<反地球シリーズ>ゴルの虜囚ジョン・ノーマン7. 他の女たちと、北方へ連れて行かれる(18) その夜、川岸で早めに休息を取りました。夕方には衛兵の監視の下、いろいろな仕事をこなしました。ボスクの世話をして、荷車を掃除し、水を汲んで薪を集めました。料理をする者もいました。ユートとわたしはのどで一緒に邪魔にならないくらいに結ばれて、他の娘たち同様カミスクを着て、衛兵に監視されながらバケツを二つ持ってベリーを摘みに行きました。ベリーは多くなくて、バケツいっぱいにするのは容易ではありません。ユートのバケツからくすねて、自分のを先にいっぱいにしました。わたしたちがベリーを食べるとは思われていなかったし、ユートもしなかったと思いますが、わたしは衛兵が見ていないときに口の中に滑り込ませていました。果汁は注意深く口の中に抑えていましたから、唇にもあごにも証拠はありません。ユートは扱いやすい、とってもちっぽけなおバカさん。 わたしたちがキャンプに戻ったときには、暗くなり始めていました。荷車の近くで、石を積み上げて小さな暖かい火がおこっているのを見てぎょっとしました。火から二つの焼き鏝の柄が出ていました。...
2010/11/07
ゴルの虜囚 81 【CAPTIVE OF GOR】
<反地球シリーズ>ゴルの虜囚ジョン・ノーマン7. 他の女たちと、北方へ連れて行かれる(17) それにしてもわたしは自分が平凡だとは思いません。地球では気絶しそうなほどきれいだと思われていました。 それにゴルにおいてさえ、男の奴隷たるにふさわしいほどの魅力があるに決まっています。 男の奴隷という考えは、わたしの心をかき乱しもし、気に入りもしました。わたしがその気になればケダモノに仕えることだってできます。地球のみんながわたしを見たら、エレノア・ブリントンがそんな風に所有されて、ご主人様を喜ばせようと励んでいるなんて、さぞかし笑えるだろうと思いました。 でもわたしは女性に仕える給仕奴隷の務めのことも、もちろん何もわかっていませんでした。仕事は難しく、手間がかかり、多岐にわたります。優良な女性用の給仕奴隷は値がはります。ユートから聞いたところによると、難問のひとつは、上層階級の女性は、満足いく者を見つけている場合は別として、そのような奴隷に路地を這い回らせ、男の奴隷と内密に連絡を取らされることです。...
ゴルの虜囚 80 【CAPTIVE OF GOR】
<反地球シリーズ>ゴルの虜囚ジョン・ノーマン7. 他の女たちと、北方へ連れて行かれる(16) 「顔をお上げなさい、お嬢さん」 女性の声がしました。 わたしは顔を上げました。 彼女はわたしより年上ではないはずですが、わたしを子ども扱いしました。 衛兵がまた足でわたしをこづきました。 「買ってください、ご主人様」 わたしは口ごもりながら言いました。 この女がわたしを買うんじゃないかと恐ろしくなりました。女に買われたくなんかない! でもこの考えにはっとしました。女に所有されるほうが良いはずです。召使とかで、長い髪をとかしたり、服を着せて飾り立てたり、お化粧品を取ってきたり、ことづけをしたりお使いに走ったり。全部やりたくないことだってわかってる!女に所有されるなんていや! でもどうして?そうじゃなければ?顔が良くて男らしくて力強くて、女から残らずすべてを奪うゴルのケダモノに怯える奴隷のほうが良いって、わたしが本気で望む?そんなわけない!...
ゴルの虜囚 79 【CAPTIVE OF GOR】
<反地球シリーズ>ゴルの虜囚ジョン・ノーマン7. 他の女たちと、北方へ連れて行かれる(15) あるときインジと話していて、ユートはいつも文法的間違いをしているのに気がつきました。 「そうね。あの人は革職人だから」と、インジは言いました。 自分はユートより勝っていると思いました。 わたしはそんな間違いは犯しません。わたしはエレノア・ブリントンなんだから。 「わたしは上層階級のゴル語を話すの」と、わたしはインジに言いました。 「でもあなたは野蛮人でしょ」 一瞬インジが憎たらしいと思いました。 インジは書記だけれど、鎖につながれた奴隷娘のままで、ご主人様に従わなければならない。その頃にはわたし、エレノア・ブリントンは安全な地球の、居心地の良いペントハウスにまたいるのだと自分に言い聞かせました。ユートも奴隷のままよ!おばかさんで間抜けなユートは、自分の国の言葉さえちゃんと話せないもの! かわいいからって、男のおもちゃになるくらいしか意味がないじゃない。ユートは生まれついての奴隷よ!鎖につながれるのがお似合いね。インジだって傲慢すぎる!あの人たちはゴルにいて支配される身分だけれど、わたしは、エレノア・ブリントンはお金持ちで賢くて、安全に守られて、遠い世界のペントハウスで笑っているの。良い気味!...
