2009/05/31

みんなも方位取りをしよう!

 わたしは良い方角に行って運気を上げるという、
怪しい「方位取り」っていうのをやってます。
かなりサボってましたけど(笑)

 方位取りをすると、3つ良いことがあります。

1. 景気回復に貢献できる。
 交通費、宿泊費、現地での飲食費など各地でお金を使ってくるので、
地方の隅々までお金が行き渡る計算。


2. 地理に詳しくなれる。

 地図を良く見ますし実際行くわけですから、
各都道府県の位置関係、山や景勝地、特産品など、
受験対策にもピッタリです。


3. その地方出身者からの高感度をUPできる。

 行ったことあります、○○○見ました、◇◇◇食べました~、
って言うと、共通の話題がすぐできます。
営業職の人にも良いですね。


そうです、開運と全然関係ありません!!

ま、その程度で良いじゃない。
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2009/05/28

Good And New 200905028

 24時間以内に起きた、良いこと・新しいこと。
これを書き続けることで、ポジティブシンキングになれるそうです。
フォトリーディング講座を受けたときに習いました。

Good And New
「ありがとう」って言えた。


ありがとう。
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ゴルの虜囚 56 【CAPTIVE OF GOR】

 → 読む前の注意
 → 目次

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


6. 奴隷商ターゴとの邂逅(6)

 突然わたしははっとしました。その言葉を以前に聞いたことがあります。わたしのペントハウスでベッドに縛り付けられたとき、あの小さい男がわたしに触れると、背の高い男が厳しく怒って小さい男に言った言葉。そして小さいほうの男が顔の向きを変えました。
 ターゴが話す言語の何に良く知ったものがあるのかは、わたしを打ちのめしました。たった一言二言聞いたことがあるだけです。わたしを捕まえた人たちの対話はもっぱら英語だったので、全体から見て少なくとも、彼らの母国語は英語だと推察していました。でも、他の者たちに指示をする背の高い男のアクセントを思い起こしました。外国人として特徴あるアクセントのしゃべり方の英語でした。でもこの、遠く離れた世界で同じか似たようなアクセントを耳にしました。ただ、ここではアクセントではないのですけれど。ここでは自然な響きで、リズムも声の抑揚も、聞いたところ独立し、疑いもなく洗練された土着の言葉なのです。わたしは怖くなりました。この言語はわたしの耳には奇妙に聞こえるものの、不愉快でもありません。力強いけど、それ相当にしなやかで美しいのです。怖くなったけれど、勇気付けられもしました。ターゴはわたしの態度の違いに気付き、わたしのと意思の疎通になおいっそう努力しました。当然、それでも理解できませんでした。
 怖くなりました。捕獲者のボスとグループの他の人たちの言語だか言葉みたいだからです。逆に、勇気付けられもしました。同じ言葉を話すなら、わたしの世界に戻してくれる技術力も持っている人たちのはずです。
 でも信じがたくもありました。
 今気付けば、この男たちはわたしが持っていたようなピストルも、ライフルも、わたしを捕獲した人たちが持っていたような小型の武器でさえ、銀色の船の人たちが持っていたような銀色っぽい管や杖も、持っていません。さらに驚いたことに、もはやおかしいことに、脇に小さな剣を身につけていました。二人は背中に弓か何かのような、柄はないけどライフルみたいなのをつり革で吊っていました。他の四人はいわゆる槍を携えていました。やりは大きくて、湾曲したブロンズ色の矢尻が付いていました。重そうで、わたしには投げられそうにないものです。
 ターゴと呼ばれる男を除いては、チュニックを着ていて兜をつけていました。その人たちはより怖く感じます。兜の開いているところは、漠然とYの字を思わせました。左肩に、鞘に入った剣を吊っています。重厚なサンダルを履いていて、太い紐をひざまで編み上げていました。何人かは、ナイフのような小さいナイフも革のベルトに携えていました。ベルトに袋もつけていました。
 

*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:**・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*
訳者の言い訳と解説

 結構長い間考えてもわからないところがあって、
mixiのあるコミュで教えていただきました。
教えてくださった方々、本当にありがとうございます。
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2009/05/27

Good And New 200905027

 24時間以内に起きた、良いこと・新しいこと。
これを書き続けることで、ポジティブシンキングになれるそうです。
フォトリーディング講座を受けたときに習いました。

Good And New
先日からマッサージをしてるおしりがちょっとは良い塩梅になってきた♪

 ニールズヤードのボディシェイプマッサージブラシを使っています。
人の手が一番気持ち良いのですけれど、
何かをしながらのときは、ブラシでなでなで。

 オイルはヴェレダのアルニカマッサージオイル。
オリエンタルな香りで、リラックスできます。
スリミングしたいなら、ホワイトバーチのほうが効果あるけど、
今回はマッサージ重視なので、アルニカにしました。

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ヨガのポーズもしてみたり。




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2009/05/26

エジプト行きたいな

 某占い師さんの前世は、古代エジプトで奥さんがいっぱいいる人だったそうです。

 誰か連れてってー。
熱くても良いの。わたしのルーツはないことを確認したい。
 エジプト時代からの付き合いだと思う、と言う友人から、
わたしもきっと居たって言われたんだけど、
そうじゃないの。
わたしは、居なかったの。
転生してるのだったら、人間としてもう少し上手に生きられると思うんだ。
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2009/05/24

業界裏話 省庁編

 自分が実際見たり、聞いたりした業界のお話。
保険業界のことを書いたら、あまりにも黒くなったので、
もっと軽いのを先にアップしよう。
これは某省庁にお勤めしている方から聞いた話。

某省庁では、他省庁にまで協力を得て壮大なエイプリルフールが行われる。

どこだか書いて、来年の新人が心構えしたらおもしろくないので、
某省庁とだけ書いておきます。

公務員が嫌いな人は、税金から給料もらって何やってんのって言うかもしれないけど、
そんくらいのユーモアがなくてどうすんの。

エイプリルフールって4月1日だから、社会人初日からいきなりやられるわけです。
内容は毎年違いますが、ちょっと今はタイミング的に不謹慎なものなので、
詳しく書くのは控えさせていただきます。
でも他の省庁まで協力してるわけですから、引っかからないわけはないです。

 新人がそんなことされて、ショックでカイシャに来なくなったりしないの?
と聞いてみたところ、それくらいでへこたれるようでは、
省庁ではやっていけない、とのこと。
それもそうだ。
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ゴルの世界 The World of Gor 6

奴隷の種類

女奴隷はカジュラ(kajira)、男奴隷はカジュラス(kajirus)と言います。
kajiraには種類があって、以下のとおりになっています。

●訓練されていない奴隷および未使用(処女)の奴隷。
通称:White Silk

●快楽用奴隷/pleasure srave
通称:Red Silk

●酒場奴隷/paga slave
通称:Yellow Silk

●情熱奴隷
生まれながらに快楽用に飼育された奴隷。
通称:(恐らく)Scarlet Silk

●塔奴隷/tower srave
主に家事をする奴隷。

●湯沸し奴隷
奴隷としても下のほうのランクらしい。
家事をする奴隷とどう違うのか不明。

多分なんですが、White SilkとかRed Silkっていうのは正式名称(?)ではなく、
隠語というか、通称のような言い方なんだと思う。


自由市民の服装は色分けになってますが、
(自由市民もオフィシャルな場以外では、
必ずしも階級の色のものを着るとは限らない模様)
奴隷はWhite silkだから必ずしも白いsilk、
red silkだから赤を着る、というわけではないようです。
ご主人様の持ち物だから、ご主人様から渡されたものを着ます。
奴隷の身分だけれど書記階級出身で、
仕事の役に立つなら青い服を着せてやることもあるし、
自分がひいきにしてるタルン競争のチームカラーの服を着せたり。
華やかなsilkではなく、
カミスクという粗末なチュニックのような服を着せられることもあります。
逆に何も着せられず裸で引き回されることも。
ご主人様のお望みのままに、です。

アル市の公共の奴隷は、グレーの服でショートカット、
髪はなで付けると決まっています。
一般的には髪を長く伸ばし、結わないことが多いようです。
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ゴルの世界 The World of Gor 5

ゴルの生き物

●タルン(Tarn)
鷹に似た大型の鳥。
肉食で非常に獰猛で、油断すると飼い主すら食べてしまう。
爪やくちばしは人間の背骨を折ってしまうほどの力があるため、
鞍の横にくくりつけたり籠に入れられたりして奴隷が運ばれることもある。

- 軍用タルン
 戦士の乗り物として飼育されたタルン。
 爪を鋼鉄で補強されている。
 黒いタルンは夜襲用、白いタルンは冬用、色が付いているのは目立ちたがり屋用。
 灰色がかった褐色が一般的。

- 荷役用タルン
 籠を付けられ荷役用にされる。籠の中から手綱で操る場合と、
 背中に戦士が乗って操る場合がある。
 人間3人くらいの重さまで運べる模様。
 
- 競争用タルン
 ギャンブルのタルン競争に用いられる。
 軍用タルンに比べ体が軽い。
 タルン競争は騎手を殺すのもアリのデスマッチ。

ヴロ(Vulo)
 肉・卵ともに食用にできる鳥類。

●湿地ガント
 頭に角、足に水かき、くちばしは太く、翼が広い小型の鳥。
 レンス族では愛玩動物でもある。

●タルラリオン(Tharlarion)
トカゲのような生き物。
他人を侮蔑するときに「タルラリオンめ!」などと使われる。

- 高タルラリオン(軍用)
 肉食で後ろ足で立って跳躍しながら走る。
 タルンを乗りこなせない戦士が乗る。

- 広タルラリオン(荷役用)
 荷役用として使われ、4本足で歩く。
 あまり早くないがタルンよりも重いものが運べる。

- 水棲タルラリオン
 肉食で水の中に住む。

●タブーク(Tabuk)
 黄色で一角のカモシカのような動物。

●ラルル(Larl)
 かぎ爪と牙を持つ、巨大な豹のような肉食獣。身の丈7フィートにも及ぶ。
 黒ラルルにはたてがみがあり、赤ラルルにはたてがみは無い。
 神官王のところでは白ラルルが飼われていた。
 白ラルルは珍しいようだ。

●オスト(Ost)
 黄色未を帯びたオレンジ色の1フィートほどの蛇で猛毒がある。
 噛まれると数秒で苦しんで死ぬ。
 黒い模様の入った縞オストもいる。

●ボスク(Bosk)
 頭に角があり毛むくじゃら、草食で足は遅いが獰猛。
 肉は食用になり、放牧して飼育する部族もいる。

●タルスク(Tarsk)
 温暖な森に住むイノシシのような動物。
 牙が6本あり、肉は食用になる。

●ウルト
 げっ歯類。
 牙2本、角2本、白い毛の動物。

●クアラック
 足の指が3又でブラシのようなたてがみのある動物。
 
●湿地亀
 亀。
 
●湿地ザメ
 鮫。

●カイリアウク
 不明。

●ヴァルト
 小型犬くらいの大きさの肉食のこうもり。

●ヴェルル(Verr)
 乳からチーズが作られる。

●スリーン(Sleen)
 毛皮があるトカゲのような生き物。
 尖った鼻にひげがあり、20フィートくらいの大きさ。
 いたちのようなにおいがする。

●コスとびうお
コス島付近に生息する背びれのとげに毒がある魚。
その毒はタルラリオンには効かない。
肝臓は珍味である。
交配のために笛のような音を出す。

●カイーラ
 わたしが読んでいない4巻に出てくるようで、詳細は不明だが
 トゥチェク族は乗るようなので、多分馬系の生き物。

●ザーリット蝿
 赤紫で体長2フィート。1ヤード程の羽が4枚ある。
 こんな巨大な蝿は怖い;;

●塩水性ヒル
 ヒルなので血を吸う。威力は不明。

フルト(Hurt)
 カンガルーのような動物で、毛は毛織物に使われる。
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ゴルの世界 The World of Gor 4

ゴルの飲み物。

●水
 やっぱり水は普通にある。

●パガ酒(パガル=サ=タルナ酒)(Paga Sa-tarna)
 穀物のサ=タルナを原料とするお酒。

●カ=ラ=ナ酒(ka-la-na wine)
 甘い香りのする黄色のワインのような飲み物。
カ=ラ=ナは木なので、多分実から作るんだと思います。

●カル=ダ酒(Kal-da)
カ=ラ=ナ酒を蒸留し、かんきつ類のジュースと香辛料を加えた酒。
味はまずいが安いので下層階級の肉体労働者に人気がある。
温めて飲む。

●ぶどう酒
 多分普通にワイン。

●黒ぶどう酒(black wine)
地球で言うコーヒー。
テンティスという都市の上層階級では飲まれているが、
ゴルでは一般的な飲み物ではない。

●スレーブ・ワイン(Slave wine)
 6巻までには出てこないので不明だが、奴隷用の飲み物があるらしい。
 どうやら妊娠を抑制するもので、味はおいしくないようだ。(未確認)
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ゴルの世界 The World of Gor 3

ゴルと哲学

<反地球シリーズ>の日本語に翻訳されている6巻までのうち、4巻以外は読みました。
今回はわたしの読書感想文です。

反地球シリーズの作者、ジョン・ノーマンはアメリカの哲学の大学教授だそうで、
作中に哲学的思想が出てきます。
人間とは何か。
人間とはどうあるべきか。
人間の尊厳とは。
死とどう向き合うべきか。

特に3巻目「ゴルの神官王」では、人間を下等な生き物とみなし、
道具に使いあっさりと殺してしまう神官王の言動と、
主人公で、地球人としての感性を持つタール・キャボットとの対比により、
かなり哲学的な内容で、その思想は難解です。
物語は簡単だけれど、結構考えさせられる内容でした。

ところで、主人公のタール・キャボットは、
地球からゴルに連れて来られて、戦士として育成されました。
イギリスのブリストル出身、オックスフォード大学卒業。
アメリカ・ニューハンプシャー州にある大学の講師。
白人で目の色は青、髪は燃えるような赤毛。
ちなみに日本人にはあまり理解できないけど、
「赤毛のアン」とかリンジー・ローハンとか見るとわかるように、
赤毛っていうのはいじめの対象にされる髪の色のようですね。
タールも学生時代、何度かそれで喧嘩しています。

