わきに挿した剣にも、目つきにも、プライドと男らしさを帯びています。

でもホーコンはタルン戦士で、わたしは怖かったです。ホーコンは醜く、油断のならない男に見えました。

ターゴはホーコンとの取引きに神経を尖らせているようでした。

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訳者の言い訳と解説 
タルンはタルン戦士を見分けるんだよってところ、毎回同じ記述が出てきて、
お決まりの訳し方になっていたような記憶があるのですが、
手元に資料がないので後日修正します。

ゴルの酒場には、酒場奴隷(paga slave)という奴隷娘がいることがあり、
酒場の奥の小部屋で奴隷を抱くことができます。

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2011/03/30

ゴルの虜囚 91 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(9)

わたしたちに隣接した収容所はぎゅうぎゅうづめで、250~300人の村娘がいました。それほど大勢でもないけれど何人かは、ずいぶん泣き叫んでいましたが、わたしの知ったことではありません。夜は衛兵たちが鞭で静かにさせていましたし、わたしは満足でした。そんなふうにしてわたしたちは睡眠をとりました。村の娘たちは服を脱がされ、奴隷にされましたが、毎朝長いブロンドの髪をお互いに編んでいました。何らかの理由で、それは重要で、許可されたことのようでした。ターゴは何人か娘を買い足していて、ターゴの娘たちはわたしを含めみんな、髪を長くして真っ直ぐにすいていました。自分の髪が速く伸びれば良いと願いました。わたしたちの中で、ラナが一番髪が長いです。腰のくびれにまで達しています。ラナの髪に手を突っ込んで、彼女が慈悲を願って叫ぶまで頭を揺さぶってやる空想をしました。ほとんどの村娘はまだ焼印をされていません。誰も首輪をつけていません。村娘はたいてい青い目ですが、何人かはグレーの瞳でした。村娘たちは、ローラの北の村や沿岸沿いの村、トルヴァルズランドの境界線からさえも、スキャーンのホーコンの隊に連れて来られました。ほとんどは奴隷に身をやつしたことを悲しんでもいなさそうでした。村での生活は若い娘には厳しいのだろうと思います。ターゴはその中から100人選ぶことにしました。収容所での最初の朝に、ターゴはタルン金貨50枚を頭金で払いました。さらに150枚を巨体でひげを生やし、しかめつらのスキャーンのホーコンに渡すのを、わたしは見ました。ターゴを見ていると、急がず、専門家の目つきで手早く繊細に女たちを検分しました。たまにターゴから逃げ出そうとする者もいました。そういう時は二人の衛兵に捕まえられます。かつてわたしがターゴの隊商に遭遇してまもなく、ターゴが同じようにわたしを検分したのを思い出しました。叫び声を上げ体が跳ね上がり制御できませんでした。ターゴは嬉しそうにして、「カジュラ」と言いました。同じように反応した娘は必ず選ばれ、時々もっと美しい同胞を飛び越しているのに気がつきました。それでもわたしのように反応した者は誰もいません。ターゴは選ぶのに2日以上を費やしました。ターゴが選ぶと、娘はわたしたちの収容所に移されました。わたしたちに打ち解けず、北の訛りが人付き合いを避けていました。一日中を焼き鏝の加熱と焼印を押すのに費やされました。ついでですが、新しい娘のリディウスのリーナには、楽しくない日々でした。リーナは宿舎に入れられたままで、後ろでに手首を縛られ、奴隷の腕輪で締められ、首は壁の重々しい輪に鎖でつながれていました。それに食事を与えられるとき以外はさるぐつわと奴隷の頭巾をかぶされたままです。壁に向かって座り、ひざを引き寄せ、頭を下げ、猿轡のついた革の奴隷頭巾を頭と顔にかぶされています。わたしは彼女に食事を与える役目を割り当てられました。初めてわたしが彼女の頭巾を取り、さるぐつわを外したとき、わたしに逃げる手伝いをするか、自分の窮状を誰かに話してほしいと訴えました。なんて頭の悪い女なの!そんなことをしたらぶたれるし、串刺しにだってされかねないじゃない!

「静かにしないさいよ、奴隷!」 と言って、また頭巾とさるぐつわをしました。充分に食べさせませんでしたから、教訓を覚えるでしょう。わたしは朝、彼女の分をいくらか食べ、夜もそうしました。その日は2回余分の食事を取りました。次の朝彼女の顔の拘束具を解いてやったとき、彼女の目には涙がありましたが、話しかけてこようとはしませんでした。静かに食事を与えました。彼女の口に食べ物を突っ込み、さっさと食べるように言い、革の水入れ袋から飲みものをやりました。それから頭巾をかぶせました。彼女は上層階級だったんだ。気に入らない。今そうであるものとして扱ってやろう。奴隷として。

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2011/03/29

ゴルの虜囚 90 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(8)

