2011/04/24

ゴルの虜囚 111 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 9. 小屋(1) 森に入るのは恐ろしかったが、選択の余地はなかった。 縛られた奴隷を操るのに、窒息の革ひもは最適の道具だ。絶対について行くしかない。少しでも抵抗すると首が絞まるのだ。 女たちは一列になり、森のはずれの藪や低木を抜け、すばやく進んだ。葉や小枝を踏む感触がした。止まるのは、枝をわきに持ち上げてよけたり、彼女たちが隠しておいた小さい槍や弓と矢を拾い上げる間だけ。どの女も、鞘に納めたスリーン・ナイフを腰に下げている。 背が高くブロンドの髪で、艶やかに美しいヴェルナは隊を率い、弓と箙(えびら・矢を入れて背負う武具)を背負い、槍を手に持っている。時折立ち止まり、様子を確かめるように耳を澄ましたり、顔を上げたりしては、再び進み始めた。わたしは縛られてたし、肌を保護するものを身につけていなかったから、打ち付ける木の枝から体を守れなかった。もし痛くて立ち止まったり、ぶつかってつまづいたりすれば、無情な窒息の革ひもはわたしの咽を締め付け、また前へと駆り立てる。...
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ラッシュライフ  伊坂幸太郎

今まで読んだ伊坂作品の中で、一番面白かったと思いました。 『ゴールデンスランバー』も良かったけど、ごはん粒を散らかして食べる人は嫌いだから。 登場人物の人間関係がどうなっているのかは、ある程度予測がついたのですが、 物語をどう収束させるのかは予想がつかず、最後まで楽しんで読めました。 最終的にみんなにハッピーエンドが訪れるのかはわからないけれど、 読後感も良いし、後味がすっきりします。 『フィッシュストーリー』では違和感を感じた黒澤さんが、 この本では魅力的な人物で、 人気のあるキャラクターなのも納得しました。 そうそう、男性の作家の場合、女性の描写に無理がある人も多いですよね。 伊坂氏の場合は特別にうまく表現しているわけではないけれど、...
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2011/04/18

ゴルの虜囚 110 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(28) 出発の準備が整いました。 男たちは既に意識を取り戻してもがいていましたが、手も足も出ませんでした。 遠くからはただ単に草地に座っているだけに見えるかもしれません。 男たちは縄を引きちぎろうとしていました。 朝まで見つけてもらえないだろうと思いました。 「脱がせろ」 とヴェルナが部下の一人に言いました。わたしはイヤ!と首を横に振りました。カミスクを切って脱がされ、わたしだけだけが捕らえられた奴隷として立ちすくむのでした。 「カミスクも縛りの紐も燃やせ」 服と紐が炎に投げ込まれるのを見つめていました。奴隷狩りに訓練されたスリーンにかがせるのに使えないようにするためでしょう。 「もっと火に薪をくべろ」 とヴェルナが命じました。 火に薪が投げ込まれました。 それからヴェルナはわたしに背を向け、衛兵の前を大股に歩きました。...
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2011/04/17

ゴルの虜囚 109 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(27) 「男たちを火のそばに連れて来い」 「はい、ヴェルナ」 女たちは二人組みになって、衛兵たちを引きずり火のところへ戻って来ました。今や衛兵たちはさるぐつわをされ、意識が戻っているのは一人だけでした。毛皮を着た女の一人が髪をかき上げながら、その衛兵の前にひざまずき、のど元にナイフを当てていました。 何人かの女は棍棒を捨て置いて、腰に手を当てて男たちを見つめ、笑い声を上げています。 わたしは気持ちが高ぶっていました。彼女たちは闇の中から棍棒を持ちすばやく現れ、女を扱うごとく簡単に男を捕虜にしたのです。でもわたしも、縛られているのだけれど。 ヴェルナと呼ばれた背の高い金髪のリーダーは、しなやかな森の豹の毛皮、金の飾りをまとい、槍を持ち、ラナが縛られ口をふさがれて横たえられている辺りを大またに歩いています。槍でヴェルナはラナを転がし、仰向けにしました。ラナは恐ろしげに見上げています。ヴェルナの槍はラナののどに当てられました。...
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2011/04/16