イギリスって現代でも階級社会だし、タールはイギリス人で、
オックスフォード大卒ってことは、良い家柄の出身だったわけです。
それでもゴルの身分制度には初めは嫌悪感を持ちます。
彼はわりとお人よしで、弱いものを助けたり、しょっちゅう騙されたり、
毎回誰かに利用されて最後の最後にそれに気付いたり、
何だかんだでいろんな人とお友達になっちゃったり、
なかなか愛嬌のある人物です。
でも物語が進むにつれ、タールもゴルの社会を受け入れるようになり、
女性を奴隷として簡単に貶めるようになります。
でもこれは、タールが自分自身の弱い心を守るための行動であって、
奴隷がいることが当たり前だと思っているゴルの人たちとは、
感性が違うんですよね。
そのことにはタール自身も気付いていて、苦しむのが6巻。
それを乗り越え、タールはかなりゴル人化していきます。
騙されたり利用されたりするのは相変わらずのようですけど^^;
部下と富を得て行動も作成も大胆になり、大きな野望を持ち冒険としては面白くなってきます。
でもわたしとしては、主人公としての魅力を少し失ったと感じました。
読んでいるわたしたちは地球人であって、彼が地球人としてではなく、
ゴル人として成長した姿は、読者と主人公の距離を離してしまいました。

タールとタレーナ、テリマ、そして<神官王>と<他者>の対立がどうなるのかは
気になりますが、洋書を取り寄せてまでは読まなくて良いかな…と思いました。
2500円くらいするし…。
でも結局7巻・8巻を買ってしまった。


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2009/05/23

ゴルの世界 The World of Gor 2

  ゴルの身分制度について。
ゴルには身分制度があります。

  頂点は神官王(Priest-Kings)で、神のような存在です。
ですから人間界の身分ではありませんが、書いておきます。
非常に高い知能や科学技術を持ち、惑星を動かし、
地球からゴルを観測できないようにすることさえできます。
Gorの人々は、知らずのうちに彼らに監視されて生きています。
神官王の意思に背いた場合、あっという間に火刑。
神官王は500人以上はいるようです。
彼らの中で権力を持っているのは、<母>とその第1子から第5子までですが、
第2子~第4子までは死亡。
更に<巣の戦争>により第1子、老衰(?)で<母>も死亡。
サルダル山脈の<聖地>に住んでいて、
山に入ったものはいても帰ってきた者はいないと言われています。
姿は身長は18フィート(548.6cm)、色は黄金、足は4節で6本、
金色の毛に覆われた触覚らしきものがあります。
巨大な虫っぽい生き物と思われます。
神官王たちの政治的軋轢により、この小説の主人公、タール・キャボット(Tarl Cabot)も
利用されるため、地球から連れ去られて来ました。

  神官王に敵対する者として、<他者>(Others)がいます。
神官王とほぼ同等の科学技術を持ち、ゴルと地球の征服を狙っています。

  ゴルの人間の身分は、
上層階級(HighCastes)下層階級(LowCastes)、そして無法者奴隷です。

上層階級は位が高い順に
1. 導師(Initiates):白
神官王の代弁者(ということになっているが大体ペテン)
2. 書記(Scribes):青
学者、会計士、法律家、記録保存係、教師、事務員、歴史家など。
3. 建築家(Builders):黄
4. 医師(Physicians):緑
5. 戦士(Warriors):赤(緋色)

  色は、それぞれに色が割り当てられていて、
その色の服を着ます。
更に上層階級の中から執政官/Administrator(茶色)が選出されます。
国によっては王・女王が統治している国もあります。
戦闘時には軍司令官(Ubar/ウバル)が選出され、指揮を取ります。
本来は戦いが終われば軍司令官の職を解任されますが、
そのまま失脚するまで職を放棄せず、権力を持ち続けるものもいます。
ウバルの伴侶の女性、女性の軍司令官はウバラ(Ubara)と呼ばれます。
ウバル・ウバラの色は紫です。

下層階級は順番はわかりませんが、かなり細かく分類されています。
参考:http://www.geocities.com/kassau_info/castes.html
http://www.angelfire.com/ky3/bakah/castes.html

・商人(Merchants):白と金色
・奴隷商人(Slavers):青と黄色
奴隷商人は商人階級のサブ階級。
・金貸し(Moneylenders)
・パン屋(Bakers):オレンジと茶色
・肉屋(Butchers)
・酒作り(Winemakers):緑
・船乗り(Sailors)
・漁師(Fishermen)
・職人(Artisans)
   ・壷作り職人(Pot Makers):茶色と緑
   ・鞍作り職人(Saddle Makers):黄褐色
   ・鍛冶職人(Metal Workers):スチールグレイ
   ・縄作り職人(Rope Makers)
   ・革職人(Leatherworkers)
・布作り(Cloth Workers)
   ・絨毯作り(Rug Makers)
      ・機織り(Weavers)
         ・けば立て(Carders)
         ・服屋(Clothiers)
         ・ドレス作り(Dress Makers)
・きこり(Woodsmen):茶と黒
・詩人(Poets):水色と赤
・歌手(Singers):水色と赤
楽士・詩人・歌手などの芸術家系は、
下層階級の中ではランクは高いほうにいるようです。
・競技師(Players):赤と黄
競技師は厳密には身分ではありません。
・暗殺者(Assassin):黒
暗殺者は黒い服って決まってると、目立ってやりにくいんじゃないかって気がしますが、
額に黒い短剣の印を付けると、暗殺を請け負った者として、
どこの都市にでも入れる。
・農民(Peasants):茶色
・炭焼き(Charcoal):黒とグレー
・タルン飼育(TarnKeepers):グレーと緑
・娼婦

  上層階級には第二知識、下層階級には第一知識、というように、
意図的に情報を操作しています。
例えば下層階級は惑星ゴルは平たい円盤であると信じ込まされ、
本名を知られると呪いをかけられると思って通名を使っています。
これを二重知識といいます。

  ゴルは各都市が独立・対立・同盟しながら存在し、
人々は基本的に国に所属していますが、国家の滅亡などで国をなくした者が、
無法者(Outlaw)と呼ばれます。

  奴隷は別途説明します。

  身分は世襲制ですが、本人の希望とその能力と議会の承認があれば、
階級を変えることが出来ます。
しかし二重知識という壁がありますので、下層階級が上層階級に上ることは、
極めて難しいと言えます。

  ゴルは男性上位の世界であり、力の強いものが生き残る世界です。
階級による差別、障害者に対する差別はありますが、
肌の色に対しての差別はありません。

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Good And New 200905023

 24時間以内に起きた、良いこと・新しいこと。
これを書き続けることで、ポジティブシンキングになれるそうです。
フォトリーディング講座を受けたときに習いました。

Good And New
教祖にメールをいただいた♪

実はわたくし、こんなのんきなブログやってても、
今が人生の転機で、登るか落ちるかの瀬戸際にいたりするのです。
人に助けを求めるなんてしたことなかったけど、
教祖のアドバイスに従い、信頼できると思った人には助けてって言いました。
結局、相談にのるふりしてヤろうとしなかったのは、
教祖だけで、これだから人に弱みを見せるのは嫌なんだ!!
もう教祖の言うことなんか聞かない!!
(今までもまともに従ったことがない気もするが)
って思ったんだけど、そんな愚痴とバカなことを聞いてもらって、
結構明るい気持ちになったりしてきたのでした。

運気上がったら、肩もみで恩返しさせていただきます。
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ラヴィアVライントリマー

ラヴィアVライントリマーの使用レポです。

うん、これ便利。
アンダーヘアのお手入れしてるところなんて、絶対に人には見せられない姿ですけど。
ヘアを熱で焼き切るので、はさみでカットしたときのようにチクチクにならないの。

同様の商品、twinbird、LC、エンジェルタッチetc...との比較は
わからないけど、とりあえず満足。
わたしはAmazonで買ったけど、東急ハンズでも売ってました。

お風呂に入ってからカットして、そのままだと細かい毛が落ちてくるので、
もう一回シャワーで流すと良いです。

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覚書

つい忘れて、うっかり食べてしまうのでblogに書き留めておこう。

わたしはマンゴーにかぶれる。

ジャムとかドライマンゴは大丈夫だけど、生を自分で皮を剝いて食べるとかぶれるー

やさしいメンズが剝いてあーんしてくれないと食べられないのだわ。
(叶姉妹のブログに影響されすぎ)

マンゴーはウルシ科の植物なので、かぶれる人はけっこういるんだよね。


完熟マンゴーを急速冷凍、食べたい時にトロピカルフルーツカットマンゴー(1kg)

おっ、はじめからカットされてるのがあるのね。
これでメンズがいなくても大丈夫ですわ。
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2009/05/22

ゴルの世界 The World of Gor 1

 ゴルとはなんぞ?を説明していきます。

ゴル(Gor)とは
ジョン・ノーマン(John Norman)という作家(大学の哲学の先生でもある)による、
「反地球シリーズ(Chronicles of Gor)」というSF小説です。
太陽を挟んで地球の反対側にある、地球と似た惑星ゴル。
<捕獲航海>により地球からさらわれた、タール・キャボット(Tarl Cabot)の、
過酷な運命に翻弄される戦いを軸としたストーリーです。
7巻目でSMの要素が強くなり、隠れた問題作でもあります。

そのGorの世界観を実践する人たちは、Gorean(ゴレアン)と呼ばれます。
Goreansは、BDSMとは違うと言ってますが、わたしは
本質的には同じだと思いました。
SMってSadism(加虐性欲)とMasochism(被虐性欲)なわけだけれど、
女をレイプしたい人、女をぶん殴りたい人、女を調教する人、
ノーマルから見たら区別つかないかもしれないけど、それぞれ別物です。
鞭で打たれる人も、鞭を打つ人が誰であっても気持ち良いわけじゃない。
SMに本当に必要なのは、サドの要素でもマゾの要素でもなく、
愛と信頼関係なんだよね。

なんかディープな話になってきちゃったんで、
今日はこの辺で。
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アロマチックシルキー

 アンダーヘア用トリートメント、アロマチックシルキーを使ってみました。

臭っーーーーーーー!!!

古い家のトイレにある、丸い芳香剤みたいなにおいがする。
そしてそれに混ざり、満のニオイがするよ。
ソコにつけなくてもそのニオイだから、自分がにおってるんじゃないと思う。
❤する日は使えないレベルの強さのニオイ。。。
 初日なのでトリートメント効果はまだわかりません。
ニオイをかがないようにして、もうしばらく使ってからまたレポートします。


→アロマチックシルキーの使用レポ その2

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2009/05/21

Good And New 200905021

 24時間以内に起きた、良いこと・新しいこと。
これを書き続けることで、ポジティブシンキングになれるそうです。
フォトリーディング講座を受けたときに習いました。

Good And New
叶姉妹のブログがあることを知った♪
http://ameblo.jp/kanosisters/

やってみたいお手入れから、やっちゃいけなそうなお手入れ、
なにげに庶民的なものもお召し上がりになっているご様子など、
おもしろいー♪
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アンダーヘアのお手入れ【Beauty】

 そろそろ露出の季節なので、
この際、毛を徹底的にお手入れしてみようか。
できることなら、叶恭子様のようにしたいです。



アンダーヘアを熱でカットする機械と、
毛をやわらかくするトリートメント。
使用感は試してからまた書きまーす。

プエラリア・エクストラ・ハーバルジェルの季節限定品が出てた。。。
もっと早く気づけば良かった(>_<)


 →アロマチックシルキーの使用レポ その1
 →ラヴィアVライントリマーの使用レポ
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2009/05/20

フィールド名とデータ型を表示する【SQL】

SQL*plusのコマンド
フィールド名とデータ型を表示する

desc emp;
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幹事さんメモ

 お肉を食べるグループの幹事なので、
気になるところメモ。

・炭火焼肉 トラジ
http://www.ebisu-toraji.com/top.html

・銀座花大根
http://www.e-ohashi.com/hanazen/hanadaikon/index.html
しゃぶしゃぶやすき焼きのコースあり。
銀座に行くようなメンバーじゃないところが微妙・・・。
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2009/05/19

Good And New 200905019

 24時間以内に起きた、良いこと・新しいこと。
これを書き続けることで、ポジティブシンキングになれるそうです。
フォトリーディング講座を受けたときに習いました。

Good And New
・柔軟剤を新しいのにした♪

今までソフランを愛用してたんだけど、そろそろ冒険するぞ!
ということでハミングフレア フレグランスコレクションに変えました。
まだ使ってないけど、良い香りになると良いな。

追記:ハミングフレア フレグランスコレクションは、
ソフランより香りが残って、甘いかおりでした。
ふわふわ感はハミングが若干上かな?
わたしには甘すぎるので、次はまた違うのを試すけど、
悪くないです♪
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2009/05/18

たまねぎドレッシング

 血液がサラサラになる、たまねぎドレッシングを作ったので、
そのレシピ。
 NHKで放送されたものらしいです。

材料
・たまねぎ 2個
・砂糖 大さじ3
・塩 小さじ2
・酢 カップ3/4
・サラダオイル カップ3/4 
・みりん カップ1/2
・酒 カップ1/2
・しょうゆ 1/2カップ

作り方
1. たまねぎを繊維に対して垂直に薄切りにし、20分放置する。




20分放置すると、血液サラサラになる成分ができるらしいです。
ちなみにわたしは、口が小さいので薄切りにしたものをさらにざく切りしてます。

今の時季なら、せっかくだから新玉ねぎを使うとおいしいと思います。

2. たまねぎ以外の調味料を、広口のびんに入れて軽く混ぜ合わせる

びんは1.5~2リットルがちょうど良いです。

3. 2に1のたまねぎを入れ、よく振り、冷蔵庫に入れて一晩置く。


いざ出来上がってみると、すごい量です。
1週間程度日持ちするらしいけど、1週間で食べきれるのか…?
なぜ作る前に、半分の量で作れば良いと気づかなかったのだろう。

追記:なんで血液サラサラになろうと思ったんだっけ?
と思い起こすと、目の下のクマを解消しようと思ったんだ。
やや効果あり。

油が多いので、意外としょっぱさがなくたっぷりかけてしまいます。
たまねぎはたくさん食べられるかもしれないけど、
塩分取りすぎにならないんだろうか?
レシピより油を少なめにしたほうが、パンチの効いた味になりそうな気がします。
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Good And New 200905018

 24時間以内に起きた、良いこと・新しいこと。
これを書き続けることで、ポジティブシンキングになれるそうです。
フォトリーディング講座を受けたときに習いました。

Good And New
・たまねぎドレッシングを作った♪

最近健康志向なので、血液とかサラサラになれば良いの?
というわけで、たまねぎドレッシングを作りました。
調味料にはお金をかける主義なので、
おしょうゆと油以外は、セレブな材料。
さぞかしおいしかろう。

追記:明らかにしょうゆだけ負けてるぅぅぅ。
教訓を得てGoodってことで。
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2009/05/17

Good And New 200905017

 24時間以内に起きた、良いこと・新しいこと。
これを書き続けることで、ポジティブシンキングになれるそうです。
フォトリーディング講座を受けたときに習いました。

Good And New
・ブログの構築をひたすら頑張った♪

今日は生理痛+風邪で外出もできないので、
1日かけてだらだらとブログ構築してました。
だいぶ体裁がよくなったぞ。
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【恋愛英会話】 汚い英語で罵る編

 愛が終わって憎さ100倍、汚い英語で罵ってやりたいときもありますね。
こんなことを言うと、おバカさんだと思われること請け合いです。
言われたときのために、覚えておくのも良いかもしれません。

●この売女!
You slut!

