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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
3. 絹の紐(19)
ふと衝動的に、ハイウェーから通じている、何十もの小さな脇道のうちの一つに曲がって降りました。
この道を選ぶなんて知りようがないはずです。
追っ手は見あたりません。
息をするのが楽になってきました。
アクセルを踏み込む足を緩めました。
バックミラーをちらっと見てから、振り向きました。車は一台もいないようでしたが、紛れもなく後ろには何かがあります。
瞬間に唾も飲み込めなくなり、口の乾きを感じました。
五、六百ヤードほど後ろに、それが妙にゆっくりと動いていました。ライトが一つ付いているようでした。そしてそのライトは、下にある道路を照らしているようで、黄色い明かりの池が進行方向に動いていました。それが近づいてきたので、悲鳴を上げました。それは音もなく動いていて、モーターの音も走る音もしません。円形で、黒くて、丸底で、小さくて、たぶん直径は七、八フィート、厚さは五フィートくらいでした。それは道路の上を動いているのではなく、道路の上空を動いていました。
マセラティのライトを消してスピードを上げ、遠くの林地に向かって走りました。
その物体は道のわたしが曲がったところに来て一時停止し、恐ろしいことにゆっくりと徐々にわたしの行った方向に回転しました。黄色いライトの輪で、タイヤの跡の付いた野原の草が見えました。
ヒステリックに野原を横切り、ジグザグに進んだり曲がったりしながらアクセルを踏みました。行き止まりになってしまう、道が無くなってしまう。
その物体はずっと、滑らかに急ぐ様子もなく、黄色い光で下を照らしてもっと近づいてきました。
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訳者の言い訳と解説
遂に空飛ぶ円盤が現れました。
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