ゴルの虜囚 108 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(26) 「触らないでよ」 男はやすやすとわたしの体をひっくり返し、背中を地面に押し付けました。 「やめてよ!あんたなんか大っ嫌い!」 男の目に怒りの色が浮かんで来ました。わたしの体をきつく押さえています。そしてわたしは、ホワイト・シルクにもわかるほどの別の目つきに気づき、狼狽しました。ただ使われて、終わりではないのだと。苛立ちを感じ、うめき声を上げました。忍耐強くケアされ、デリカシーと細心さを以って使われるのでしょう。わたしが男に服従するまで。誇り高く怒れる自由なわたしが、打ち砕かれ、懇願する卑しい女奴隷に堕ちるまで。 「お願い、やめて!」 体の中に燃え上がる奴隷の火など望んでいません。どんなに激しく燃えるか、どんなに必要不可欠なものになってしまうか、わかっています。所有されるのは嫌。男のなすがままにされるのは嫌。地球であの背の低い男が、わたしが自分のベッドに縛り付けられていたときに、腹ばいと懇願を学ぶだろうと断言したことを思い出しました。...
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2011/04/15

ゴルの虜囚 107 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(25) 別の衛兵が荷車の一台に消え、彼が戻ってくると奴隷の鈴の音が聞こえました。 ラナは紐に二列についた鈴をウエストや足首につけてもらう間、誇らしげに炎の横に立ち、頭をのけぞらせ手を下ろして広げていました。 そうこうするうちに他の衛兵がまたカ=ラ=ナの瓶を前に持ってきました。衛兵が瓶を持ちラナに飲ませてから、ユートとわたしの分をよこしました。カ=ラ=ナが少し残って衛兵に返すと、今は鈴のついたラナに瓶を渡しました。野生的な鈴のジャラジャラと鳴る音をさせ、ラナはくびをのけぞらせて飲み干しました。 ラナは瓶を投げ捨て、頭を下げ、そしてそれから顔を上げて後ろに倒し、前後に振り髪をなびかせ、右足を踏み鳴らしました。 ユートと衛兵たちは歌って手拍子を始め、一人は革の盾を打ち鳴らしました。 荷車の向こうの闇の中で、何かが動いた気がしました。...
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2011/04/14

ゴルの虜囚 106 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(24) **** 「ラナに踊らせて」 とラナが甘えた声を出しています。 足を組んで座っていた衛兵が、傍らに跪いたわたしに肉を手渡したので、口で受け取りました。大きな入れ物から移したパガの袋を持ち上げて押しつぶし、衛兵の口の中へと液体を流し込みました。外側が焦げた肉にかぶりつくと、中は赤く、熱く、レアで、肉汁があふれていました。 衛兵は片手で、パガはもう良いという身振りをしました。 皮袋にひもで留めてある栓をしてから、わきの草の上に置きました。 目を閉じて、口の中、歯の上、そして唇に舌を這わせ、外側の焦げた熱いレア肉の肉汁と風味を味わいました。 明日わたしたちはコ=ロ=バへ旅立ち、そこから豪奢な、輝けるアルに向かうのです。 目を開けました。 炎はとても美しく、荷車の幌の上に影が落ちています。 ユートのハミング。...
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2011/04/13

ゴルの虜囚 105 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(23) ラナとユートとわたしは、賭けをしている男たちに向かって一列に並び、ひざまずいていました。わたしたちの手は、縛りの革で背中側に縛られています。 男たちは賭けをしていて、私たちに肉を放ります。 火明かりの中、肉を取りました。キャッチしたら2ポイント。落ちた肉片は格好の標的です。わたしたちは落ちた肉片を奪い合いました。その肉を奪い返したら1ポイント。ユートが肉を取りこぼし、ラナとわたしが取り合いました。転げ回ってもぎ取り、それぞれが落ちた肉を食いちぎりました。わたしはひざをついてのけぞり、髪を片方に振り乱しました。「わたしの!」 笑ってむせそうになりながら、肉を飲み下しました。 「わたしのよ!」 ラナがわめき、肉をむさぼるように食べました。 「両方に得点だ」 と衛兵が判定しました。 わたしたちは興奮していて、もっとやりたいと思っていました。...
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2011/04/12

