●事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。
宮部みゆきはどれを読んでも外れがなく、
この作品も面白くはあるのですが、
宮部作品の中では、面白くないほうだと思います。
プロットもよく練られているし、
ドキュメンタリー的手法を選んだのも良いし、
宮部独特の暗さや、魅力的な表現はたくさんあるのに、
文章が上手でない人が書いた文章にしてあるため、
まどろっこしさを感じてしまいます。
「詳しくは後で触れるとして、ここではまず、事件の大まかな経過について振り返ってみよう。」
といった断りが多いのが、そう感じさせる原因でしょう。
わざと読者をじらす手法なのか、
連載中に読者を気にしすぎてしまった故なのか、
ちょっとわかりませんでした。
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