●このやろう!
You bastard.
どちらかというと男性に使われます。

●お前の母ちゃんでべそ。
Son of a bitch.
直訳するとメス犬の子。

●近親相姦野郎め。
Mother fucker.

●くそったれ。
Ass hole.

●殺すぞ。
I will kill you.

●地獄へ落ちろ。
Go to the hell.

●うざい。
You are annoying.

●きもい。
disgusting.

●あなたって下品なのよね。
You are gross.

●黙れ。
Shut up.

●くたばれ。
Screw you!

●バカじゃないの。
You are fool.
なにげにこれは破壊力あります。
日本語でもバカって言われるとかなり頭にくるもんね。

●あなたは頭悪い。
You are stupid.

foolは思慮深さが足りないバカ、stupidは理解力に欠けるバカ。
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【恋愛英会話】 愛の終わり編

恋愛に役に立つかもしれない英会話です。
一度は永遠の愛を誓っても、その愛が終わるときもありますね。
そんなときの表現です。

●話があるの。
 話があるんだ。
I need to talk to you.

●あなたのこともう愛してない。
I do not love you any more.

●愛してたよ。
 愛してたわ。
I loved you.
過去形です。これを言われたら修復不可能だと思います。

●幸せじゃないの。
I am not happy.

●潮時だよ。
It's time to say good bye.

●僕たちは終わったんだよ。
 わたしたちは終わったのよ。
It is over.

●側にいてもあなたが遠くに感じるの。
I feel that you are far away even though we were close.

●あなたといると退屈なの。
You are boring.

●僕たちは別れた方が良いよ。
We need to break up.

●もうあなたとは関わりたくない。
I want to stay out of you any more.

●もう二度と会いたくない。
I hope I never see you.

●顔も見たくない。
Never show your face.

●全部知ってるんだからね。
I know everything.

●浮気してるでしょ?
You are having an affair, aren't you?
三股、四股のときはaffairsになるのかな~?

●言い訳なんか聞きたくないわ!
I don't wanna hear any excuses!

●わたしと別れるつもりなの?
Are you breaking up with me?

●君に飽きたんだ。
 あなたに飽きたの。
I got tired of you.
You lost your flavor.
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【恋愛英会話】 BDSM編

恋愛に役に立つかもしれない英会話です。
英語でBDSMプレイをしてみましょう。
でも実のところ、BDSMのルールがわかってないんで、
これじゃ駄目かもしれん・・・・・・。
詳しいかた教えてください。

ちなみにBDSMとは、
B・・・Bondage(拘束)
D・・・Disipline(規律・調教)またはDomination(支配)
S・・・Sadism(加虐性欲)
M・・・Masochism(被虐性欲)

●わたしはあなたのおもちゃです。
I am your toy.

●今日はお前に鞭を打って遊ぶことにする。
Today, I decided I would play and spank you with a whip.

●わたしの香水はプワゾンよ。
My perfume is "POISON".
これ、どういう意味かって言うと、奴隷って黒の中にある香りや色に敏感に反応するのね。
五感を刺激する会話を入れてあげてます。
香水の名前はブルガリでもシャネルでもあなたがお使いのものでどうぞ。
例文は何となくエロそうだからプワゾンにしといた。

●わたしはご主人様のお椅子になりたいです。
I would like to be your chair.

●お仕置きしていただけるように、お願い申し上げなさい。
Ask me to have you make punishment.

●お前は淫らな豚だ。
You are an indecent pig.

●跪いて足をお舐め。
Kneel here and lick my shoes.

●わたしの足をお揉み申し上げなさい。
Massage my leg.
マゾ男性は足が好きな方が多いので、足を使うプレイは組み込んであげましょう。

●奴隷になりなさい。
Be my slave.

●お前は惨めな奴隷。
You are a wretched slave.

●謝りなさい。
Apologize to me.

●お前が悪い子だからお仕置きするんだよ。
I make punishment to you because you are bad boy.
I make punishment to you because you are bad girl.

●これがお前の望んだことだ。
This is what you want.

●痛いって言ってごらん。
Say "I have a pain".

●痛くないよ。
I do not have pain.

●そんな反抗的な奴隷はいらない。
I do not need such rebellious slave.

●お許しください、ご主人様。
Please forgive me, my master.

●お許しください、女主人様。
Please forgive me, my mistress.

●今さら謝っても遅いんだよ!
It is too late to apologize!

●もう許すことはできない。
I cannot forgive you already.

●四つんばいになりなさい。
Get down on all fours.

●その言葉遣いは何なの?
You do not know how to speak.

●立場をわきまえなさい。
Know your viewpoint.

●服を脱ぎなさい。
Take off your clothes.

●その股間の汚らしいものを自分でしごいてごらんなさい。RLで。
Rub dirty it on your crotch in RL.

●便器になりなさい。
Be my toilet.

●口の中につばを吐きかけてる。
I am vomiting saliva in your mouth.

●聖水をください。
Would you give me golden shower please?
豆知識:日本語では黄金はうんち。おしっこは聖水。

●なかなかかわいいことを言うじゃないか。
You said pretty thing.

●これが最後だよ。やっとお前はわたしのお仕置きから解放されるんだよ。
It is last. Finally you will be freed from my punishment.

●お前はすっかりわたしのものだ。
Whole you are mine.
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【恋愛英会話】 バーチャルsex中のRL編

バーチャルセックス(サイバーセックスとも言う)中のRLのことを、英語で言ってみましょう。
まぁ本当にRLでやっていることは"I am typing.(キーボードを打っています)"だと思うけど、
何か興奮することを言ってあげるのが人情?愛情?

●リアルでオナってる?
Are you touching yourself now ?
Are you touching yourself in rl ?

●指でいじってるわ。(女性用)
I'm touching myself now...

●バイブレーターを使ってるわ。(女性用)
I am using the vibrator.

●チン〇をこすってるよ。
I am rubbin my dick now honey...
I am rubbing my cock thinking about you babe...

好きなの使ってください。

●RLで裸になってます。
I am naked in RL now.

●何色のパンツ履いてるの?
What color is your panty?


ちなみにわたしは否定派ではありませんが、
リアルですれば良いんじゃないの?って思っちゃうほうです。
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【恋愛英会話】 女性用sex後ピロートーク編



恋愛に役に立つかもしれない英会話です。
セックス後のピロートークを英語で言ってみましょう。

●愛し合ってくれてありがとう。
Thank you for loving me.
これは言うのがお約束。ありがとうが良い言葉なのは万国共通である。

●すばらしかったわ。
You are wonderful.

●あなたはパワフルだわ。
You are powerful.

●夢のようだったわ。
You are fantastic.

●すごかったわ。
You are amazing.

●イった?
Did I make you cum?

●満足した?
Did I satisfy you?

●毎日したい。
I wanna make love to you every day.
I want you to make love to me every day.


●激しかったわね。
You got wild.

●2回目どう?
second round?
3回戦なら3rd round,4回戦なら4th round...と増やしてください。
何回目かわからなくなったら、もう1回する?

●もう1回する?
one more round?

●またしたくなっちゃった。
You are turning me on again.
You make me feel like doing it all over again.
You are making me feel horny again...
Ah, you are making me hard again babe...

お好きなの使ってください。

●こんなに感じたのは初めて。
It was the first time that I felt so good.

●わたしたちは体の相性が良い。
We are sexually compatible.
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【恋愛英会話】 男性用sex後ピロートーク編

恋愛に役に立つかもしれない英会話です。
セックス後のピロートークを英語で言ってみましょう。

●愛し合ってくれてありがとう。
Thank you for loving me.
これは言うのがお約束。ありがとうが良い言葉なのは万国共通である。

●すばらしかった。
You are wonderful.

●君は素敵だ。
You are beautiful.

●夢のようだった。
You are fantastic.

●すごかった。
You are amazing.

●イった?
Did I make you cum?

●何回イった?
How many time did you cum?

●満足した?
Did I satisfy you?

●毎日したい。
I wanna fuck you every day.
I wanna make love to you every day.
毎度の注意ですがfuckという単語は嫌う人も多いので使い分けてください。

●激く乱れたね。
You got wild.

●2回目どう?
second round?
3回戦なら3rd round,4回戦なら4th round...と増やしてください。
何回目かわからなくなったら、もう1回する?

●もう1回する?
one more round?

●またしたくなっちゃったよ。
You are turning me on again.
You make me feel like doing it all over again.
You are making me feel horny again...
Ah, you are making me hard again babe...
お好きなの使ってください。

●こんなに感じたのは初めてだよ。
It was the first time that I felt so good.

●わたしたちは体の相性が良い。
We are sexually compatible.
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【恋愛英会話】 女性用sex編



恋愛に役に立つかもしれない英会話です。
英語でセックスしてみましょう。
サイバーセックス対応。
女性が使う表現です。

●感じさせて。
Do not make me feel so good.
実際は「感じさせないで」、と言っているところがミソ。
素直な相手で、「やめようか?」と言われちゃった時に返す自信が無ければ、
Make me feel good."って言いましょう。
訂正:読者様からご指摘いただいて修正しました。
ありがとうございます^^

●入れて!
Put your dick in me!
Put your cock in me!

好きなほう使ってください。

●来て。
Come inside me, darling.

●上になっても良い?
Can I go on top?

●もっと激しく。
Harder.

●もっと早く。
Faster.

●もっと奥に。
Deeper.

●優しくしてね。
Be gentle, honey.

●おかしくなりそう。
You make me crazy.

●気持ち良いわ。
I feel good.

●どんな体位が好き?
What is your favorite position?

●正常位が好き。
I like missionary.

●バックが好き。
I like doggy style.

●騎乗位が好き。
I like cowgirl style.

●あなたのアレって大きいわ。
Your dick is big.
Your cock is big.
欧米人、特にアメリカ人は日本人より大きさにこだわるので、
自分のは何インチだ、と聞いてないのに教えてくれる人以外には
使わないほうが良いかもしれない。

●あなたのアレって硬いわ。
Your dick is hard.
Your cock is hard.

●乳首を舐めて。
lick my nipples.

●乳首を吸って。
suck my nipples.

●アソコを舐めて。
lick my pussy.

●栗を吸って。
suck my clit.

●あえぎ声いろいろ。
AH
OH
YES!
OMG
mmmmm.
.....

バリエーションがあまりないのよね。日本の擬音は世界一ですね。

●お尻を叩いて。
Slap my ass.

●アソコに舌を入れて。
Put your tongue inside my pussy.

●激しく突いて。
thrust harder.

●あなたのモノが奥まで入ってきてるわ。
Your precious part is coming deep inside me.

●あなたと溶けてしまいたい。
I wanna melt in you.

●中に出して。
Cum inside me.

●中に出さないで。
Do not cum inside me.

●イキそう。
I am gonna cum soon.

●天にも昇る気持ち。
Feel like heaven.

●一緒にイッて。
cum together.

●イク。
I am cumming.
"cum"はcomeの略語です。日本語は行くけど英語は来るのね。

●いかせられちゃった。
You make me cum.

普通はdick, cock, pussy, clitなんて女性は口に出さないものなんですが、
サイバーセックス対応なので、相手をturn onさせるために、
あえてそういう単語を入れてます。
そんな言葉使いたくないわ、という場合は、
yours, you, he, it, your precious part
などを使うと良いです。
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【恋愛英会話】 男性用sex編



恋愛に役に立つかもしれない英会話です。
英語でセックスしてみましょう。
ヴァーチャルセックス対応。
男性が使う表現です。

●濡れてる?
Are you wet?

●チン〇が大きくなってきたよ。
My dick is getting bigger.
My cock is getting bigger.

好きなほう使ってください。多分チ〇コとチ〇ポくらいの違いと思われ。

●チン〇が硬くなってきたよ。
My dick is getting harder.
My cock is getting harder.

好きなほう使ってください。

●俺のチン〇が勃起してるぜ。
My dick is elect.

●きみのおっぱいが大好きだ。
I love your tits.

●君の乳首が硬くなってきたよ。
Your nipples are getting harder.

●君のおしりが大好きだ。
I love your butt.

●どんな体位が好き?
What is your favorite position?

●正常位が好き。
I like missionary.

●バックが好き。
I like doggy style.

●騎乗位が好き。
I like cowgirl style.

●パイズリが好き。
I like titty fuck.

●どんなことしてほしいの僕に。
Tell me what you want.

●君が一番感じるのはどこ?
What is the most sensitive place on your body?

●感じるかい?
Do you feel me?

●気持ちよかったらうめいて良いんだよ。
You can moan when you feel good.

●君のあえぎ声が聞きたい。
I want to hear your gasp.

●君の声が聞きたいな。できればvoice chatしない?
I wanna hear your voice, baby. Let's do voice chat if you can.
(ヴォイス・チェンジャーを通した声かもしれないがな)

●僕、童貞なんだ。
I am a virgin.

●俺は巨根だぜ。
I am hung.
言ったら馬鹿みたいだけど、おもしろいから載せた。

●剃毛してください。
I want you to shave your pubic hair.

●僕の舌を感じるかい?
Do you feel my tongue?

●俺のチン〇が激しく突くぜ。
I thrust my dick into your pussy.
I thrust my cock into your pussy.


●君をオーガズムに導きたいんだ。
I would like to bring you you to orgasm.

●君と溶けてしまいたい。
I wanna melt in you.

●君のアソコはホットだね。
Your pussy is so hot.
ホットの上手な日本語が重い浮かばないけど、なんて訳すのが良いんだろう。

●アソコが濡れ濡れだね。
Your pussy is so wet.

●アソコの具合が良いね。
Your pussy feel so good.

●締りが良いね。
Your pussy is tight.

●もっと足を開いて。
Open your legs more, please.

●おかしくなりそうだ。
You make me crazy.

●フェラしたい?
Do you wanna lick my dick?
lickだけだと男性が女性のを舐めること。

●フェラして。
suck me.

●飲んで。(これもフェラしてかもしれない)
swallow me.

●亀頭が感じるよ。
Head of cock feel better.

●玉をほぐしてくれる?
Would you massage my balls softly?

●ええか、ええのんか。(これって元ネタ何?)
Do you like this?

●タマが君の汁で濡れちゃったよ。
My balls get wet with your juice.