ゴルの虜囚 104 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(22) わたしはユートとラナと一緒に女の籠から連れてこられ、門の内側でひざまずいていました。 お腹が空きました。もう夕暮れ時です。 「いつ食べられるの?」 とユートにたずねました。 「ご主人様たちの後だよ。喜ばせられたらね」 とユートは衛兵たちのことを言いました。 「喜ばせられたら?」 「わたしはいつだって食べさせてもらえるの」 とラナは言いました。 「怖がらなくても大丈夫。エリ=ノ=アはホワイト・シルクなんだし!」 とユートは笑っています。 わたしはうつむきました。 「エリ=ノ=アは喜ばせられるよ。あたしたちみんなやれる。どうしてあたしたちが選ばれたと思ってるの?」 ユートが励ましてくれました。 「食事の列に並んでおくべきだったと思うんだけど」 「それで、ぶたれるわけ?」 とラナが訊ねました。 「そうじゃなくて」 わたしは混乱していました。...
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2011/04/11

ゴルの虜囚 103 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(21) ユートが嬉しそうに駆け寄って来て、わたしの腕をつかんで笑いました。 「今夜食事が出ても、あなたとわたしとラナは食事の列に並ばないの」 「どうして?」 わたしはうろたえました。地球では食にうるさかったのに、ゴルでは驚くべき食欲を発揮していました。夕食が食べられそうにないなんて、全然嬉しくありません。わたしたちは何をしてしまったんだろう。 ユートは柵の外の森のほうを指差しました。収容所から100ヤードほどのところに、荷車の一台がありました。そこでは5人ほどの衛兵が野営をしています。 「あの人たちがね、わたしたちに給仕をさせてくれってターゴに頼んだの」 わたしは嬉しくて、顔がほてりました。収容所の外に出たかったし、男のそばにいると楽しいですから。こんなにこじんまりと打ち解けた集まりにお仕えしたことはありませんでした。その上、わたしがターゴに捕らえられてから一緒の衛兵たちだったので、彼らのことを知っていました。わたしの好きな人たちです。...
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2011/04/10

ゴルの虜囚 102 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(20) ユートってどうしてこんなにかわいくて明るいの! じきにみんなでユートと一緒に笑いました。歌を歌い始める娘たちもいました。わたしは楽しい気分を思い出し、インジと収容所の端まで走って戻る競争をしました。わたしの勝ちです。鬼ごっこやゲームを始める娘もいました。北方の女の子たちまで、混ざってきました。ぼろきれを詰めた布のボールを持っていたので、笑いあいながら投げました。輪になって座り、話をしている娘たちがいたり、お互いに向き合って座り、糸と指を使って難しいあやとりをしている娘たちもいました。“ストーンズ”をしている娘たちもいました。一方のプレイヤーがもう一方の手に握られた石の番号を当てるのです。わたしはあやとりに挑戦しましたが、できませんでした。複雑なパターンをまねしようとして、いつも混乱してしまいます。なんと美しく、突然複雑になるのでしょう。みんなが私の不器用さを笑います。ちなみに北の娘たちはこのゲームがとても上手で、わたしたちみんなを負かしました。...
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2011/04/09

