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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
6. 奴隷商ターゴとの邂逅(11)
娘が、女のわずかな獰猛な力でぶちました。何度も何度も、繰り返し繰り返し、意地悪く、荒々しく、あらん限りの激しさで、何度も何度も。わたしは声を上げ、叫んで泣きじゃくってもがきました。細い革の紐の束は、情け容赦ありませんでした。わたしは草を噛み、息もできません。涙で目が見えません。何度も何度も!
「お願いやめて!」
でももう叫ぶこともできません。ただそこにあるのは草と、涙と、何度も何度もぶたれる鞭の痛みです。
実際にぶたれ続けたのは2,3秒だけなのかもしれませんが、1分以上ではなかったと思います。
ターゴがその娘、ラナに何か言うと、革の刺すような痛みの雨が止みました。
二人の男は足首を放し、手首を掴んでいた二人はわたしを跪かせました。わたしはショックを受けていたに違いありません。目の焦点が合わず、荷車のところで女たちが笑っている声が聞こえました。草の上に吐くと、二人の男が後ろから髪を掴んで吐いたところから引き離しました。きれいな草のところの地面に顔を押し付けられて、頭の向きを変えられ、口とあごについた嘔吐物を拭い取られました。
それからまた男たちに手首を掴まれ、ターゴの前に引きずり上げられ跪かされました。
ターゴを見上げました。
片手にわたしの服を持っているのが見えて、それをかろうじて理解できました。こちらを見下ろしています。もう片方の手には、わたしをぶった鞭の束がぶら下がっています。女は男の一人に、荷車の自分の持ち場に連れ戻されていました。背中全体が、脚が、腕が、肩が焼け付くようでした。
二人の男が、わたしの手首を放しました。
「カジュラ」
ターゴが言い、鞭を振り上げました。
ショックです。
わたしはターゴの足元の草に額を押し付けました。
ターゴのサンダルを手に頂き、足に唇を押し当て口づけをしました。
女たちの笑い声が聞こえます。
もうわたしをぶったりしないわ!
ターゴを喜ばせたはずです。
震えて涙に咽びながら、もう一度足に口付けしました。満足したに違いないわ、そうに決まってる!
ターゴは簡潔な命令をして、ローブをひるがえして立ち去りました。
わたしは顔を上げて見送り、すすり泣きました。
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訳者の言い訳と解説
鞭ってなんとなくイギリスの先生が持つようなのを想像してたら、
バラ鞭みたいですね。
今回は皆さんが期待している(?)SM色が強いシーンなので特に気を使いました。
うまく盛り上がってるかな?
こうしたら良いんじゃない?ってところがあったら、
特にまこちゃん、よろしく!
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