<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
9. 小屋(4)
「休憩は終わりだ。行くぞ」 とヴェルナが言った。
他の皆と同じように森の豹の毛皮をまとった、
わたしを縛ってまたひもをつかんでいる女は、
スリーンナイフを鞘に納めて、こちらに顔を向けた。
ナイフを持って飛び掛ってきたのはこの女だ。
金属と革の窒息の革を手に巻きつけ、
「カジュラ!」と軽蔑を込めて言った。
わたしは首が絞まって息を呑んだ。怖かった。
ヴェルナはわたしを見つめた。
彼女はわたしが投げ捨てたナイフを、
毛皮の服でぬぐって汚れと木の葉を落としてから、鞘に戻した。
そして肩にまた弓と箙(えびら)をかけ、小型の槍を持った。
他の女たちも同じように武装し、出発に備えている。
水の入ったひょうたんと、食事の残りの肉を拾い上げている女もいた。
ヴェルナが近づいてきた。
わたしは縛られたときのまま、ひざまずいている。
「お前は何だ?」
「カジュラです、ご主人様」 とわたしは小さな声で答えた。
わたしはヴェルナを見上げた。「口をきいても良いですか?」
「話せ」
自分が他の女、彼女たちと同じではないとわかってきていた。
「どうしてわたしは連れてこられたのでしょうか?」
ヴェルナは長い間わたしを見つめてから言った。「男がいる」
わたしは絶望的な気持ちでヴェルナを見上げた。
「その男がお前を買ったのだ」
ヴェルナに率いられた女たちはまた、月明かりに照らされた暗い森を進み始めた。
再度鉄と革の首輪が閉じられ、怒りにあえいだが、
手首は後ろで縛られ、服を着ることも許されず、
つながれて連れられていく。
森の誇り高き女たちの中にあって、わたしだけが、カジュラ。
わたしたちはおそらくもう1時間ほど進んでいた。
一度ヴェルナが片手を挙げ、みんな止まった。
物音を立てずに立っている。
「スリーンがいる」 とヴェルナが言った。
女たちがあたりを見回している。
ヴェルナはどこかに動物のにおいを嗅ぎつけていた。
女の一人が応えた。「いるな」
ほとんどの女はただ見回しているだけだったが、
槍の準備はしていた。
わたしには動物のにおいはしなかった。
わたしにはわからない。
そよ風が右側から吹いている。
しばらくすると、さっき返事をした女が「よし、もう行った」と言い、ヴェルナを見た。
ヴェルナはうなずいた。
わたしたちはまた道を進んだ。
わたしには何もわからなかったし、ほとんどの女もそうだったのではないかと思う。
0 コメント:
コメントを投稿