●舐めてきれいにしてあげるよ。
I clean your pussy up with my tongue.
これはコトが終わって、後戯の時に使ってください。

●君の汁、甘くておいしいね。
Your juice is tasty like honey.

●君のアソコの味、好きだよ。
I like your taste.

●顔が君の汁で濡れちゃったよ。
My face is wet with your juice.

●君の栗、かわいいね。
I like your cute clit.

●アナ〇ファックは好きかい?
Do you like anal fuck?
Do you like tight hole fuck?

どちらも同じ意味です。

●女王様、聖水をください。
My mistress, Would you give me golden shower please?

●ケツ振って。
Shake your ass.
お下品な言い方です。

●もう出そう。
I cannot keep it back any more.

●イキそう。
I am gonna cum soon.

●イク。
I am cumming.
"cum"はcomeの略語です。日本語は行くけど英語は来るのね。

●極楽じゃ~。
Feel like heaven.
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【恋愛英会話】 女性→男性 ベッドお誘い編

恋愛に役に立つかもしれない英会話です。
女性から、ベッドにお誘いするためにそれっぽいことを言ってみましょう。

●あなたの体って好きだわ。
I like your body.

●わたし、ムナゲストなの。
I like a man with a hairy chest.
そう言えば普通にムナゲストという言葉を使っていたが、
これは造語なんだよね。(作ったのはLUKE篁さんかな?)
胸毛好きな人のこと。

●そばに来て。
Come closer.

●抱きしめて。
Hold me.

●キスして。
Kiss me.

●二人きりになりたいわ。
I want to be just the two of us.

●あなたのものになりたいわ。
I want you to make me yours.

●したい?
wanna fuck me?
Do you wanna make love to me?
fuckは下品な言葉なので、相手によって使い分けると良いでしょう、

●わたしの体を味見したい?
Do you want to taste my body?
fuckより遠まわしな表現でいて、実はエロい言い方です。

●したくなっちゃった。
You are turning me on.

●エッチな気持ちになっちゃった。
I am horny.
I feel horny.


●わたしの裸が見たい?
Do you wanna see my naked body?
Do you wanna see my birthday suit?

好きなほう使ってください。
バースデースーツは生まれたときに着ていたもの、つまり裸。
ちょっと古くさい言い方。

●気持ち良いコトしてあげる。
I give you sexual pleasure.

●ピル飲んでるわ。
I am on the pill.

●ピルは飲んでない。
I am not on the pill.

●コンドーム使ってくれる?
Are you going to use condome?
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【恋愛英会話】 男性→女性 ベッドお誘い編

恋愛に役に立つかもしれない英会話です。
男性から、ベッドにお誘いするためにそれっぽいことを言ってみましょう。

●君のことをもっと知りたいな。
I want to get to know you better.

●君は良いにおいがするね。
You smell good.

●君の柔らかい髪が好きだよ。
I like your soft hair.

●唇がセクシーだね。
Your lips are sexy.

●君のプロポーションは最高だね。
You have a great figure.

などと体を褒め、次は自己主張です。

●二人きりになりたい。
I want to get you alone.

●君を抱き寄せてイチャイチャしたい。
I wanna snuggled with you.

●側においで。
Come closer.

●キスしたい。
I wanna kiss you.


●キスさせてくれ。
Let me kiss you.

●おっぱいを触っても良いかい?
Can I touch your tits?

●やりたくなってきた。
You turn me on.

●その気になっちゃったよ。
I am in the mood.

●味見して良いかい?
Can I taste you?
これは本命相手なら言わない方が良いと思います。

●君とセックスしたいんだ。
I wanna make love to you.

●愛し合おう。
Shall we make love?

●ヤリたい。
I want to fuck you.
fuckは下品な単語ですから、相手に応じて使いましょう。

●エッチな気持ちだ。(勃起しちゃったよ〜!)
I am horny.
I feel horny.
これ自信ないけどちょっとくらい間違ってても通じるだろう。
読者様からご指摘いただいて訂正しました。ありがとうございます^^

●ピル飲んでる?
Are you on the pill?

●コンドームつけたほうが良い?
Should I use condome?

●君を愛しているからコンドームはつけたくないんだ。
I do not want to use condome because I love you.
こんなこと言う男はクソですけどね。
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ゴルの虜囚 55 【CAPTIVE OF GOR】



 → 読む前の注意
 → 目次

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


6. 奴隷商ターゴとの邂逅(5)

 いくらかじれったく感じながらも、少し辛抱して、さっき言ったことを繰り返しました。わかりやすいだろうと、はっきり、ゆっくり、話しました。
 男たちが掴んでいるわたしの手首を離して欲しいわ。
 ターゴに話し続け、わたしが陥っている窮地と要求を説明しようとしましたが、ターゴは無愛想でじれったげに何か言うだけでした。
 怒りにカッとしました。
 この男はわたしの話を聞く気がないんだわ。
 手首を引きましたが、二人の男は離してくれませんでした。
 それからターゴはわたしに話し始めましたが、何ひとつ理解できませんでした。ターゴは使用人に話すように鋭く話しました。このことにイラっとしました。
「言っていることがわからないわ」
わたしは冷ややかに言いました。
 ターゴはもどかしげに考え直しているようでした。わたしの声のトーンにはっとしたらしく、わたしを注意深く見つめ、わたしを誤解していると気付いたようでした。わたしに近づいてきて、声色は油っぽくご機嫌を取りのものでした。この小さな勝利に、わたしは気が晴れました。ターゴは今や優しくなり、へつらっているようでした。
 エリノア・ブリントンに礼儀正しく遇すれば良いのよ!
 でももちろんまだ、彼が言っていることはわかりません。
 けれども、何かターゴの言葉には良く知っている何かがありました。それが何なのかはわかりません。
 ターゴは、わたしが理解していないことを信じようとしない様子です。
 ついにはとてもゆっくり、一言一言、とてもはっきりとターゴは話し続けていました。当然、努力は少しも報われず、わたしは一言も理解できません。何らかの理由で、ターゴを苛立たせたようでしたし、わたしも同様に苛立ちが募ってきました。ターゴは相手がネイティブであろうがなかろうが、誰でも彼の奇妙な言語を理解できるものと、あたかも思っているようです。なんと単純で偏狭な男なんでしょう。
 英語ですらありません。
 ターゴはわたしとの意思の疎通を図りましたが、無駄でした。
 ある時点で部下の一人の方を向いて、質問をしたようでした。その男は一言答え、どうやら否定のようでした。
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ゴルの虜囚 54 【CAPTIVE OF GOR】

 → 読む前の注意
 → 目次


<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


6. 奴隷商ターゴとの邂逅(4)

 よろめきながらも笑って、彼らのほうに向かい丘を駆け降りました。
 男たちのうち二人がこちらに走ってきて、荷車の脇にいたあと二人は、わたしを通り過ぎ丘の上に走りました。
「わたしはエリノア・ブリントン」わたしのところに来た男たちに話しました。
「ニューヨークに住んでいます。道に迷ったんです」
 男の一人は、両手でわたしの左腕を掴みました。もう一人は、両手でわたしの右腕を掴みました。男たちはすばやく、優しくはなくわたしを引っ張って導き、荷車の人たちのところに丘を下りて行きました。
 しばらく彼らはわたしを掴んだままで、荷車の横に立っていました。
 青と黄色の広いストライプの絹のローブに身を包んだ、背が低く太って肉付きの良い太鼓腹の男が、かろうじてこちらを見ました。二人の男が行った丘の上を、より気にするように見つめていました。男たちはかがんで丘の上を見回していました。荷車に残ったあと二人の男たちは、反対側の100ヤードほど先を見回していました。荷車の前の、引き具をかけられた女たちは不安そうに見えました。太った男はイヤリングと、金の台座のサファイアのペンダントをつけていました。髪は黒くて長く、手入れはよくされていないようでした。汚くて櫛もあまり入れていないようです。青と黄色の絹で後ろに縛ってありました。紫のサンダルは、紐に真珠があしらわれています。サンダルはもはやほこりにまみれ、真珠はいくつかなくなっていました。小さくずんぐりした手には、いくつか指輪がはめられ、手も爪も汚れていました。この男は、個人的習慣に関して、かなり気難しいのかもしれないと感じました。でも今は、明らかにそうではないようでした。憔悴し、心配事がありそうでした。荷車から100ヤードほど離れた草原での捜索から、灰色の髪で片目の男が戻ってきました。何も見つけられなかったと推測しました。男は太ったずんぐりした男を「ターゴ」と呼びました。
 ターゴは丘の上を見上げました。丘の上からちょっと下った所に立った男が手を振り、手を上げて肩をすくめました。何もなかったようです。
 ターゴは深く息を吸い込みました。目に見えて緊張を解いていました。
 そしてわたしを見つめました。
 わたしはとびっきりかわいい笑顔で微笑み、「ありがとう、助けてくれて」と言いました。
「わたしの名前はエリノア・ブリントンです。地球という惑星の、ニューヨークに住んでいます。すぐに帰りたいんです。お金はあるから、連れて行ってくれるなら謝礼は保証します」
 ターゴはいぶかしげにわたしを見つめました。
 でも英語はわかるはずでしょ!
 別の男が戻ってきて、何も見つけられなかったことを報告したようでした。多分監視させるため、ターゴは男を後ろに戻し、丘の上の男の一人も呼び戻しました。もう一人はそこに残しました。やはり監視させるためだろうと思います。


*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:**・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*
訳者の言い訳と解説
 第6章のタイトルが「奴隷商ターゴとの邂逅」なので、
奴隷商だというのはお分かりと思いますが、
「青と黄色」は奴隷商に割り当てられた色です。
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ゴルの虜囚 53 【CAPTIVE OF GOR】



 → 読む前の注意
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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


6. 奴隷商ターゴとの邂逅(2)

 だいたい午後の中ごろ、草深い二つの丘の間の緩やかな坂に腰を下ろしました。
 助かる見込みはあるかと考えました。
 冷笑しました。ここはわたしの世界ではないとわかってるわ。わたしを運んできた船は、この種の自分の限られた知識からしても、現在の地球の文明の能力をはるかに超えています。わたしを捕らえた船の乗組員は確かに人類か、人類のようでした。銀色の船の人たちも、大きくて繊細な金色の生き物以外は、人類のようで、より人間らしく感じました。
 でも黒い船は壊れてしまった。銀色の船も行ってしまった。多分、他の世界へ。
 それでも助かりたいのよ!助かるわ!助かるに決まってる!
 とても怖いわけでもなくなっていました。
 この世界でも生きていけるわ。
 でも、孤独。
 ここには恐れるものは何もないと、自分に言い聞かせました。食べるものも、水もあります。ベリーを見つけたんだから、他にも果物とか、木の実があるに違いないと思いました。
 わたしは笑い、自分を励ましました。
 それから、寂しくて寂しくて泣きました。わたしは一人ぼっちなんだ。
 はっとして顔を上げました。空気を貫けて、間違いようもなくどこかから、叫び声が、人の声が聞こえたのです。
 乱暴に飛び上がって、よろめきながら丘を駆け上がりました。頂上で見回し、見下ろしてから、大声をあげて手を振り、丘の脇を駆け下りました。よろめきながら、叫びながら、手を振りながら。目には喚起の涙が浮かびました。
 人だわ!助かるんだわ!あの人たちは食べ物も、雨露をしのぐところも、水も持っているでしょう。救われたんだ、安全だわ!安全なんだわ!
「止まって!止まって!」叫びました。
 荷車が一台。荷車の周りには七、八人男がいました。動物はいません。前には草の上に、服を着ていない娘が十五~二十人ほどいました。彼女たちには引き具が付けられているようでした。男が二人、娘の近くに立っていました。荷車は傷んで、ところどころ黒いしみが付いていました。青と黄色の絹の幌は破れていました。荷車の前には、青と黄色の縞の絹のローブをまとった背の低い太った男がいました。みんな驚いて、こっちを向きました。
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ゴルの虜囚 52 【CAPTIVE OF GOR】

 → 読む前の注意
 → 目次


<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


6. 奴隷商ターゴとの邂逅(2)

 歩き続けました。
 夜明けから二時間ほどして、岩がむき出しのところにたどり着きました。ここで、石の間に雨水の小さな水たまりを見つけて、水を飲みました。
 嬉しいことに、近くに食べられるベリーを見つけました。おいしくて、この原野で何らかの自信が付きました。
 太陽が空に昇り、暖かくなってきました。二度ほどにわか雨がありましたが、別に気になりませんでした。空気は澄み渡り、草は緑、空は抜けるように青く輝き、雲は白い。
 太陽が頭の上に来た頃に、もっとベリーを見つけて、今度はお腹いっぱい食べました。そう遠くない別の岩場で、雨水が溜まった水溜りを見つけました。大きな水溜りで、欲しいだけ水を飲み、顔を洗いました。
 そして歩き続けました。
 もう恐れないし、気が立ってもいません。この世界で生きていくのも不可能ではなさそうに思えました。
 美しい世界。
 少し走ると髪が後ろになびきました。笑って飛び跳ねてターンして、また笑いました。誰もいません。少女だった頃以来、やったことはありません。
 それから、暗い色の巻きひげのある葡萄のような植物が片方にあるのを見て、注意深く歩みました。わたしの存在を感知して、カサカサ音を立てているのを見て、立ちすくみました。牙のあるさやがいくつか、わたしを感知して頭のように持ち上げ、ゆるやかに前後に動いていました。
 でももう恐れることはありません。この植物が危険だとわかっています。
 歩き続けました。
 動物も見かけません。
 そこかしこにベリーを見つけ、時々岩場ではだいたいいつも決まって、最近の雨水が溜まっていました。
 でも、わたしはとても寂しいと思いました。


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訳者の言い訳と解説
 恐るべき状況適応能力とバイタリティですよね。
自分がいる場所が地球ではないことも、かなり早い段階で理解しています。
地球からゴルに連れてこられるのは、こういう人が選ばれるのです。
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ゴルの虜囚 51 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


6. 奴隷商ターゴとの邂逅(1)