ゴルの虜囚 101 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(19) 芸人は後ろに下がりました。 おとずれた静寂。 獣は後ろ足で立ち上がり、眠そうにわたしたちを見つめていました。すると突然、獣がおぞましく、恐ろしいほどに咆えて柵に向かって飛びついてきました。爪の生えた大きな手で掴みかかってきて、牙の生えた巨大な口腔には白い歯があり、咆えたりうなったりしています。柵にまでとどいてぶつかり、噛み付いて、鎖が鉄の柵に当たり、爪をわたしたちのほうにかいています。わたしたちは恐ろしくて、叫びながら後ずさり、逃げようとしましたが、他の人が邪魔でした。わたしは足がどうしようもなくガクガクして、足がもつれて一緒につながれている娘たちの中に突っ込みました。そしてその中で、どうすることもできなくなりました。わたしは、叫び声を上げ続けました。そうしているうちに、わたしたちは衛兵たちもターゴも笑っているのに気が付き始めました。ターゴたちには知らされていたのです。これはパフォーマンスの一部で、わたしたちのお気に入りにはなりえないものです。わたしたちの怯え様や混乱ぶりは、なんと滑稽なことか!衛兵たちやターゴ、そして芸人にとってはさぞかし滑稽でしょう。みっともない間抜けぶり、虫のごとく蠢くパニックを引き起こした群れ、手も足も出ずに怖がり、叫び、もつれ合う奴隷娘たち。怪物はもう芸人の脇におとなしく座っていて、口の周りを舐めながら眠りかけていました。目はどこを見るともなくうつろにまばたいていました。奴隷女の群れは、少しずつ体が離れていきました。わたしたちはみんな恥をかかされて恥ずかしい思いをさせられ、とっても馬鹿な振る舞いをして、わたしたちが逃げるのはとっても惨めで浅ましかったんだなと思いました。でもわたしたちはまだ怯えていました。何人かは丈夫な丸太の宿舎の小さなドアのところに立ち、駆け込む準備をしています。何人かは柵の反対側に逃げていました。ほとんどは柵の近くにいましたが、数フィート離れていました。わたしは頭にきて、でも怖くて、自分のカミスクをそれがドレスかのように、撫でてしわを伸ばしました。男たちが笑っているのが目に入りました。自分たちは利口だと思ってるんでしょ!あいつらはけだもの、あいつらみんな!あの人たちは体が大きくて、槍と剣を携えた勇敢な男。そしてもし獣が襲ってきてもただ殺せば良い。それなのにわたしたち、ただの女は子供のように泣いて逃げまどう。わたしは男たちに目をやりました。憎い。自分たちのことをたいそう賢くて、勇敢で、偉大で、女たちとは違うと思っているんでしょ!でもわたしは顔を赤らめました。カミスクは体を全部覆ってはいません。わたしたちは泣き叫ぶ子供のように逃げ惑いました。女のように!わたしたちは女なの!柵から離れているというのに、わたしはまだ獣を恐れていました。あいつらの望みどおり!この見せしめはどうでも良いけれど、絶対に忘れない。よくわかりました。自分たちは違うんだってことが!衛兵が持たせてくれた槍がどんなだったか、そしてそれがとっても重くて、数フィートしか飛ばせなかったことを思い起こしました。衛兵が槍をわたしから受け取り、木の的に投げつけると、100フィートも先に深々と刺さったのでした。槍を取りに行かされましたが、木から抜けませんでした。わたしは盾を持ち上げるのすら、やっと。地球では男の力を重要視していませんでした。強さは重要ではないと思えて、些細で見当違いに感じていました。でもゴルでは力は重要なのです。とても重要なのです。しかも女は男より弱くて、ずっとずっと弱くて、だからこんな世界では、男が望むのならわたしたちは男のもの。ある夜、男が他の男たちと会話をしている間、わたしは奴隷娘としてひざまずき、彼の革の小物やサンダルを磨いていていました。磨き終わった後もそのままひざまずいて男を待ちました。男は会話が終わると立ち上がり、ありがとうの一言もなくサンダルや小物を身につけ、収容所に先に戻れという身振りをしました。そして収容所の門のかんぬきを開けました。わたしは入り口で振り返って言いました。「わたしだって、人間なのに」...
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2011/04/08