ローストタルスクのにおいが強くなりました。嬉しいことに、荷車は向きを変え大きな倉庫のひとつに入って行きました。床がすべすべしています。わたしたちが中に入ると、ドアが閉められました。それからわたしたちはひざまずいて、パンとローストタルスク、そしてあたたかいボスクのミルクを与えられました。

ターゴがわたしを見ているのに気がつきました。

「波止場の男はなんでお前に触った?」

わたしは頭をさげました。「わかりません、ご主人様」

片目で白髪頭の衛兵がターゴのそばに立っています。

「この娘は今では前よりも上手に歩きますね」

「美しくなりそうだと思うか?」

わたしにとっては妙な質問だと思いました。女は美しいか美しくないかのどちらかです。

「なるかもしれません。わたしたちが所有してから美しくなってきました」

嬉しかったけれど、わかってはいませんでした。

「白い絹の娘を美しくするのは難しいんだ」

「そうですね、でも白い絹の娘には良い買い手がつきますから」

わたしにはわかりませんでした。

もう一度ターゴを見ると、「鎖の六番目につなげ」とターゴが言いました。

わたしは顔を下ろし、嬉しくて顔を赤らめました。次に顔を上げたときには、ターゴと衛兵はどこか他のところにいました。わたしはパンとローストタルスクを食べ始めました。5番目の娘と6番目の娘、今では4番目と5番目の娘を一瞥しました。彼女たちにはあまり喜ぶべきことではありません。

「野蛮人のくせに」 と6番目の娘が言いました。

「5番目の娘のくせに」

ターゴはローラでは鎖を展示しなかったので、わたしは安心しました。ターゴはもっと高い値段を望んでいるのです。

食べた後は荷車の横でお互いの首を結ばれ、引き続き木の道を登って行きました。一度、パガ酒場を通ると、中には鈴と宝石を着けているけれど服を着ていない娘が、テーブルの間の四角い砂の上で踊っているのが見えました。原始的な楽器の音色にあわせ、ゆっくり、優美に踊っていました。ぐいっとのどの縛りの紐を引っ張られ、衛兵に槍のこじりで前にせっつかれました。あんなに感覚に訴えてくる女性を見たことはありませんでした。お昼ごろローラの北の奴隷収容所に到着しました。このような収容所がいくつかあります。ターゴは他の収容所と隣接したところをひとつ借りました。わたしたちの収容所は柵の壁ひとつ隔てて、スキャーンのホーコンのものと共同でした。ターゴが北へ旅をしてきたのは、ホーコンとの取引のためです。収容所は窓のない木の宿舎で、床は石の上にわらが敷かれています。1ヤードほどの高さのドアがひとつだけ、運動用の庭に開きます。この庭は大きな鳥かごみたいなものです。その壁は柵で、屋根もあります。屋根の柵は鉄の支柱で支えられています。ローラはこのところ雨でしたから庭はぬかるんでいたけれど、風通しの悪い宿舎の中より気持ちが良いと思いました。わたしたちが収容所でカミスクを許されないのは、多分庭が泥だらけだったからだと思います。

 

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訳者の言い訳と解説
  前に説明があったのですが、忘れたころなので(わたしも忘れていた)、
鎖の順番は、数が大きいほうが上玉。
エレノアが6番目に入ったので、元6番目が5番目に、元5番目は4番目に降格したわけです。

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2011/03/28

ゴルの虜囚 89 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(7)

乗組員の一人が鍵を持ってきて、奴隷の檻の入り口にかけた大きな南京錠を開け、ギシギシと音を立てて扉をひらきました。

衛兵たちが彼の後ろに立っています。

「奴隷たち、表に出ろ。一列縦隊」と衛兵のひとりが言いました。

ボスクにはもう引き具がついています。

一人ずつ檻から出ると、自分のカミスクを渡され、首輪をはめられました。首輪は長い縛りの紐に結ばれ、紐はそれぞれの首の周りに輪にして結び目を作り、次の娘に通されます。手足は自由でした。ローラのどこに逃げたら良いの?どこか逃げられるところは?

はだしで船から桟橋に降り、荷車の左側を歩きました。

密集した倉庫の間を曲がりくねる木で舗装された道へ、桟橋から長い木のスロープが続いています。わたしたちは首輪をされて道なりに行きました。ローラのにおいは気に入りました。川と木の香りとともに、森の前の生き生きとした草原の香りがします。どこかからローストタルスクのにおいがしました。ローラの東の石切り場で、四角く切り出されたみかげ石の乗った、革のレールのついたそりの間や、塩や魚の入った大小の樽の間を、わたしたちと荷車は通りました。それから森の向こうで捕れたスリーンの毛皮や豹の毛皮の梱の間も通りました。わたしは通り過ぎるときに、手を伸ばしてスリーンの毛皮を触りました。悪くない手触りです。道の端に立って、わたしたちが通るのを見に来ている男たちがいました。わたしたちは上等な商品なんだと思いました。わたしは男たちの方を見ずに、きわめて真っ直ぐに歩きました。するとある男が、わたしが通り過ぎるときに、後ろから手を伸ばし、ひざの後ろをつかみました。わたしは悲鳴を上げて飛びのきました。男たちが笑っています。衛兵がわたしと男の間に槍を持って割り込み、愛想なく「買ってくれ」と言いました。男は衛兵に謝るそぶりで深く頭を下げました。他の男たちは笑っていて、わたしたちは道を行き続けました。数分は男の手の感触が脚に残っていました。どうしたわけか、嬉しくなりました。誰もラナに触ろうと手を伸ばした男はいない!