 明け方近くに目を覚ますと、とても寒くて、どんよりとじめじめした天気でした。ひどくお腹が空きました。体はこわばっていて痛み、すすり泣きました。葉の長い草の露を吸いました。わたしは一人ぼっちなんだわ。服は濡れて、惨めでした。わたしは一人ぼっち、たった一人なんだわ。怖くて、お腹が空いて、涙が出ました。
 わたしが知る限り、この世界にいるのはわたしだけかもしれない。船はここで壊れたけれど、この世界のものではないのかもしれません。他の船が難破船を破壊しに来たけれど、その船もこの世界のものではないのかもしれません。壊れた船の生存者も見てないし、他の船も立ち去ってしまいました。わたしが知る限り、わたしがこの世界の唯一の人類なのかもしれないわ。
 立ち上がりました。
 周りには、ほの暗い明かりを反射し、きらきら輝く柔らかな露が、波打っていました。草原が見えるばかりで、果てしなくうねりが続き、何もないかもしれない地平線に囲まれたわたしを拒絶していました。
 わたしは、孤独でした。
 原野の真ん中を歩いてゆきました。
 清らかな朝に、鳥のさえずりが聞こえました。近くの草の中に、わずかに動きがありはっとしました。二つの長いげっ歯のある毛皮の小さな生き物が、軽快に走り去って行きました。
 歩き続けました。
 本当に飢えてしまうわ。食べるものは何もない。泣き叫びました。
 一度空を見上げると、大きくて白くて広い羽の鳥たちが見えました。薄墨色の空高くに、あの鳥たちも寂しいそうにしていました。あの鳥たちもお腹が空いているかしら。
 わたしはとぼとぼと歩いていました。
 何が起こったのか理解できません。あまりにも大ごとで、あまりにも理解しがたいことです。あの八月の朝に目を覚ましてシャワーを浴びたこと、男たちから逃げようとしたこと、地球の林を疾走したこと、船、わたしが入れられたプラスチックか何かの、厚くて透明なシリンダーやチューブのことを思い出していました。
 そして今、わたしは一人ぼっち。
 エリノア・ブリントンは、ひとりぼっちで知りもしない世界の原野を彷徨っているのです。

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訳者の言い訳と解説
奴隷商ターゴは、2巻だったか3巻に出てくる、
タルゴかも。Targoなので発音はターゴの確率が高いのではないか、
ということでターゴにしています。

追記:やっぱり2巻のタルゴと同一人物みたいです。
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ゴルの虜囚 50 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


5. 三つの月(8)

 走らなくちゃいけないわ。歩かなきゃいけないわ。そして何時間かよろよろと歩きました。
 一度休もうとして立ち止まりました。息を切らして草の上に横たわりました。目を閉じると、カサカサと音が聞こえました。顔を向けて目を開け、びっくりして見ました。つる性の巻きひげと葉のあるものでした。閉じたり割れたりした豆の鞘が、こっちに向かって動いてきました。地面からかすかに持ち上がり、あちらからこちらに動いていました。鞘の中の上の面には、二つの長い角のように曲がったとげが、しっかりと付いているのが見えました。わたしは悲鳴を上げて飛び起きると、それが突然ぶつかってきて、右足のパンツの布を引き裂きました。布を破って足を引き離しても、何度も何度もぶつかってきました。植物には根があるし、届かないところにいるのに、においか体温を感知しているかのようです。頭を後ろに傾け、頭の脇を手で押さえて悲鳴を上げました。近くで別の物音が聞こえました。思い切って見回すと、別の同じような植物があと二つありました。そして他にも。汗をかきながら、その地帯から用心して歩いて逃げました。そのうち草の開けているところに着きました。
 何時間も走り続け、歩き続けました。ついにはだんだん寒くなり、暗くなってきました。
 遠くには行けないわ。
 草の上に倒れこみました。
 暗くて、美しくて、風のある夜でした。白い雲が風に運ばれ、空を渡っていました。星を見上げました。こんなにきれいな星は見たことがありません。星が夜の暗闇に、きらきらと輝き燃えていました。
「なんてきれいな世界。なんて美しいの!」
独り言を言いました。仰向けになって星と月を見上げました。
 月は三つ。
 わたしは、眠りに落ちました。

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訳者の言い訳と解説
第5章終了です。
遂に連載50回目!読者様のおかげです^^
ありがとうございます。
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ゴルの虜囚 49 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


5. 三つの月(7)

 しばらく経っても何も起きなかったので、顔を上げました。
 銀色っぽい円盤は、半分埋まっている黒い船の裂け目の近くに着陸していました。
 黒い船は赤っぽく輝いていましたが、数分後には輝きが消えて行きました。
 銀色の船のハッチが開き、男たちが飛び出してきました。銀色の管か杖のようなものを運んでいて、多分武器です。彼らは黒い船の人たちのようにチュニックを着ていましたが、光沢のある紫っぽい素材でした。髪は剃られていました。男たちの何人かは船の周りを取り囲み、別の男たちは武器を持って中に入ってゆきました。
 それから恐ろしいことに、大きくて金色の生き物が、足は六本あって後ろの長い四本で体を支え、まっすぐな姿勢で銀色の船から出てきました。大きな目で、触覚だと思われるものがありました。その生き物は、すばやく、繊細に、上品ともいえる動きで船に向かい、四つんばいで黒い船に消えました。男たちが何人か後に続きました。
 恐らく一分以下で、その生き物と男たちが船から現れました。従者とともに銀色の船にまた入ってゆきました。ハッチが閉まると同時に、音もなく草から数百フィート上昇し、黒い船の残骸の上で動いていました。突然青っぽく光り、高熱の光で爆発が起きました。わたしは頭を下げました。頭を上げたときには、銀色の円盤はいなくなっていました。そして黒い船の残骸も。黒い船があった地面のくぼみと、その周りが数十フィートほどの地面が焦げていました。それなのにボルトもガラス片も、鉄くずも、何もかも見つけられませんでした。
 森の向こうから、また大きな動物の咆哮が聞こえました。
 わたしはもう一度背を向けて逃げました。
 前に水を飲んだ小川まで来たので、歩いて渡りました。
 何かが足首に当たり、刺さりました。叫び声を上げ水を蹴散らして渡りました。
 それからまた走りました。

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訳者の言い訳と解説
多少ネタバレになりますが、
これまで反地球シリーズを読んできた人には、
金色の生き物は神官王、頭を剃られた紫のチュニックの男たちは
神官王のムル(奴隷)とわかりますね。
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ゴルの虜囚 48 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


5. 三つの月(6)

 生き返った気持ちで、力が沸いてきたので立ち上がりました。憂鬱に見回して食べ物を探しましたが、調理用具がいくらかあるだけで、ナイフも武器として使えそうな物もありませんでした。
 それから、この船に長く居すぎたかもしれないと思いました。死体はないけど、ベッドに血のしみは見つけていました。生存者がいるなら戻ってくるかもしれません。怖くなってきました。食べ物を探し、食べることに夢中で、全て忘れていたのです。
 調理室のドアを開けると、鳥のさえずりが聞こえました。
 小さな鳥で、すずめくらいの大きさですが小さくてふくろうにちょっと似ていて、目の上にふさがありました。紫がかった色でした。こちらをいぶかしげに見ながら、折れたパイプに止まっていました。
 少しの間こちらを見てから、せわしなく羽を動かし、船から飛び去ってゆきました。
 わたしも、船から逃げ出しました。
 外はすべてが平穏に見えました。立ち止まりました。船のずっと後ろには、暗い森。草原は右側に伸び、もうちょっと左のかなたには、さっき見た黄色っぽい藪がありました。太陽の位置は変わり、影が長くなっていました。この世界の、午後だろうと判断しました。寒くはありません。この世界に季節があるなら、春に違いないと推測しました。ここの年はどれくらいの長さなんだろう。
 もっと近くを見回すと、そこに何か、恐らく朝早くに箱か何かが置かれたような、草が踏みつけられたところがいくつかありました。草の上には、あるところには女性の髪の毛の房、別のところには黒ずんだ赤茶色のしみ。
 逃げなくちゃ!
 森のほうを向きましたが、その暗闇に恐怖心が沸きました。
 突然、森のはるかかなたから澄んだ空気を貫けて、大きい動物か何かの咆哮が轟いてきました。
 森に背を向け、地平線に向かってやみくもに草原を走りました。
 それほど走らないうちに、空の向こうに、敏捷に動く銀色っぽい円盤状の物体が見えました。こちらに向かって急速に動いています。草の中に飛び込み、手で頭を覆いました。
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ゴルの虜囚 47 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


5. 三つの月(5)

 ぞっとしました。食べ物や武器を探したいと思って、船を駆け抜けました。乗組員の部屋を見つけました。ロッカーと六つの簡易ベッドと鏡がありました。ベッドは三つが壁際にあり、二枚の壁で固定された二段ベッドでした。ロッカーは壊れて開いていて、中身は空でした。ベッドの一つの脇に、血が付いているのに気がつきました。
 部屋から急いで出て、小さな調理室を見つけました。隅には小さな犬ほどの大きさの動物が、背を丸めて何かをかじっていました。突き出た口を持ち上げ、しゅうしゅうと唸り威嚇してきて、首と背中の毛を突然パチパチと音を立て逆立てました。
 わたしは悲鳴をあげました。その動物は二倍ほどの大きさになったように感じました。
 蓋がはじけ飛んだ金属の容器の上に身を乗り出し、丸まって皿を守ろうとしていなくもありませんでした。
 その動物は絹のように艶々した毛で、目は炎のようにきらめいています。まだらで黄褐色でした。口を開けまた威嚇の声を上げました。針のような歯が三列に生えていました。先に見た小さな動物と違い、足は四本だけでした。あごから角のような牙が突き出ています。きらめく邪悪な目の上に、頭から黒い角が二本隆起してきました。
 わたしは空腹で気が立っていました。戸棚を開けるとコップがいくつかあるだけでした。
 ヒステリックに悲鳴を上げて、その動物に金属のコップを投げつけました。
 動物は歯をむき出して唸り、コップが後ろの金属の壁にぶつかると、さっと走り去りました。絹のような体がわたしの足にぶつかり、調理室から走り出して行きました。毛のない巻き上がったしっぽをしていました。
 叫びながら調理室のドアを閉めました。
 戸棚も引き出しも箱も、全部開けました。食べられるものはみんな持って行かれたようでした。餓死するじゃないの!
 調理室の鋼の床に座り込み、すすり泣ました。泣いてから、蓋がはじけ飛んで中身がさらされた、醜い嫌らしい絹のような毛の動物が食べていた、平らな金属の容器のところに行きました。
 息も詰まりそうに、吐きそうになりながら食べました。
 それは肉で、厚みがありきめの粗い牛肉のような、でも牛肉ではないものでした。
 手と指で、容器からかけらまでかき集めました。足りなかったけどむさぼり食いました。肉汁最後の一滴まで、指を吸いさえしました。
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ゴルの虜囚 46 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


5. 三つの月(4)

 制御室らしきところを見つけました。椅子が二つと、椅子の前には大きな窓がありました。この部屋には、脇にたくさんのダイヤルや計器、スイッチの前に椅子がもう二脚あって、全部で椅子は四脚でした。エンジンルームは見つけられませんでした。この船を操縦するのがどんな力であるにせよ、床の板を通じて届くのでしょう。この船のエンジンも武器も、武器があるとしたらですが、制御室から操作するに違いありません。わたしが監禁された、硬いプラスチックのシリンダーが置かれていたエリアを見つけました。シリンダーは全部開けられていて、中身は空でした。
 後ろから音が聞こえたので悲鳴を上げました。
 小さな毛のある動物がちょこちょこ走りすぎて、爪で鉄の板を掻いていました。その動物には足が六本ありました。わたしはパイプのある棚に寄りかかり、息をのみました。
 でも今は怖くなりました。
 船には誰もいません。
 みんなどこにいるの?この船は壊れてるのに、体もない。もし生存者がいるなら、どこに行ったの?すぐに戻ってくるの?
 船の中心部に戻り、大きな鉄の裂け目をもう一度見ました。わたしには、単純な事故が原因ではないように思えました。裂け目は四つです。一つは船の底の方、5フィート四方くらいです。二つは左側で、一つ目より小さ目でした。わたしが船に入った裂け目が一番大きいものです。鋼の花弁のように裂けて開いていて、高さ9フィート以上、左側の巨大な深い傷は、高さわずか4インチほどに下向きに先細りして裂けていました。もちろん、船には中にも外にもおびただしい損傷がありました。穴が開いていたり、板が曲がったり、そんなふうです。たくさんの曲がった板からして、この船は衝突したかもしれないと推測しました。もう一度、大きな裂け目を見ました。この船が攻撃されたと考えられなくもないと思いました。
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ゴルの虜囚 45 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


5. 三つの月(3)

 船には動きがないようで、周りに鳥が何羽か飛び交っています。
 中に食べ物があるかもしれないわ。ゆっくりと、びくびくしながら、船に一歩一歩近づいて行きました。鳥のさえずりが聞こえました。
 遂に、船から20ヤードあたりに恐る恐る回り込みました。
 船は裂けて開いていて、鉄の板ははがれて曲がり、焦げて火ぶくれしていました。
 生き物の気配はありません。
 半分草に埋まっている船に近づいて行きました。鉄の大きな裂け目の一つから、中をのぞき込みました。縁は溶けて固まっていました。所々に鉄が溶け出して垂れていて、刷毛で塗ったペンキが重くしたたり固まったかのようでした。船の中は黒く焦げていました。あちこちにあったパイプは破裂し、パネルはばらばらに裂けて複雑な中身が露出し、中の回路は黒くなっていました。厚い、ガラスか水晶かプラスチックかのあちこちの舷窓は、割れていました。
 鉄の板の上で、裸足の足で壊れたボルトを踏んでがくっとなったけれど、息つめて船に入って行きました。
 誰もいないようです。
 船の内装はこぢんまりと整えられ、備品とチューブの間や、パイプと計器の間に小さいスペースがあるだけでした。通路は時々曲がったパイプで半分塞がっていたり、絡まったワイヤーが横から飛び出したりしていて、なんとかかき分けて進みました。
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ゴルの虜囚 44 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


5. 三つの月(2)

 周りを見回しました。
 自分から数百ヤードかそこらに、金属の砕けた塊がありました。亀裂の入った黒い金属の構造物が、半分草に埋まっていました。
 船だわ。
 わたしの足首には、もう足かせが付いてないことに気がつきました。外れていたのです。
 捕らえられた時の服のままで、皮色のパンツ、黒いベア・ミドリフのブラウスでした。サンダルは地球の林で無くしました。わたしが取り乱した動物であるかのように、的を外さず追ってきて、罠に陥れた小さな黒っぽい船から逃げていた間です。
 船から遠くに走り去るべきだと思いました。でも金属の塊の周りには、生き物の気配はしません。それに、ものすごくお腹が空いています。小川の方に這いつくばっていき、四つん這いで口に水をすくいました。
 流れの底の黄色い花だと思っていたものが、小川の冷たい表面を割り、小さい黄色の魚の群れになったので、びっくりしました。
 のどを潤しました。
 船から離れたいわ。どこかにあの男たちがいるかもしれない。
 あの黒いチュニックを着た男たちにも、カプセルの機械を扱っていた上層部らしき男たちにも、恐怖を覚えました。
 地球では、男を恐れたことはありません。わたしは男を嫌悪していたし、軽蔑していました。男ってものは気に入られたがって、とても操りやすくて、いつも言いなりで、ものすごく無意味で、弱くて、従順で。でもあの黒いチュニックの男たちにも、機械を操っていた男たちにも、わたしは恐怖を覚えました。恐怖を感じた初めての男です。最後の男になることは、ないでしょう。
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ゴルの虜囚 43 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