ゴルの虜囚 100 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(18) 芸人が獣の腕試しをしたので、わたしはみんなとゴル式に右肩をたたいて拍手しました。 もう獣はコミカルにでんと座り、空中で指をぱたぱたさせていました。そしてごろごろ転がって、哀れっぽく鼻を鳴らしておねだりしていました。 たびたび、獣が特に上手にパフォーマンスしたら、芸人はローブの大きなポケットから取り出したボスク肉のかけらを抛ります。時には叱り、肉を出し惜しむと動物は叱られた子供のように下を向いて、顔を横に向けます。そうして芸人が肉片を与えます。衛兵たちも奴隷娘たち同様に芸を楽しみました。ターゴさえも、青と黄色の奴隷商人のローブをまとったおなかを抱えて笑っていました。時に芸人は、獣に抛るための肉を奴隷娘にも与えます。ラナは誰よりも懸命におねだりして、肉をほとんどもらっていました。ラナは勝ち誇った視線をわたしに投げかけました。わたしはたった一片をすばやく抛りました。この獣が怖い。ラナはちっとも恐れていないようでした。肉が巨大な牙の生えた口の中に消え、大きな丸い目が、眠そうに、満足そうにまばたきしました。奴隷娘たちが笑っています。そして、獣の目がまたわたしを見ていました。怖くて、口に手を当てました。でももうまたうつろでぼんやりした、獣の目になっていました。じきにまた、馬鹿だったと自分に言い聞かせ、みんなと笑っていました。...
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2011/04/07

ゴルの虜囚 99 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(17) もっと午後遅くなると、収容所ではパーティーがありました。ふさ飾りの付いたとんがり帽子をかぶり、バカみたいなローブをまとった芸人が、ピエロの化粧をして、奇妙な動物を連れて収容所にやってきました。その芸人はタルン銅貨一枚で収容所での興行をします。わたしたちは、村娘たちでさえもターゴにねだって興行を許可してもらいました。ターゴの承諾で、スキャーンのホーコンの収容所と共有の壁から離れた、離れた側の柵の近くの狭い広場を、動物を連れた小柄な芸人が片付けました。わたしたちと100人の村娘は喜んで、見ようとして柵に押し寄せました。漠然と、バカみたいなローブを巻きつけ、顔に色を塗った背の低い芸人を、なぜか知っているような気がしましたが、ありえないはずです。ばかばかしい!芸人は柵の前で踊ったり宙返りをしたり、ばかばかしい歌を歌ったり思案した。背が低く痩せた男で、身が軽かったです。目と手がすばやく動きました。それから笑える話をしてジョークを言いました。シルクやスカーフを使ったマジックや、ベルトに付けていた色の付いた輪でジャグリングもしました。それから策越しに、娘たちの髪からコインを見つけるそぶりをしました。嬉しいことに、わたしの髪からはタルスク銀貨を引き出したようです。娘たちは羨ましがって歓声を上げました。見つけたコインで一番高価です。わたしは嬉しくて頬を赤らめました。ラナはそれほど楽しんでいませんでした。わたしは笑いました。みんなも楽しくて笑って手を叩きました。その間獣は眠っていたようで、芸人の後ろの草の上に丸まり、衛兵が鎖を持っていました。...
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2011/04/06

ゴルの虜囚 98 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(16) ある日の午後、ターゴがわたしを傍らに呼びました。 「奴隷よ」 何かをしでかした覚えがなくて、怖くてターゴのところに駆け、足元にひざまずいて頭を降ろしました。 「顔を上げなさい」 わたしはそうしました。 「展示の鎖のときは、また前につなぐ。お前は11番目の娘だ」 わたしは耳を疑いました。 「ありがとうございます、ご主人様」 と小声で言いました。 ターゴはローラに来る前に4人売ったので、鎖には今16人の娘がいます。100人の村娘は展示の鎖につなぎません。アルで売るための娘たちです。 「お前は今では鎖の上位だ」 ターゴが言いました。 わたしは頭を下げました。 「お前はもう少しで美しくなる」 顔を上げたときにはターゴはいませんでした。 すごく嬉しかったです。 収容所のかんぬきのかかった門へ走ると、衛兵がかんぬきを外しました。中へ入ると衛兵は門を閉め、かんぬきをまたかけました。...
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2011/04/05