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2011/03/27

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 苫米地英人(著))【Book】

個人的にはこの苫米地先生って胡散臭いと思うし(笑)、
時々なにを言ってるのかもよくわからないし、
ついでにそのファッションはどうなの?と思うわけですが、
まぁ、わたしは結果的に自分が本の内容も理解して早く読めるようになれば、
そんなことはどうでも良いですよ。

さて、苫米地先生の本を読むのはこれで4冊目。
『ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方』 は買ってよかったです。
本当に速く読めるようになった!!!
「先読み」とか、「ハイサイクル化」とか、テクニックはあるんですけど、
実は決定的に速く読めるようになったコツは、


「速く読もう」と思って読んでみてください。

ちょwww

でもこれ。
みなさんお気付きでした?速く読もうと思って読めば速く読めるってこと。
わたしは意識したことありませんでした。

『ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方』 は文庫なので、
お財布に優しい552円。お買い得だと思います。





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2011/03/08

ゴルの虜囚 88 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(6)

ローラが近くなり、御者が鞭をふるい掛け声を上げると、タルラリオンは広い川でゆっくりと向きを変え、船は桟橋にバックしました。舵取りオールを持つ操舵手は口汚く大声を上げ、係留所に船を着けました。重く濡れて揺れる船の後ろが、桟橋に当たる衝撃を感じました。別の二人の乗組員がデッキに立っていて、桟橋に固定された大型の鉄の索(つな)止めに輪にした太いロープを投げました。そして桟橋に飛び移り、小さいほうのロープを同じ索止めに結んで桟橋に船を引き始めました。船には後ろの手すりがなくて、デッキが桟橋に合う高さです。ロープをつないだら、荷車を直接に桟橋の上に動かせるのでしょう。

前から男が来て、デッキのボスクをつなぐ輪から鼻輪を引く綱を解きました。船尾のほうから桟橋にボスクを引いてゆきました。荷車を据えた大きな丸い板が回され、轅(ながえ)が桟橋に向きました。ボスクは鳴いて鼻をふんふんいわせたり、ひづめで木をこすりながら、引き具のほうにバックさせられていました。別の乗組員が荷車の鎖をほどきました。

何人かの男が上陸するわたしたちを見に桟橋に降りてきました。立ち止まってしばらくわたしたちを見つめている男たちもいました。

男たちはラフな作業着のチュニックを着ていました。屈強そうな男たちです。

空気に魚と塩のにおいが強く香っていました。

質素なローラにゴルのもっと極上の商品の市場はほとんどありません。トルの金のワイヤーを巻いたもの、タルナの銀塊、シェンディのルビーで作った燃えるような豹の彫刻、バジの東の地のナツメグやクローブ、スパイクナード(カンショウ)や胡椒、花模様のしゅす織物、テュロスの香水、ダークワイン、輝けるアルの華麗な透けているシルクなどはまれに見られるだけです。ローリウス川のこの地域と北の方、巨大な森やトルヴァルズランドへ続く沿岸での生活は、ゴルの標準的な人であっても、とても原始的なものです。わたしたちを見るために立ち止まっている、作業用チュニックを着た強くて手の大きなたくましいローリウスの男たちが、活きの良い奴隷娘であればその体を賞賛しなかったり、愛でず、どうしようもなく触れたくて飛びつかないなんて、考えられません。

「タル、カジュラたちよ!」 男の一人が手を振って叫びました。

ユートは柵に押し寄せて手を振り替えしました。

男たちが喜んでいます。

「誰かに微笑んじゃダメ。ローラで売られたら良くないもの」
ラナが忠告しました。

「どこで売られたってかまわないもん」とユートが言いました。

「ユートは鎖の上位ですもの。ターゴはアルに着くまで売らないわ」 とインジがユートに言ってから、あからさまにわたしを見ました。
「ターゴはあなたを売るかもね。調教されてない野蛮人だし」

ムカつく女ね。
でもインジは正しいのではと不安になりました。この川の港で売られ、残りの人生を漁師やきこりの奴隷として、小屋で家事をして過ごすのかもしれないと思うと、急に恐ろしくなりました。エレノア・ブリントンの運命が何てことなの!ここで売られたりするもんですか!絶対に!

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訳者の言い訳と解説

さて、予約投稿で105話まで毎日更新しちゃうもんね。
ついて来い!!
目次は更新できないが、気にすんな。

しかしbloggerのシステム時間かなにかがずれているようなので、
もしかしたら予約投稿はうまくいかず、明日になっても更新されないかもしれない。

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