5. 三つの月(1)

 何が起こったのか推測するのは容易ではありません。
 どのくらい意識を失っていたのもかわかりません。
 わかっているのは、目を覚ますと草の上で顔を横にしてうつぶせになり、意識が朦朧としていることだけです。指が草の根をむしり取っていました。叫び声をあげたかったけど、身じろぎしませんでした。八月のあの日の午後と夜のできごとが脳裏をかすめました。目を閉じて、眠りに戻らなくては。目を覚ませば、自分の部屋の白いサテンシーツのベッドにいるに違いないわ。でも頬に当たるみずみずしい草が、なじみのある部屋にいるのではないことを物語っていました。
 手とひざをついて体を起こしました。
 目を細めて太陽のほうを向くと、何かが違うように感じました。手を動かし地面に立ちました。
 恐怖に胃の中のものがこみ上げてきました。
 地球ではない。わたしの知っている地球ではないと気づきました。別の世界、違う世界、わたしの知らない奇妙な世界。
 空気がすばらしく澄んできれいな気がして、こんな空気は初めてでした。草は露に濡れ鮮やかな緑。わたしはどこかの草原にいて、遠くに高い木々がうっそうと生えていました。そばに咲く小さな黄色い花を、途方にくれて見つめていました。こんな花は見たことがありません。森から遠く向こうに、黄色っぽい藪と木が見えました。木は緑ではなく、鮮やかな黄色でした。近くで小川の音が聞こえました。
 怖いわ。
小さくて紫色の鳥が頭の上を飛んだので、悲鳴を上げてしまいました。
 遠くの黄色っぽい藪の近くで、小さな黄色い動物が優雅に動いているのが見えました。遙か遠くで、良く見えません。鹿かガゼルだろうと思いました。その動物は、藪の中に消えました。
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ゴルの虜囚 42 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(12)

 奇妙な感覚はかなりのあいだ続きました。しばらくすると、何分かシリンダーの側面にひどく押しつけられました。すると突然なんの力もかかっていないようになり、シリンダーの反対側に押し流され、怖くなりました。指一本の力で、ひどく押しつけられていた側から戻ることができました。下降しているのだと思いました。しかしすぐ後に、底に金属の板の付いたサンダルを履いた、黒いチュニックの男の一人が、一歩ずつ慎重に金属の床を横切りました。そこは床だったけれど、今はわたしの左側の壁になっていて、不思議と男が壁を動いていたのでした。
 わたしは惨めに叫び声を上げました。
 今やこのカプセルの中で、絶望的に方向がわからなくなりました。
 方向感覚が全くなくなり、どっちが上か下かも、もはや方向があるのかさえもわかりません。
 男はシリンダーに引き込まれたホースが繋がっている機械のところへ行き、小さなダイヤルを回しました。
 すぐに何か違う空気が、わたしの入っているシリンダーに送られていると気づきました。
 様々なスイッチの下に、他にも同じようなダイヤルがあり、疑いなく各容器のものでした。
 男の注意を引こうとして叫びましたが、明らかに聞こえていません。それか、そんなことには関心がないのでしょう。
 今は穏やかな力がわたしをシリンダーの別の側に引っ張っていることに、漠然と気がつきました。今は天井も床も元通りになっていることにも、漠然と気がつきました。意識が完全にははっきりしない中で、男が部屋を出て行くのが見えました。
 プラスチックの容器ごしに外を見ました。硬くて、湾曲した透明な牢獄の壁に頭を押しつけました。
 裕福で、賢くて、自惚れが強くて、傲慢で、誇り高きエリノア・ブリントン。確かなことは、逃げられなかったこと。
 エリノアは囚われの身。
 エリノアは自分に何が起きたのか、拘束されていずこへ行くのか、生きる運命かも知りません。

 意識がなくなってゆきました。

゚・*:.:*・゜゚・*:.:**・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜
訳者の言い訳と解説

 第4章終了です。
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ゴルの虜囚 41 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

4. 奴隷のカプセル(11)

 めまいがし始め、息苦しくなってきました。
 男の一人が、頭の上の小さな開口部に、細い管を取り付けたので、わたしは顔を上げました。
 酸素がシリンダーに流れ込んできました。
 別の管がわたしの足下に接続されると、ほとんど聞き取れない小さな音を立てて、空気を吸い込み、息ができるようになりました。
二人の男は中央通路に立っていて、気をつけをして一人は棚の右を、もう一人は棚の左を押さえていました。突然わたしはエレベーターにいるような感覚になって、一瞬息ができなくなりました。今や上昇しているのだと悟りました。シリンダーに押しつけられる体の感覚からすると、垂直か垂直に近い形で上昇しているに違いありません。特に強い圧迫はなく、少し不快感がありました。早くて怖かったけれど、痛みはありません。モーターの音も、エンジンの音も聞こえませんでした。
 だいたい一分ほど経つと、棚を押さえていた二人の男が部屋から立ち去りました。
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ゴルの虜囚 40 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(10)

 力強い手がわたしを後ろから掴みました。黒いチュニックを着た男のうちの一人でした。彼の頬骨のところには、小さい三つのかき傷がありました。わたしは涙を流して蹴飛ばしながら、船を通るパイプと板の列の間を押しやられました。
 そしてカーブしたエリアに来て、ぞっとしました。金属の棚が密接してぎゅうぎゅうに詰められていていました。棚は上は曲がった船の金属の天井に、下は金属の床に固定されていました。列の間には狭い通路がありました。棚の中には、大きくて、透明な、硬いプラスチックでできていそうな透明なシリンダーやチューブが、床に平行する長い軸にベルトでとめられていました。その中には、わたしが見た、トラックから運ばれた女性たちが入っていました
 わたしは中央の通路の、右も左もシリンダーの棚の間に無理やり押し込まれました。
 そして、そこで押さえられました。
 空のシリンダーがわたしを受け入れるように、だいたいわたしの目の高さで右に近づいてきました。
 そこで、わたしを後ろから腕で押さえている男が立ち止まりました。
 責任者らしい服をまとった他の男が、シリンダーの端の蓋をねじって開けました。
 二つの細い注入管があり、シリンダーの両端に固定されていました。注入管は壁の機器に導き入れられていました。

*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:**・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*
訳者の言い訳と解説

 シリンダーは縦置きじゃなくて横置き。
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ゴルの虜囚 39 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(9)

「急げ!急ぐんだ!」黒いチュニックの男が叫びました。
「ランデヴーしなくてはなりませんな!どうぞこちらへ」
背の高い男が、船のほうへ招く身振りをしました。
 鈍くわたしは船のほうに体の向きを変え、背の高い男の先に立ちました。
「急ぐんだ、カジュラ」
男は穏やかに言いました。
 タラップを上り、振り向くと彼は後ろの草の上に立っていました。
「お前の時間では、今日は経緯線の6時16分に夜明けが起こる」
 太陽のふちがわたしの世界の端に昇り、色付いてゆきました。東には夜明けがありました。これが初めて見た夜明けです。一晩中徹夜したことはそう何回もありませんでした。朝日が昇るのを見たことはありません。
「さらばだ、カジュラ」
 わたしは叫び声を上げて腕をいっぱいに伸ばしました。鉄のタラップが跳ね上がり定位置に固定され、わたしを船の中に閉じ込めました。紋章の入ったドアもタラップの向こうでスライドし、定位置に固定されました。わたしはその金属の板を、泣きじゃくりながら乱暴にどんどん叩きました。
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ゴルの虜囚 38 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(8)

 そしてわたしは、元々着ていた皮色のパンツと、黒いベア・ミドリフのブラウスを身にまとい、男たちの前に立っていました。鉄の足かせ以外は。
「よく見ろ」
背の高い男が黒い船を指しながら言いました。船を見ると、表面の光が明滅し始めました。光が渦を巻くように絡み合い、目の前で光が灰色がかった青から、すじ状の白へと変化して行きました。
 東に、曙光(しょこう)が見えました。
「これは地面の光にカモフラージュする技術だ」
背の高い男が言いました。
「原始的なものだ。中のレーダー遮蔽装置はもっと高性能だが、光のカモフラージュ技術は、かなり我々の船の目撃を抑えることができるのだ。それにもちろん、普段我々は行き来は大きな船で決められた地点にしている。小さいほうの船はもっと広範囲で使われるが、通常は夜だけ、隔離された地域だけでだ。ちなみに、光カモフラージュとレーダー遮蔽が装備されている」
 男の言っていることはほとんどわかりませんでした。
「服を脱がせますか?」部下の一人が訊ねました。
「いいや」背の高い男が言いました。
 背の高い男はわたしの後ろに来て、
「船にご一緒願えますか?」
と訊ねてきました。
 わたしは動かず、彼のほうを向きました。
「急げ!夜明けまで2エーンだ」
黒いチュニックの男が大きな船の中から呼びました。
「あなた誰なの?どうするつもり?」
わたしは許しを請いました。
「好奇心は」男が言いました。「カジュラにふさわしくない」
男を凝視しました。
「それを理由にぶたれることもある」


*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:**・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*
訳者の言い訳と解説
 背の高い男の、光カモフラージュのくだりは、
わたしもわけがわかりません。
この人は英語圏の人ではないので文法も間違ってるのか、
わたしが文法を理解できてないのかもわかんない。。。
この箇所も、腕が上がったら修正ということでご容赦ください。
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ゴルの虜囚 37 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(7)

 背の高い男が黒いチュニックの男にうなずきました。黒いチュニックの男が手を上げると、小さい円盤の船がゆっくりと離れ、大きい船に向かって動きました。大きい船の荷役口が上にスライドし、小さい船が中に入って行きました。中で黒いチュニックを着た男たちが、金属の床の板に小さい船を固定しているのが、一瞬見えました。荷役口がまた滑るように閉まりました。残りの箱は、今やトラックに戻されていました。空き地のあたりをそこかしこに男たちが動き回り、荷物をまとめてトラックに積んでいます。
 わたしは腕は動かせませんでしたが、かろうじて指は動くようになりました。
「でもあなたの船は、小さい船はわたしを見つけられなかったみたいじゃない」
「見つけたさ」
男が言いました。
「あの光は、わたしを捉えなかったわ」
わたしが言うと、
「お前はただ運悪く、単なる偶然でこの駐留地に陥ったと思っているのか?」
男が訊ねました。
 わたしが惨めにうなずくと、男が笑いました。
こわごわと男を見ると、
「あの光は・・・・・・、お前はずっとあの光を避けて走っただろう」
わたしは歯噛みしました。
「お前はここに誘導されたのだ」
わたしは惨めで叫び声をあげました。
 男は部下に向き直り、
「ミス・ブリントンの足かせは持ってきたか?」
 部下が彼に足かせを手渡しました。金属で、ちょうつがいの留め金が開いていました。
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ゴルの虜囚 36 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(6)

「離して!お願いよ!お願いだから!」わたしは叫びました。
「時間がないぞ!早くしろ!」
黒いチュニックの男が急き立てました。
「ハンドバッグを持って来い」
背の高い男が穏やかに言いました。わたしが逃げようとしたときに落としたところから、ハンドバッグが持って来られました。
 背の高い男がわたしを見て、訊ねました。
「お前がどうやって後をつけられたのか、気になるんじゃないか?」
 わたしは痺れながらもうなずきました。
 男はハンドバッグから、あるものを取り出しました。
「これはなんだ?」
「わたしのコンパクトよ」
 男は微笑み、コンパクトをひっくり返して底をねじ開けると、中には信管の付いたちっちゃな筒がありました。それは細かい銅色の線に覆われた、丸い板状でした。
「この装置は、百マイル離れていても我々がキャッチできる信号を送るのだ。同じような装置が車の下にも隠されている」
 わたしはうめきました。
「あと6エーンで夜明けだ」
チュニックの男が言いました。
東に明かりが見えましたが、彼が言っていることはわかりませんでした。
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ゴルの虜囚 35 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(5)

 わたしを追ってきた小さいほうの黒っぽい円盤から、男が一人近づいてきました。
「時間がないぞ」
 背の高い男はうなずきましたが、慌てた様子も急ぐ様子もありません。
 注意深くわたしを見て、
「まっすぐ立て」と急かすふうでもなく言いました。
 わたしはまっすぐ立とうとしましたが、腕は衝撃で麻痺したままで、指も動かせません。
 背の高い男は、枝で打って切れて血の出ているわたしのおなかに触ってから、頭のほうに手を上げて、切れた頬を見て言いました。
「我々には喜ばしくないな」
わたしは何も言いませんでした。
「膏薬を持って来い」
男が言いました。わたしはまた何も言いませんでした。
 軟膏が持ってこられ、二つの傷に男が軟膏を塗りました。匂いはしません。驚いたことに、たちまちに吸収されたようでした。
「もっと気をつけたまえ」
わたしはやはり、何も言いませんでした。
「自分でしるしか、焼印を付けたかもしれないんだぞ」
男は軟膏を他の男に返してから、わたしに言いました。
「かすり傷だ。傷跡は残らず治るだろう」
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ゴルの虜囚 34 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(4)

 わたしは悲鳴を上げ、体の向きを変えて走ろうとしました。男がわたしを掴んだので、ハンドバッグから肉切り包丁をもぎ取り、荒々しく切り付けました。男は痛みに悲鳴を上げ、切れて血の出た袖を押さえました。わたしはよろめいたけれど、走ろうとして立ち上がりました。しかし男たちがわたしの周りを取り囲んでいます。包丁を振り上げて狂ったように攻撃しました。すると、手も手首も腕もすべてが、信じられないくらい麻痺する何かの衝撃を感じ、包丁が手から落ちました。腕が痛んでゆっくりと下がりました。指を動かすこともできません。痛みにうめき声を上げました。一人が包丁を拾い、別の男がわたしの腕を取り、背の高い男の前に突き出しました。わたしはうずくまって背の高い男を見上げ、涙を浮かべてすすり泣いていました。
 背の高い男は、小さな道具をジャケットのポケットに戻しました。小さな懐中電灯に似ていて、その光線がわたしを打ったのですが、見えませんでした。
「痛みはすぐ治まる」
背の高い男がわたしに告げました。
「お願い、助けて」と頼みました。
「お前はとびきりの上玉だ」
男は言いました。わたしは痺れながら男を見ていました。
 わたしが包丁で切りつけた男は、自分の腕を押さえながら背の高い男の後ろでニヤニヤ笑っていました。
「腕の手当てをしておけ」
背の高い男が言うと、もう一人がまたにやりと笑ってから、向きを変えてトラックのほうに行きました。
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ゴルの虜囚 33 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(3)