ゴルの虜囚 97 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(15) 売られるが楽しみでたまらない自分に気がつきました。 男に所有されるのはどういう感じかと、好奇心をそそられて不思議に思う自分に気がつきました。ときどき、他の娘が見ていないときに、ご主人様の首輪があるかのごとく、手をのどにやりました。ご主人様のものと示す首輪の文字をなぞる真似をしました。ローラで売られるのに異議を持ちさえしませんでした。荘厳な空気と空、北には森、南には川、シンプルで、ワイルドで、素敵な場所な気がします。川へと降りる倉庫の間を蛇行する坂道、建物に付いた色を塗った木の彫刻、黒い柿板(こけらいた)の屋根、道行くボスクのにおいと荷車がきしる音、魚と塩のにおい、川から来る濡れて光るタルラリオン、波止場の革や毛皮のにおい、のこで引かれた材木。そしてわたし好みの男はラフなマントとチュニックをまとい、生き生きしてしなやかな強い男。大きな手をしていてよく笑い、きれいな空気の中、川で手や背中を使って働く男。もしわたしが、いつか見たように荷車の傍らに乗せられた娘だったら。もしわたしが、いつか聞いたように、夜たいまつをつけて釣りをする人たちと一緒だったら。市場で抜け目なくその人の懐具合と交渉できるかしら。わたしの作る料理を気に入ってくれるかしら。毛皮に包まって、存分にご主人様を喜ばせる努力をするであろう自分に、笑顔になりました。そしてまた微笑みました。そうしなければご主人様はわたしをぶつとわかっているのだから。ご主人様はわたしを連れて旅に出るかしら。時には誰も知らない地を、草原を歩み、わたしは奴隷なのに、わたしの手を引いて。ご主人様とその奴隷娘が、玄関口でキスをしているのをローラで見たことがあります。その奴隷娘の目を見ました。彼女をどんなにうらやんだことか!彼女はご主人様を愛していました。その奴隷娘のために、ご主人様があの娘を売らないと良いと願いました。おかしい。わたしが奴隷娘になってきて、男がわたしを所有するのかもしれないと理解するまで、男の肉体の野蛮な美しさと力強さや、男の力に気付いてはいませんでした。...
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2011/04/04

すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法 園 善博

フォトリーディング講師時代の園先生の講座を受けているので、 毎度ながら身内や知人に甘い評価します。 『すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法』を1回目に読んだときは、 なんだか簡単すぎて物足りなさを感じました。 先生がこれまで出した本に対して、「内容がむずかしい」というご意見をいただいたため、 「もっと、もっと、もっと分かりやすい入門レベルの本」を執筆した、 と「あとがき」に書いてあって、 ちょっとちょっと園先生~、そういうことは「はじめに」に書いてよね。 わかってたら買わなかったのに。 と毒づく気持ちさえありましたよ(笑) でも何度か読み返すうちに、 書いてある内容は、わかっているけど意外と身についてはいなかったことで、 やっぱり大事なのはそこなんだよね、と再確認させられました。 そんなわけで、この本はこの本で読んで良かったです。 個人的には、脳の働きから見てとか、こういう研究結果やデータがあるからとか、...
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ゴルの虜囚 96 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(14) それからわたしは苛立ちを感じながらも洗濯に戻り、他の娘たちもそうしました。でも、そのとき何かが違っていると感じました。娘たちが、流れの速い小川のほとりで太陽の日差しを浴び、服を叩きつけたりすすいだりしながら、陽気におしゃべりしあうのを聞いていました。そしてわたし、エレノア・ブリントンも一緒に働いています。冷たい水に手を入れ、服を浸し、持ち上げて絞り、石に叩きつけて、また浸す、シンプルで昔ながらのリズムで。何が違うの?わたしはカミスクを着て、囚われの女にふさわしく、革ひもで、縛りの革で留めていて、ただそれだけです。彼女たちのようにひざまずく。彼女たちのように働く。ここにはペントハウスも、マセラティも、財産も、高層ビルも、エンジンがうなりを上げる轟音も、飛行機の金属音も、息が詰まるもやの曇りもありません。あるのはただ娘たちの笑い声、小川のせせらぎ、働くこと、青い空に白い雲、風にそよぐ草、清い空気、そしてどこかでは、小さくて角のある紫のフクロウのようなギムの泣き声。...
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2011/04/03

