2011/02/06

ゴルの虜囚 87 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(5) 「見て!」 インジが前方を指差しました。 遠い空の向こう、森の境界線沿いにローラの東から、40人くらいのタルン戦士が、巨大で獰猛で鷹のようなゴルの乗り物の鳥、風の兄弟と呼ばれるタルンにまたがっていました。大きな鳥の背中に乗った彼らは小さく見えました。槍を持ってかぶとをかぶっています。鞍の左側に盾を吊るしています。そういう鳥のことも、そういう男のことも、もちろん聞いています。南のほうで、錯乱した迷える不思議な野蛮人をターゴが鎖につなぐ前に、ターゴを襲ったような人たちです。わたしが見るのは初めてのことでした。 娘たちは怖がり、柵を押して泣き喚き指差しました。 タルン戦士たちは遥か遠くにいてさえ、わたしに恐怖を感じさせました。あんな翼のある怪物を征服できるのは、どんな男だろうと思いました。恐ろしくて、檻の中で尻込みしました。 ターゴは船の前に来て、早朝の日の光から目を遮りながら上のほうを見ました。ターゴは後ろに立っていた片目の衛兵に話しかけました。...
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ゴルの虜囚 86 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(4) わたしは柵越しに外を眺めました。もうかなりはっきりとローラの木造の建物が見えます。平底船を引く2頭のタルラリオンの背中に、水が濡れ光っていました。 「そんなに悲しまないで、エリ=ノ=ア。首輪をつけてご主人様を持てば、もっと幸せになれるから」 わたしはユートを睨みつけました。 「わたしは絶対に首輪なんかつけないし、ご主人様もいらない」 「あなたは首輪もご主人様も望んでる」 と、ユートが微笑んで言いました。 かわいそうなくらいのバカね!わたしは自由になって、地球に帰るの!またお金持ちでパワフルになるの!使用人も雇うし、別のマセラティだって買うんだから! 「ご主人様がいて幸せだったことがあるわけ?」 自分を抑え、辛辣に尋ねました。 「うん、あるよ!」 嬉しそうに言うユートの目が輝いています。 わたしはうんざりしてユートを見ました。...
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ゴルの虜囚 85 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(3) 川には他の船の船頭もいました。川を渡る者、ローラに向かう者、立ち去る者。ローラからの人たちは流れのみを利用していました。近づいてくる者たちは、陸タルラリオンに川沿いを一歩一歩引かせていました。陸タルラリオンは川を泳ぐことが出来るものの、大きな川タルラリオンほど効率的ではありません。川の両岸ともローラに上がれますが、北側が好まれます。ローリウスの河口にあるリディウスに戻る引き具を外されたタルラリオンは、普通は北側よりタルラリオンの牽引に使われない南岸の道沿いを行きます。そんな川を上る平底船に、金属のような粗製品や、道具類や生地のようなものの入った、たくさんのかごや箱が見えました。下流に向かうにつれ、魚の樽、塩の樽、石、毛皮の梱を運ぶ他の船も見えて、河口に向かって動いていました。上流に向かう船のいくつかには、殻の奴隷用の檻が見えて、わたしたちが監禁されているのに似ていなくもありません。上流に向かう船で、檻のあるのは一隻だけ見えました。4,5人の裸の男の奴隷が入っています。しょげかえり、ちぢこまっているようでした。なぜか髪を幅広く一列剃られていました。ラナはこれを見ると甲高い声で叫んであざけりました。男たちはこちらを見もせず、ゆっくりとローラに向かっています。...
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ゴルの虜囚 84 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(2) 幅が広くて側壁の低い平底船が、桟橋に向かってバックして来ました。大きな舵取りオールが二つ付いていて、乗組員がいました。船は二匹の、水かきを持つ巨大な川タルラリオンに引かせます。タルラリオンを見るのは初めてでした。怖かったです。うろこがあって、巨大で、長い首をしています。体の大きさの割りに、水の中であってさえ優雅な動きです。1頭が水の中に頭を入れて、すぐに上げてまばたきをすると、暴れる銀色の魚をぎざぎざの歯のついた小さなあごにくわえていました。魚を貪り食うと、小さな頭を振り向かせ、今度はまばたきせずにわたしたちを見つめました。幅の広い平底船の引き具がかけられています。タルラリオンは、引き具の一部になっている二頭の間にぶらさがる革のかごにおさまった船の乗組員に、長い鞭の棒で操縦されます。また、乗組員は華やかなゴルの下品な言葉をわめき散らしてタルラリオンを指揮します。彼は桟橋をぎしぎしいわせていました。...
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ゴルの虜囚 83 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ> ゴルの虜囚 ジョン・ノーマン 8. ローラの北での出来事(1) わたしたちがローリウス川の丘に着いたのは、翌朝の夜が明けてすぐでした。 霧の立ちこむ寒い日。焼印を押されたばかりの新入りの娘は、フードとさるぐつわをされ、体を縛られています。彼女以外は荷車に敷かれた幌布の間をうごめいていました。わたしの他に何人かが、四角く張られた荷車の横の幌を持ち上げて、朝霧のかかる外をのぞいていました。 魚と川のにおいがします。 霧の中に、あちらこちらへ動き回る男たちや、背の低い木造の小屋が見えました。既に最初の漁から戻る、漁師に違いない人たち。彼らは夜にたいまつと三叉のやすを使い、川面の魚を捕るのです。網を持って水のほうに降りて行く人たち。魚をつるしておく柱が見えます。わたしたちがいる方に進んでくる荷車もありました。袋や縄をかけた薪の束などの荷物を運んぶ男たちも見えました。小さな木造小屋の入り口で、短い茶色のチュニックを着た奴隷娘がこちらを見つめていました。チュニックの切れ目の喉元に、きらりと鉄の首輪が光りました。...
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