2011/03/30

ゴルの虜囚 91 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

8. ローラの北での出来事(9)

わたしたちに隣接した収容所はぎゅうぎゅうづめで、250~300人の村娘がいました。それほど大勢でもないけれど何人かは、ずいぶん泣き叫んでいましたが、わたしの知ったことではありません。夜は衛兵たちが鞭で静かにさせていましたし、わたしは満足でした。そんなふうにしてわたしたちは睡眠をとりました。村の娘たちは服を脱がされ、奴隷にされましたが、毎朝長いブロンドの髪をお互いに編んでいました。何らかの理由で、それは重要で、許可されたことのようでした。ターゴは何人か娘を買い足していて、ターゴの娘たちはわたしを含めみんな、髪を長くして真っ直ぐにすいていました。自分の髪が速く伸びれば良いと願いました。わたしたちの中で、ラナが一番髪が長いです。腰のくびれにまで達しています。ラナの髪に手を突っ込んで、彼女が慈悲を願って叫ぶまで頭を揺さぶってやる空想をしました。ほとんどの村娘はまだ焼印をされていません。誰も首輪をつけていません。村娘はたいてい青い目ですが、何人かはグレーの瞳でした。村娘たちは、ローラの北の村や沿岸沿いの村、トルヴァルズランドの境界線からさえも、スキャーンのホーコンの隊に連れて来られました。ほとんどは奴隷に身をやつしたことを悲しんでもいなさそうでした。村での生活は若い娘には厳しいのだろうと思います。ターゴはその中から100人選ぶことにしました。収容所での最初の朝に、ターゴはタルン金貨50枚を頭金で払いました。さらに150枚を巨体でひげを生やし、しかめつらのスキャーンのホーコンに渡すのを、わたしは見ました。ターゴを見ていると、急がず、専門家の目つきで手早く繊細に女たちを検分しました。たまにターゴから逃げ出そうとする者もいました。そういう時は二人の衛兵に捕まえられます。かつてわたしがターゴの隊商に遭遇してまもなく、ターゴが同じようにわたしを検分したのを思い出しました。叫び声を上げ体が跳ね上がり制御できませんでした。ターゴは嬉しそうにして、「カジュラ」と言いました。同じように反応した娘は必ず選ばれ、時々もっと美しい同胞を飛び越しているのに気がつきました。それでもわたしのように反応した者は誰もいません。ターゴは選ぶのに2日以上を費やしました。ターゴが選ぶと、娘はわたしたちの収容所に移されました。わたしたちに打ち解けず、北の訛りが人付き合いを避けていました。一日中を焼き鏝の加熱と焼印を押すのに費やされました。ついでですが、新しい娘のリディウスのリーナには、楽しくない日々でした。リーナは宿舎に入れられたままで、後ろでに手首を縛られ、奴隷の腕輪で締められ、首は壁の重々しい輪に鎖でつながれていました。それに食事を与えられるとき以外はさるぐつわと奴隷の頭巾をかぶされたままです。壁に向かって座り、ひざを引き寄せ、頭を下げ、猿轡のついた革の奴隷頭巾を頭と顔にかぶされています。わたしは彼女に食事を与える役目を割り当てられました。初めてわたしが彼女の頭巾を取り、さるぐつわを外したとき、わたしに逃げる手伝いをするか、自分の窮状を誰かに話してほしいと訴えました。なんて頭の悪い女なの!そんなことをしたらぶたれるし、串刺しにだってされかねないじゃない!

「静かにしないさいよ、奴隷!」 と言って、また頭巾とさるぐつわをしました。充分に食べさせませんでしたから、教訓を覚えるでしょう。わたしは朝、彼女の分をいくらか食べ、夜もそうしました。その日は2回余分の食事を取りました。次の朝彼女の顔の拘束具を解いてやったとき、彼女の目には涙がありましたが、話しかけてこようとはしませんでした。静かに食事を与えました。彼女の口に食べ物を突っ込み、さっさと食べるように言い、革の水入れ袋から飲みものをやりました。それから頭巾をかぶせました。彼女は上層階級だったんだ。気に入らない。今そうであるものとして扱ってやろう。奴隷として。

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