ゴルの虜囚 95 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(13) 当然、わたしはもう医者に話しかけようとはしませんでした。 四日目、安定血清の最後の注射を受けました。五日目、医者は試験結果を手に取り、血清の効果を断言しました。 五日目に医者の家を出るときに、医者が衛兵に「すばらしい検体ですよ」と言うのが聞こえました。 四日目と五日目は、ワインを運んで収容所に戻るのが許されました。 人生であれほど健康に感じたことは本当にありません。それだけでなく、澄んで清らかな空気、抜けるように青い空、くっきりとした白い雲。収容所に向かってローラの坂道を登り、つながれ、監視され、右手でバランスを取りながら頭の上のワイン壷を運び、囚われの我が同胞たちの中で、ゴルの狂信的な空気を吸い込み、突然、わたしは幸せだと悟りました。裸足でも、首に紐を付けられていても、カミスクをまとっていても、男の言いなりの奴隷の身に堕ちても、多分生まれて初めて、逆に生き生きと喜びにあふれる幸せを感じました。きちんと背筋を伸ばす人、はばからず優しくよく笑う人、たくましい足の人、長くて立派な腕と頑丈な手、立派な胸と頭の人。そんな人たちを見たいと思いました。偶然かのごとく近くに立ったり、さっと通り過ぎるときにでも、うっかりしたかのように触れたり。時々男たちはわたしが見ているのに気がついて、わたしは彼らのにやにや笑いに反応し、急いで恥ずかしそうにうつむくの。他の娘たちの中で、革製品やサンダルをきれいにしろと放られるときも嬉しいの。わたしは上手にやるから。収容所の近くの小川の石で、男たちの服を洗うのも嫌いじゃありません。服を取り扱うのも、甘美な強さがしみついた丈夫な生地を感じるのも好きです。一度、ユートがわたしを捕まえて、医者のところでわたしを見張った衛兵のチュニックを頬に押し付けたので、目を閉じました。水の中の平らな石の間に立っていたユートは、歓声を上げて飛び上がり、わたしを指差しました。他の娘たちも見て、ひざをたたきながら笑いました。...
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2011/04/02

ゴルの虜囚 94 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(12) 外で他の四人の娘と衛兵が待っていました。わたしはつながれ、荷物を渡され、みんなで一緒にターゴの収容所に帰りました。 黒い服を着た小さな男がわたしたちを見ている気がしましたが、さだかではありません。 わたしたちは次の四日間も医者の家に行きました。最初の日は検査をされ、少量の取るに足らない薬と、安定血清の一本目を投与されました。二日目、三日目、四日目は続きを受けました。五日目は医者がサンプルを取りました。 「血清は効いてますよ」 医者は衛兵に言いました。 「よかった」 二日目、注射の後に、衛兵がいるのに情報を乞おうと医者に話しかけようとしました。 衛兵はぶちませんでしたがわたしを二度ひっぱたき、口から血が出ました。そしてさるぐつわをされました。 あとから外で、衛兵はおもしろがってわたしを見ました。 「さるぐつわをして収容所に帰りたいか?」...
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2011/04/01

ゴルの虜囚 93 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(11) ローラの外のターゴが借りた収容所に、わたしたちはまるまる6日いました。 そのうち5日は、朝に他の4人の娘と紐につながれてローラに連れてゆかれ、生活用品を運んで来ました。二人の衛兵が同行しました。でも面白いことにある建物のところで、衛兵の1人がわたしを他の娘たちと別にして、その衛兵とわたしは建物の中へ入って行き、他の娘たちは引き続き市場に向かいました。みんなが市場から帰ると建物のところで呼んで、わたしと衛兵は外に出ました。そこでわたしはまた他の娘たちとつながれ、荷物を分配し直して自分の持分を手に取り、奴隷娘のように荷物を頭の上に乗せてバランスを取りながら運び、衛兵の監視の下、収容所に帰りました。最後の2日はわたしがそうお願いして、頭でワインのつぼを運ぶのを許されました。ユートがこぼさない歩き方を教えてくれていたのです。男たちがわたしを見ているのが楽しかったです。すぐに、他の娘たちや、ユートとさえ同じようにワインを運べるようになりました。...
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