 他の男たちが、ハッチの開いた大きい船の近くに停めたトラックから、若干大きめの四角い箱を、丁寧にでもなく運び始めました。
 わたしは半開きになったハンドバッグを、右手に掴んでいました。吐きそうだわ。
 背の高い男がわたしの左手を取り、腕時計を外しました。
「これはおまえには必要なくなる」
そう言って、別の男に腕時計を手渡しました。
 5時42分。
 男たちがトラックの荷物を降ろし、船の開いたハッチの近くに置いた大きな木箱の脇の留め金を外し始めました。
 恐怖に引きつってその光景を見ました。
 それぞれの箱は、紐と留め金で厳重に締められていて、中に輪が付いていて、女性が一人ずつ入っていました。それぞれが服を脱がされ、それぞれが意識を失い、それぞれがさるぐつわをされ、それぞれが首輪をされていました。
 男たちは女性のさるぐつわと首輪を外して解放してから、鉄の足かせらしきものに左足をつないでいました。
 そして意識のないまま、船の中に運ばれていました。
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ゴルの虜囚 32 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(2)

「あんたたち誰なの?何なのこれは?」
わたしが囁くと、
「離してやれ」
黒いチュニックの男が言い、わたしを掴んでいる男が手を離しました。
わたしは男たちの間に立っていました。
今度は空き地のもう一方に、トラックがあるのが見えました。
いろんな大きさの箱がトラックから運び出され、船に積み込まれていました。
「首輪は気に入ったか?」
黒いチュニックの男が愉快そうに尋ねてきたので、思わず手を自分の首にやってしまいました。
 男はわたしの後ろに踏み出し、黒いベア・ミドリフのブラウスの上のボタンを引きちぎりました。小さな鍵が、厳重に掛けられた小さな鍵穴に差し込まれるのがわかり、首輪がぱちんと外れました。
「間違いなく、別のをされるがな」
男が言い、首輪の鍵を外した男に首輪を手渡しました。
 男はわたしをじっと見ていました。
 わたしはまだハンドバッグを掴んでいました。
「離して」わたしは囁きました。「お金ならあるわ。ほら。ジュエリーも。もっとあるわ。あなたにあげる。だからお願い」
 ハンドバッグの中を手探りし、紙幣とジュエリーを男の手に押し込みました。
 男は紙幣とジュエリーを他の男に手渡しました。男が望んでいるのは、お金でもジュエリーもありませんでした。
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ゴルの虜囚 31 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


4. 奴隷のカプセル(1)

 わたしを掴んでいる男が、立っていた場所から空き地の一方に導きました。別の男が一緒に来て、残りの男たちもそうしました。
 黄色い光がぱっと消えて、黒っぽい円形のものが空き地の草の上に、静かに着陸しました。
 まだ暗いけれど、朝までもうすぐのはずです。
 光の一つに照らされた。円盤の上部のハッチが開き、男が一人這い出てきました。その男は黒いチュニックを着ていました。空き地にいる他の男たちは、ありきたりの服装をしていました。遠くにあった光が、徐々に明度を増してゆきました。
 わたしは息をのみました。
 空き地の中央に大きくて黒っぽい姿のものがありました。デザインや外見は小さい方と特に違わないけれど、もっと大きいものです。直径が三十フィート、厚さは七・八フィートくらいだと思います。草の上に停まっていました。黒い金属でできていて、さまざまな舷窓と、ハッチの切れ目があります。わたしに面している側の、大きなドアが開きました。地面に届く道のようになり、船に荷物を積めるようにするタラップのようでした。
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ゴルの虜囚 30 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(21)

 自分がハンドバッグを握りしめていることに気づきました。車から走り出たときから、とにかく本能的に掴んでいたのです。ハンドバッグの中には、家を出る前に投げ込んだ、お金とジュエリーと肉切り包丁が入っています。体の向きを変え、暗い木々の間をがむしゃらに走りました。サンダルは脱げ、足は傷ついて切れ、ブラウスが破けました。枝が服と髪に引っかかり、鞭のようにおなかを打ち、痛くて悲鳴を上げました。別の枝が刺さり、頬がヒリヒリしました。逃げている間いつも近くを光が照らしたていたけれど、わたしを捕らえてはいません。光から逃走しても、藪と木をばらばらに引き裂いて押し込んできます。何度も照明の淵がわたしの上を照らしそうになりましたが、素通りしたり、わたしがかわしてはまた走りました。木々の間をつまずきながら、足からは血が流れ、息も絶え絶えでした。手は右手にハンドバッグを握り締めて、藪や枝をかき分けるとわたしの体に傷が付いていきました。もう走れないわ。木の根元に崩れ落ち、息もできずに体中の筋肉が悲鳴を上げました。足ががくがく震え、心臓がどきどきしていました。
 光がまたわたしのほうを向きました。
 なんとか這い上がり、光の前をが必死に走りました。
 すると林と藪の向こうのわたしの十五ヤードほど前方に、いくつか小さな光が差していて、空き地か何かのようになっていました。
 わたしは光の方に向かって走りました。
 空き地の中に激しくのめりました。
「こんばんは、ミス・ブリントン」という声がしました。
 わたしは立ち止まり、呆然としました。
 それと同時に、男の手が後ろから近づくのを感じました。
 弱々しく逃げようとしましたが、できませんでした。
 地面から照り返す黄色い光にさらされ、目を閉じました。
「ここがP地点だ」
その男が言い、その時、彼の声を思い出しました。午後にわたしの家にいた背が高い方の男の声です。彼はもうマスクはつけていませんでした。黒い髪、黒い目で、整った目鼻立ちでした。
「お前はずいぶん煩わせてくれたな」
そして男は別の男に向き直りました。
「ミス・ブリントンに足かせを持ってこい」


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訳者の言い訳と解説

 やっと第3章が終了です。ふぅ。
でも緊迫のシーンはまだまだ続きます。
頑張れエリノアたん!
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ゴルの虜囚 29 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(20)

 マセラティが大きな石にぶつかり、エンジンが止まってしまいました。荒々しく、もう一度かけようとしましたが、惨めな音がして、そしてもう一度音がしました。イグニッションキーはただ無意味に、何度もカチッと音を立てるだけ。突然黄色い光に覆われたので、叫び声を上げました。それがわたしの上に停止していました。車を捨て、暗闇の中に逃げ出しました。
 光が辺りを動きましたが、わたしを捕らえてはいません。
 わたしは林に到達しました。驚いたことに、林の中から、円盤の形をした物がマセラティの上に浮いているのが見えました。
 青みを帯びた光のようなものが、刻々とその姿態から放たれました。
 マセラティがその青っぽい光の中で小刻みに震えると、恐ろしくも、マセラティが消えてしまいました。
 わたしは木に背をもたれて立ち、手を口に当てていました。
 青っぽい光が消え、再び黄色い光に切り替えられました。
 その形のものはこちらに向きを変え、ゆっくりとわたしの方に動いてきました。
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ゴルの虜囚 28 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(19)

 ふと衝動的に、ハイウェーから通じている、何十もの小さな脇道のうちの一つに曲がって降りました。
 この道を選ぶなんて知りようがないはずです。
 追っ手は見あたりません。
 息をするのが楽になってきました。
 アクセルを踏み込む足を緩めました。
 バックミラーをちらっと見てから、振り向きました。車は一台もいないようでしたが、紛れもなく後ろには何かがあります。
 瞬間に唾も飲み込めなくなり、口の乾きを感じました。
 五、六百ヤードほど後ろに、それが妙にゆっくりと動いていました。ライトが一つ付いているようでした。そしてそのライトは、下にある道路を照らしているようで、黄色い明かりの池が進行方向に動いていました。それが近づいてきたので、悲鳴を上げました。それは音もなく動いていて、モーターの音も走る音もしません。円形で、黒くて、丸底で、小さくて、たぶん直径は七、八フィート、厚さは五フィートくらいでした。それは道路の上を動いているのではなく、道路の上空を動いていました。
 マセラティのライトを消してスピードを上げ、遠くの林地に向かって走りました。
 その物体は道のわたしが曲がったところに来て一時停止し、恐ろしいことにゆっくりと徐々にわたしの行った方向に回転しました。黄色いライトの輪で、タイヤの跡の付いた野原の草が見えました。
 ヒステリックに野原を横切り、ジグザグに進んだり曲がったりしながらアクセルを踏みました。行き止まりになってしまう、道が無くなってしまう。
 その物体はずっと、滑らかに急ぐ様子もなく、黄色い光で下を照らしてもっと近づいてきました。


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訳者の言い訳と解説

 遂に空飛ぶ円盤が現れました。
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ゴルの虜囚 27 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(18)

 窓から這い出ました。小さなスーツケースはバンガローに置いてきましたが、ハンドバッグは大事なので持ってきました。15,000ドルとジュエリーが入っています。一番大事なのは、車の鍵です。
 急いで車に乗り込みました。誰にも邪魔されないうちにエンジンをかけ、ギアを入れて加速しなければなりません。エンジンはもう暖まっているから、すぐに発車できるはずです。
 うなりを上げほとばしり、マセラティにぱっと命が灯り、石を蹴散らし後輪から土煙をあげて、バンガローの角を飛ばして走りました。
 ハイウェーの入り口で急ブレーキを踏んでから、舗装された道の分かれ目を急発進すると、タイヤの音が響き、タイヤの焼けた匂いがしました。ハイウェーを、轟音を立てて進みました。何も見えません。車のライトを点けました。何台か近づいては通り越して行きました。
 後ろには何もないようでした。
 わたしの身が安全だとは信じられないけど、追っ手はいません。
 片手で黒いベア・ミドリフのブラウスのボタンを手探りし、ボタンをかけました。それからハンドバッグから腕時計を探しだし、腕にはめました。
4時51分。
まだ暗いけれど、八月だからすぐに明るくなるでしょう。
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ゴルの虜囚 26 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(17)

 バンガローのドアは開けられていました。わたしは鍵を閉めていたのに。でも鍵は開けられ、スライド錠まで抜かれていました。ドアに駆けて行きまた鍵を閉め、体で支え、すすり泣き始めました。
 ヒステリックに服のところに走って、服を着ました。
 時間があるかもしれない。あいつらはもう立ち去ったかもしれない。あいつらがすぐそこで待っているかもしれない。わからない。
 車のキーを探してハンドバッグの中を手探りしました。
 ドアへ走りました。
 でも怖くなり、ドアをさわるのが心配になりました。すぐそこで待っているかもしれないわ。
 バンガローの奥に移動して明かりを消し、恐怖に打ち震えて闇の中で立っていました。バンガローの後ろの窓のカーテンを引き寄せると、窓の鍵はかかっていました。鍵をはずし、安心したことに、音を立てずに窓は上に開きました。周囲を眺めると、誰も見えるところにはいません。今だわ。あいつらはバンガローの前にいるのかもしれないし、いないのかもしれない。朝まで鏡のしるしを見ないと思ってるんだわ。いえ、そうじゃない。前にいるんだわ。
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ゴルの虜囚 25 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(16)

 シャワールームに入り、そのうちに歌っていました。
 髪にタオルを巻いて乾かすと、疲れていたけれど生き返り、とてもハッピーな気持ちでお風呂からあがりました。
 ベッドのシーツを折り返しました。
 わたしは無事よ。
 シャワーの支度をしたときに、ハンドバッグに滑り込ませた腕時計を出して見ました。
4時45分。
腕時計をハンドバッグに戻し、照明の小さな鎖を引こうとして手を伸ばしました。
 その時見えたのです。部屋の向こうの鏡が。鏡の足下に、キャップが開いたわたしの口紅が転がっていました。シャワーを浴びている間にハンドバッグから取り出されたのです。鏡の表面には口紅で書かれた、またあのしるし。同じしるし。流れるようで優美な、わたしの太ももについているしるし。
 電話を掴むと、通じていません。


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訳者の言い訳と解説

 シーツを折り返すところは、ベッドに敷くのと、
上にかけるの2枚組で使うので、上のをめくったってことです。
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ゴルの虜囚 24 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(15)

 いらいらして首の金属の輪を調べました。輪に刻まれた文字はもちろん読めません。文字なのかさえ判別できないし、単に流れるような模様かもしれません。でも 間隔の取り方や造形が、そうではないと物語っています。錠は小さいけれど、頑丈で、輪はぴったりとフィットしていました。
 鏡を見ていると、ある考えが頭をよぎりました。これもあのしるしみたいに、魅力的じゃないこともないわ。わたしのしなやかさをいちだんと引き立てています。でも取り外すこと はできませんでした。刹那的に、誰かの虜囚として、持ち物として所有されているのではないかと、救いようのない気持ちになりました。一瞬の空想が胸をかすめました。こんな首輪をはめられ、こんなしるしをつけられ、裸で異邦の男の腕の中にいる。体が震えました。こんな気持ちになったことはありません。
 鏡から目をそらしました。
 明日この金属の輪を外してもらおう。
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ゴルの虜囚 23 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(14)

 すぐにマセラティを裏に駐車していたバンガローを一晩借りました。
 荷物をバンガローに入れ、ドアの鍵を閉めました。疲れていたけれど、心の中で歌いました。自分がどんなにうまくやったかが、すごく嬉しくて。ベッドに入りたい誘惑に駆られましたが、汗をかいて汚れていたし、元々シャワーを浴びずに寝るなんて許せない気質でした。それに、洗い流したかったから。
 バスルームで、太もものしるしを確かめました。ものすごく頭に来ました。でも激怒しつつも、この流れるような、優美な尊大な物に自分が救いがたく囚われていると思いました。拳を握りしめました。傲慢が、わたしの体に刻まれています。この、傲慢さ!傲慢がわたしにしるしをつけたんだわ。それなのに、美しい。鏡で自分を見て、しるしをじっと見ました。多分そうだわ。このしるしはどういうわけか、尊大に、望もうが望むまいが、わたしの美しさを信じられないほど高めています。すごく腹が立ちました。
 そしてなぜか、男性の感触を知りたがっている自分にも気づきました。今まで男性を欲したことなどありません。腹を立ててこの考えを払いのけました。わたしはエリノア・ブリントンよ!
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ゴルの虜囚 22 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(13)