ゴルの虜囚 78 【CAPTIVE OF GOR】
<反地球シリーズ>ゴルの虜囚ジョン・ノーマン7. 他の女たちと、北方へ連れて行かれる(14) わたしたちは二度、ボスクを牧畜する断崖の村に立ち寄りました。わたしはこの滞在は歓迎でした。まだぬくもりのある絞りたてのボスクのミルクを飲めたし、草葺だけれど屋根のあるところで夜を過ごせます。このような村にある、夜にわたしたちがつながれる小屋には、いつでもきれいな藁が敷かれてています。すっきりとした、お日様のにおいがします。荷車の硬い板のあとでは、ここに横になるのはとっても素敵です。 ユートとインジ、特にユートは忍耐強い、根気良い教師でした。一日に何時間もわたしにゴル語を教え、当然わたしはゴル語漬けです。わたしはすぐに、考えなくともにゴル語を話せるようになりました。言葉を自由に使いこなせない子供が学ぶように、この言語を習いました。 ユートもインジも英語を知りませんから、変換の理論的体系や、言語学的な同一性を示すことは、したくても出来ません。二人は英語を知らないのだから、道具のごとく実用的かつ具体的、花や雲のごとく表現豊かで美しい、生きた言葉を教えるほかありません。わたしがゴル語で考えるようになるのに、長くはかかりませんでした。レッスンを始めてから十日ほど後に見た夢は、知性的なゴル人へ、同じ言語で考えずに受け答えすること。飴を盗みラナのせいにして、ラナがぶたれる夢も見ました。面白い夢を見ていたのに、ターゴが鞭を手に揺らしながらこっちへ来るような気がしました。冷や汗をかいて目を覚ますと、わたしは荷車の中で無事に鎖につながれ、カンバス地の上でした。外は雨で、赤い縞模様の角ばった屋根を打つ音が聞こえました。荷車の中の他の娘たちの息づかいが聞こえました。わたしはまた体の下の幌布の上に寝そべると、鎖がかちゃりと音を立てました。雨の音を聞きながら、また眠りに落ちてゆきました。...
ゴルの虜囚 77 【CAPTIVE OF GOR】
<反地球シリーズ>ゴルの虜囚ジョン・ノーマン7. 他の女たちと、北方へ連れて行かれる(13) この世界の男の性質について、恐らく十分に説明していなかったと思います。地球の男とは全然違います。概して体が大きく、たくましく、雄々しく、自信に満ち、頑固で、力強い男である場合が多いです。さらに大きな違いは、大きさやたくましさではなく、気質や心理の面です。異なった文化変容を遂げています。たとえば、女を奴隷にするのを認め、受け入れ、良しとする世界に生きています。美しい娘が奴隷となり奴隷の衣服をまとうことにより、その肢体や美しさを十分にあらわにし、首輪をはめられているのにも見慣れています。奴隷娘を見たら腕に抱きたいと考えるのは言うまでもなく、そのときほど男らしさに火がつくものはありません。この世界では、男がそれが当然だと全然考えもせずに思っているのは、驚くべきことではありません。たいてい、女を見たら自由な女であっても、奴隷としての価値があるかどうか、<オークションのストック>として価値かあるかどうか、カウチの脚の奴隷のリングの装飾品としてか、のたうつ<首輪の付いた肉体>として見るのです。ゴルの男が支配することの点から考えるのは、驚くことではありません。...
ゴルの虜囚 76 【CAPTIVE OF GOR】
<反地球シリーズ>ゴルの虜囚ジョン・ノーマン7. 他の女たちと、北方へ連れて行かれる(12) ローリウス川の丘へ到着するには何日もかかりました。 わたしたちは四つほどの隊商に出会い、その都度ターゴは展示の鎖を見せました。わたしは鎖の四番目です。ラナが売られれば良い、ユートとインジはそうならなければ良いと思っていました。 隊商には奴隷娘がいて、ご主人様と一緒に見に来ることもしばしばありました。鎖につながれない自由、好きなだけ走ったり笑ったり歩いたりしている彼女たちが、どんなに羨ましかったか知れません。左肩で結んだ丈の短い奴隷のチュニックを着た彼女たちは、なんてきれいなんだろう。首輪をはめられ、ご主人様の腕に寄り添い、なんとすまして私たちを見ていることか。買ってもらえず裸で展示の鎖につながれて、草の上にひざまずくわたしたちを、どんなに蔑んでいることでしょう。 不思議とわたしは、自分が売れる可能性を少しも考えていませんでした。でも一度、わたしが顔を上げてかわいらしく微笑み、「買ってください、ご主人様」と品定めされる奴隷娘のお決まりのフレーズを口にした後、心臓が止まりそうになりました。男が立ち止まったまま、まだわたしを見ていました。その男がわたしにいくらかの興味を持って見ているのだとわかり、恐ろしくなりました。...
ゴルの虜囚 75 【CAPTIVE OF GOR】
<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 7. 他の女たちと、北方へ連れて行かれる(11) ブラシや櫛の入った箱が運ばれてきました。みんなはペアになり、相手の髪をとかし始めました。競ってラナの髪をとかす娘たちもいます。わたしも櫛を渡されました。 おずおずとユートのところに行きました。目に涙が浮かんできます。ユートと同じ言葉を話すことすらできません。荷車の引き具を引くのを怠けて、自分の分を他の人にやらせようとしたことを、申し訳ないと伝えることが出来ませんでした。寂しくて、辛くてたまらないと伝えることさえも出来ませんでした。何よりも、友達になってほしいと伝えることが出来ませんでした。 小川でユートはわたしを拒絶し、そっぽを向きました。 ユートのところに行くと、ユートが振り向いてわたしを見ました。また顔をそむけられたらとおどおどしながら、もし構わなければ、もしそうしてユートを喜ばせられるならば、髪をくしけずることを許して欲しいと願っていることを、身振りで示しました。...
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