2009/08/08

占星術殺人事件 島田荘司

内容(「BOOK」データベースより)
怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そして1カ月後には、6人の若い女性が行方不明のあげくバラバラ死体となって…。奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。

  御手洗潔(みたらいきよし)シリーズ第1弾。
作者がトリックに自信を持ちすぎたためか、
それ以外のところが若干おろそかになっているんですが、
御手洗潔のパーソナリティと斬新なトリックがすばらしい。

  『金田一少年の事件簿』「異人館村殺人事件」でトリックを使われ、
島荘がめっさ怒ったというエピソードがあります。
御手洗潔シリーズはドラマ化・映画化の話が何回か持ち込まれていますが、
占星術殺人事件は映像化を作者が拒否しているので、
そうとう頭に来たみたいですね。

  御手洗潔は変人タイプの探偵役。
雄たけびを上げたりズールー族の踊りを踊ったり、奇行が目立ちます。
占星術師で(後に探偵→北欧の大学教授)、
京都大学医学部中退後、ジュリアード音楽院に留学したらしい。
医学は一通り知識があり、ギターの腕前はプロ顔負け、
気象学や歴史にも造詣が深く、英語もドイツ語もネイティブ並み、
頭の良さという面では、もはやオールマイティすぎてわけがわかりません。

  本来、島田荘司のようなトリックがアクロバッティックすぎる作家は好まないのですが、
御手洗の個性が好きで読んでしまいます。
不自然だけどエンターテインメントとしておもしろいから好き。
ちなみに、御手洗シリーズは発行順に読んでいったほうがおもしろいです。
むしろ発行順に読まないとなんだかわからない話とかあります。
 
占星術殺人事件 (講談社文庫)
島田 荘司
講談社
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