 朝の4時10分頃。
 道路から奥まったところにある、バンガローの並ぶ小さなモーテルに入りました。道路から見えない、バンガローの一つの後ろに車を止めました。わたしがここで止まるのは、誰にも予測できないことです。バンガローの近くのハイウェーの北に、レストランがあって、開いていました。お客さんはほとんど居ません。レストランの赤いネオンライトが暑く暗い夜に、ぼんやり灯っていました。一日中何も食べていないので、腹ぺこです。レストランに入り、道路から見えない仕切り席に腰を下ろしました。
「カウンターにどうぞ」
店に一人だけのボーイが言いました。
「メニューちょうだい」
味気ないパンのコールド・ローストビーフのサンドウィッチ二つと、午後から残っていたパイ一切れを食べ、小さい紙コップ入りのココアを飲みました。
 こんな時でなければ胸焼けしたでしょうが、今夜は力がわいてきました。


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訳者の言い訳と解説
朝の4時10分"頃"
イギリス人にこう言うと、
10分までわかってるんだからaboutじゃないじゃんw
とかつっこまれます。
アメリカ人はこういう言い方するんですね。知りませんでした。
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ゴルの虜囚 21 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(12)

 45分以上は、リードを延ばしたり縮められたりしながら、追っ手より先を疾走しました。一度、相手が40ヤード以内に居たとき、側道の砂利道に振り切って煽り、リードを1ヤードずつ伸ばしました。
 やつらの追跡にゾクゾクしました。かわしてやるわ!
 遂にひどく曲がりくねった道で200ヤード以上引き離し、ヘッドライトを消して林の中に入りました。この道路からの脇道がたくさんあり、曲がり道もたくさんあります。あいつらは当然わたしがどれかの道を行ったと思うでしょう。
 ライトを消したマセラティの中で、心臓をドキドキさせて座っていました。
 ほんの数秒のうちに尾行してきていた車は疾走して通りすぎ、カーブに滑り込んで行きました。
 30秒くらい待ってから、道に戻りました。数分間はライトを消して走り、道路の黄色いセンターラインを月明かりで追いました。もっと交通量の多い舗装されたハイウェーまで来てから、十分に車も走っていたのでライトを点けひたすら走り続けました。
 わたしはあいつらより一枚上手よ。
 ほぼ北の方に進み続けました。あの人たちはわたしが来た道を、南の方に帰ったと考えるはずだと思いました。同じ方向への旅路を続けているとは、想定してないでしょう。わたしがこんなに聡明だとは思ってないんだわ。でもわたしはあいつらよりずっと知性があって、緻密にやってのけるのよ!
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ゴルの虜囚 20 【CAPTIVE OF GOR】

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ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(11)

 暑い夜だったけれど、勢いよく流れてゆく空気に髪がなびき、生き返った気持ちになりました。
 うまくやったわ。
 脱出したのよ!
 警察官の前を通ったので、止まるつもりでいました。助けてくれるかもしれない。守ってくれるかもしれないわ。
 でもどうかしら?あいつらは警察の制服を着ていたもの。あの警察官はわたしのことを精神異常で頭がおかしいと思って、この街に拘留するかもしれないわ。あいつらがいて待ち構えてるかもしれないじゃない。何者かも知らないし、目的もはっきりわからないのよ。あいつらはどこにいてもおかしくないわ。今は逃げなくちゃ。あいつらから、逃げるの!
 外の空気を吸うと元気がわいてきました。脱出したわ!車の流れを遠慮なくさっと縫うように走ったので、他の車はしばしば急ブレーキをかけねばならず、クラクションを鳴らしました。わたしは頭を後ろに傾けて笑いました。
 すぐに街を出て、ジョージ・ワシントン橋を渡り高速道路を北に向かいました。数分でコネティカットに入りました。
 運転しながら腕時計を滑らせました。
 その時、午前1時46分。
 心の中で歌を歌いました。
 わたしはまたエリノア・ブリントンに戻ったのよ。
 この高速道路をたどらず、交通量の少ない道を行った方が良いかもしれないと思いつきました。
 高速道路を降りたのが、午前2時7分。
 車が一台後に続いてきていました。気にしていませんでしたが、四回ほど迂回してもまだついてきます。
 不意に怖くなってきて、スピードを上げました。その車もスピードを上げました。
 苦悶の叫び声をあげました。わたしはもうエリノア・ブリントンじゃないんだわ。常に自制心があったわたし、お金持ちだったわたし、洗練されたわたし、あれほど極上の品と知性があったわたし。今はただのおびえた小娘に過ぎないんだわ。身に覚えのないことで逃げてる、うろたえて混乱した小娘。太ももに印が、首に鍵のかかった金属の輪がぴったりと付いてるんだわ。
 違う。心の中で叫びました。違うわ。わたしはエリノア・ブリントンのはずよ!わたしがエリノア・ブリントンよ!
 ふと、わたしは冷静に、速く、効率的に、鮮やかに運転し始めました。あの人たちが追ってくる気なら、もうやってるはずだわ。このちょろいゲームで、エリノア・ブリントンを見つけてないんだわ!あの人たちが何だか知らないけど、エリノアはもっと強敵ってことよ。このエリノア・ブリントンだもの。リッチですばらしいエリノア・ブリントンなんだから!


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訳者の言い訳と解説

 おかげさまで連載20回目となりました。
こんなつたない翻訳でも読んでくれてるみんな、ありがとう!

 さて、今回はエリノアが自分をお金持ちとか洗練されてるとか言っているところは、
one, she, herが使われています。
本来は、客観的評価をしているように翻訳すべき箇所だと思います。
日本人には自分を客観的に見る気質がないため表現がなじまないのと、
わたしがわたしと表現したほうが、エリノアの自惚れっぷりが出るかな、
などと言って記念すべき20回目のお茶を濁したいと思います。
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ゴルの虜囚 19 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(10)

 アパートの駐車場に入りました。
 ハンドバッグから車のキーを見つけて、大急ぎで、にこやかに係員に渡しました。
「どうかしたんですか、ブリントンさん?」
「ううん、なんでもないの」
それでもわたしを見ているようでした。
「急いでちょうだい!」
係員に頼みました。
彼はさっと帽子に手をやり、むこうに行きました。
待っている時間は何年もに感じて、心臓の鼓動を数えていました。
完璧にチューンナップされたエンジンの音が小さく聞こえ、特注のマセラティがカーブをさっと曲がってきて、係員が降りてきました。
 紙幣を握らせました。
「ありがとうございます」
 係員はうやうやしくも、気遣わしげにしていました。彼は帽子に手をやり、ドアを開けてくれました。
 わたしは顔を赤らめて、スーツケースとハンドバッグを車の中に投げ込み、係員を退けました。
 運転席に座ると、係員がドアを閉めてくれました。
 彼はこちらにかがみこんで、
「大丈夫ですか?ブリントンさん」
と訊ねてきました。
「ええ!大丈夫!」
車のギアを入れて発進するとタイヤの甲高い音だけがして、十フィートほど横滑りしました。
係員はスイッチで駐車場のシャッターを上げてくれ、わたしは道路に走り出しました。熱い八月の夜の中へ。


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訳者の言い訳と解説

 チップは"I thrust a bill in his hand."なので1ドル札だと思います。
1ドル札って訳すのとどっちが良いんだろう。
 → makoさんのご意見を参考に紙幣にしました~。


Photobucket
マセラティ1972年型(CAPTIVE OF GORの発行年)ってこんな車。
これをカスタマイズしたんだね。
色の記述はあったっけ?
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ゴルの虜囚 18 【CAPTIVE OF GOR】

 → 読む前の注意
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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(9)

 パイプをくわえた男が、新聞の上からこちらを見上げました。あいつらの一味?心臓が止まりそうでした。男は新聞に目を戻しました。アパートの駐車場には、ロビーを通らずに行こう。通りから駐車場に入ろう。
 わたしが出て行くのにあわせ、ドアマンが自分の帽子に手をやったので、微笑を返しました。
 外の道路に出ると、どんなに暑い夜か実感しました。
 ふとブラウスの襟に手を触れると、下から金属の輪の感触がしました。
 男が通りすがりにこちらを見ました。
 知ってるの?わたしの首に金属の輪が付いているって、わかったの?
 バカバカしい。身震いして首をふりました。
 頭を後ろに傾け、アパートの駐車場の入り口に向かう道路の歩道を、大急ぎで下って行きました。
 暑い夜でした。とても、暑い。
 男がわたしが歩いて行くのをじろじろと見るので、急いで通り過ぎました。
 数フィート行って振り返ると、まだ見ていました。
 追い払おうとして、冷たく蔑んだように一瞥をくれてやりました。
 でも男は目をそらさなくて、怖くなりました。わたしは顔を背けて急いで立ち去りました。なんで追い払えなかったの?なんであの男は目をそらさないの?なんで顔を背けないの?なんで恥ずかしそうな顔して、ばつが悪そうに、急いで顔をあっちに向けないわけ?あの男はそうしなかったわ。ずっとわたしを見てたわ。太ももにしるしがあるって知ってるの?感づいたの?あのしるしが、今までのわたしと何か微妙に違う人間にしてしまったの?あのしるしが、この世界の女とわたしを隔ててしまったの?わたしはもう男を追い払うことができないの?男を追い払うことができないって、どういうこと?この小さいしるしがわたしをどうしたの?突然自分が無力に感じて、なんだか突然、生まれて初めて自分は傷つきやすい、本質的には女なんだって感じました。よろめいて歩きました。


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訳者の言い訳と解説

最後、「よろめいて歩きました。」
I stumbled on.
実際につまづくことと、人生でのつまづきをかけている、
と思うのだが、うまく訳せないので保留。
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ゴルの虜囚 17 【CAPTIVE OF GOR】

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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(8)

 割れたドアを見ると、怖くなりました。
 壁掛け時計は、0時40分。
 玄関を通って行くのが不安になりました。包丁のことを思い出し、寝室に駆け戻って包丁を掴んでハンドバッグに押し込みました。びくびくしてパティオのテラスに走っていくと、部屋を出るのに使ったシーツで作ったロープは取り外されていました。また寝室に走って行くと、シーツはほどかれて洗濯物のように一箇所にまとめてありました。鏡を見て、立ち止まり、首の金属の輪を隠すため、黒いブラウスの襟のボタンを上まで閉めました。鏡に口紅で描かれたしるしがまた見えました。ハンドバッグと小さなスーツケースを掴み、壊れたドアを通って逃げました。ドアの外のホールにある、小さな専用エレベーターの前で立ち止まりました。
 腕時計を取りに家の中に駆け戻りました。
 真夜中の、0時42分。
バッグから出した鍵で、エレベーターの鍵を開け、共用エレベーターの並ぶ下のホールに降りて行きました。下行きのボタンを全部押しました。
エレベーターの上の階数の表示板を見ると、二基昇って来ていて、一基は七階に、もう一基は九階にいました。
この二基は呼べなかったはずなのに!
唸り声をあげました。
振り返って階段のほうに走り、階段の一番上で止まりました。鉄で補強されただだっ広い階段の上にいると、ずっと下から男が二人登ってくる音が、通路にうつろに響いてきました。
 エレベーターに戻りました。
 一基がわたしのいる二十四階に止まりました。壁に背中を押し付けて立っていました。
 男がひとりと、その妻が歩み出てきたので、息をのんでやり過ごしました。二人は怪訝そうにこちらをみていましたが、メインフロアへのボタンを押しました。
 エレベーターのドアがゆっくりと閉じると、隣のエレベーターのドアが開く音が聞こえました。ドアの隙間から、警察の制服を着た二人の男の背中が見えました。
 のろのろと、のろのろと、エレベーターは下降していきました。エレベーターが四階で止まりました。奥に立っていると、カップルが三組とアタッシュケースを持った男が一人乗ってきました。メインフロアに着くとわたしはエレベーターを逃げるように降りましたが、すぐに自制心を取り戻し、自分を確認し辺りを見回しました。ロビーには何人か座っていて、何か読んだり人を待ったりしていました。何気なくわたしを見た人も何人かいました。
 暑い夜でした。

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訳者の言い訳と解説

 ちょっとわかりにくい・・・よね。我ながらそう思う。
いずれ修正すると思います(;´Д`)
言い回しも気に入らないし。

エリノアの部屋はペントハウスなので、自分専用エレベーターで一旦24階に降りて、
共用エレベーターに乗り換えるみたいなんだな。

 エレベーターの階数の表示板って、インジケーターって言うんですけど、
原文では"dials"。
「T4 STYLES」様の「アンティークなエレベjavascript:void(0)ーター・・・」の写真にあるようなのなんだと思う。
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ゴルの虜囚 16 【CAPTIVE OF GOR】

 → 読む前の注意
 → 目次

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

3. 絹の紐(7)

 ベッドから飛び起きて、化粧台に走ると、気持ちが沈みました。もう0時30分じゃない!
心臓がどきどきします。
顔からさるぐつわをずり降ろし、口の中から大きなすっぱい詰め物の塊を取り出しました。すると突然具合が悪くなり、手足をついて崩れ落ち、じゅうたんの上に吐いてしまいました。頭を振ってから、首の周りに下ろしたさるぐつわを包丁で切りました。
 もう一度頭を振りました。
 真夜中の、0時35分。
 衣裳部屋に駆け込み、最初に触った服を掴みました。皮色のベルボトムのパンツと、黒いボタン止めのベア・ミドリフのブラウス。
 服を抱え、肩で息をしました。部屋の向こうを見ると、心臓が止まりそうでした。街の明かりでほの暗い部屋に映る影に、女が一人いました。裸で、何かを前に抱えていて、首の周りには金属の輪が付いていて、太ももには、しるし。
「イヤ!」
わたしたちは、一緒に叫びました。
 息も絶え絶えで、めまいがしました。気持ちが悪いわ。部屋の向こうの姿身に映る自分に背を向けました。
 パンツをはき、ブラウスをすばやく着て、サンダルを見つけました。
 真夜中の、0時37分。
 また衣裳部屋に戻り、小さなスーツケースを引っ張り出しました。三連チェストの足元に投げ出し、服を突っ込みバタンとスーツケースを締めました。
 ハンドバッグを掴み上げ、スーツケースを持ってリヴィングに走りました。小さな油絵の向きをぐるりと変え、壁に埋め込まれた金庫のダイヤルを手探りしました。わたしはいつも15,000ドルほどと、ジュエリーを備えておいていました。開口部でお金とジュエリーをかき集め、ハンドバッグに突っ込みました。


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訳者の言い訳と解説

・ベルボトムってところに時代を感じますね。
"CAPTIVE OF GOR"が発行されたのは1972年。
60年代中期にパリコレで発表、70年代後半まで流行ったそうです。

・ベア・ミドリフって、横隔膜までの丈の服です。
ミドリフ丈って言うと、下着を思い出しちゃうんだけど、
日本語では何て言うんだろ?やっぱりミドリフ?

・壁に埋め込まれた金庫って、つまりは「壁金庫」なんですけれど、
わたしは壁金庫ってピンとこなかったので、壁に埋め込まれた金庫にしちゃいました。
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