●(上)懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。
ジュンは文化人類学の研究のために来たが、
多くの人々の目的は死者から「血塗れジャック」事件の犯人を聞きだすことだった。
ところがジュンの目の前に鳥居に吊るされた死体が現れる。
これは何かの警告か。
ジュンは犯人探しに巻き込まれていく――。
(下)聖地にいる173人全員に殺人容疑が降りかかる。
だが、嘘を許さぬ古来の儀式「ガッチ」を経ても犯人は見つからない。
途方にくれるジュンの前に、「血塗れジャック」の被害者たちが現れて証言を始めた。
真実を知るために、ジュンたちは聖地の地下へ向かうが……。
解説・萩尾望都
初めて読んだ、恩田陸さんの作品です。
ここ最近、三島由紀夫やら谷崎潤一郎やらを読んでいたので、
子供向けみたいで、文学的には物足りなさを感じました。
小学生・中学生のうちに読んだら楽しいんじゃないでしょうか。
でもファンタジーを普段読まないわたしでも、
ストーリーにぐいぐい引き込まれ、最後までワクワクして読めました。
「アナザー・ヒル」という架空の場所が、
ふわふわした不確実な印象を持たせつつ、
非常にリアリティがある描写をされています。
しかしながら「ファンタジーとミステリーの融合」、
と言いつつも、ミステリーとして読むものではないです。
後半で説明されると思っていたことが、
説明がないまま物語が終わってしまうのです。
ミステリーっていうのは、すべてに合理的説明がなければいけないと、
わたくしなどは思うのですけれど、
その点は主義の違いかもしれませんね。
恩田さんの他の作品も読んでみようと思います。
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